一般に、交通機関単体では「Go To トラベルキャンペーン」を利用することができない。たとえば、飛行機や新幹線のチケットを買ったとしても、35%引き+15%の商品券をもらうことはできず、定価での購入となる。
しかし、どういうわけか、それに該当しないものが存在する。「夜行フェリー」だ。夜行フェリーは、どういうわけか「宿泊を伴う」扱いとなり、Go To トラベルキャンペーンの割引を受けられるのだ。と言うことで今回は、Go To トラベルキャンペーンの割引を受けられる「阪九フェリー」に、実際にキャンペーンを適用して乗船してみた体験をお届けする。
阪九フェリーはGo To キャンペーン適用です
阪九フェリーでは、「Go To キャンペーン」が適用される。ご存じない人も多いかもしれないが、「夜行フェリー・座席式でない夜行列車」に関してはGo To キャンペーンが適用されることになっている(ただし、一部例外あり)。今回あげた「阪九フェリー」も対象だし、近ごろ話題となっている「WEST EXPRESS 銀河」もその対象となっている(ただし、座席となっている「リクライニングシート」は対象外。また、「サンライズ 瀬戸・出雲」に関しても、JRがGoToの事業者に登録していないため対象外となる)。なぜ座席だとダメなのかはよくわからない(夜行バスがGo To 対象になるのを避けるため?)のだが、夜行フェリーや夜行列車は対象となっています。ただし、その使い方が非常に複雑極まりないため、詳しくは公式サイトを見ていただきたい。公式サイトはこちらからどうぞ。
なお、今回のぼくの事例の場合、乗船代が6,230円だったため、6,230×0.35(35%)=約2,180円の還付が受けられることとなり、実質4,050円で移動することができた。行きで乗った新幹線(新神戸~小倉)はGo To キャンペーン対象外で、6,100円かかったため、3分の2ほどの値段で移動できた。
Go To キャンペーンさまさま(笑)
さて、ひととおりご説明したところで、乗船記のほうにはいっていきましょう。
新門司へはバス移動・謎のターミナル
新門司港は駅から離れており、また路線バスも少ないことから、公共交通機関で行くのは困難。しかし大丈夫。阪九フェリーは、小倉駅・門司駅から連絡バスを出している。しかも無料。これを使わない手はないだろう。連絡バスについてはこちらに詳しく記載してあるのでぜひご覧いただきたい。ただ、連絡バスに乗っていて思ったことが1つ・・・。
人、全然いねぇ・・・。
新型ウイルスによる影響が叫ばれるこのご時世ですが、今回のバスに乗車していたのはわずか6名(写真なくてスイマセン)。いくらなんでも少なすぎる。後でわかったことなのだが、このフェリーを利用する人の大半は車やトラックで直接港まで乗り付けるそうで、ぼくのように連絡バスで行く人はとても少ないそう。その割に大型バスを使ってたんですがそれは・・・。
しかし、何はともあれフェリーターミナルに到着。が、
いや、どこの京都だよ。
とてもフェリーターミナルとは思えない和風の外観に、戸惑ってしまった。何が恐ろしいって、こいつ、結構ボロくなってることだ。「こいつ、壊れないよな」って本気で思ってしまった。
しかし何はともあれ、チェックインしなければ始まらない。チェックインはターミナル内のカウンターにて行う。ここで、Go To キャンペーンの申請に必要な「搭乗券」および「領収書」をもらう。この2つは絶対になくさないようにしてほしい。
非常に快適な船内
フェリーターミナルの異常さと特異さに驚いてしまったが、とりあえず船内に入ろう。
うん。ええやん!!
今回乗船したのは「つくし」という船で、阪九フェリーが所有する船の中で最も古いものだったため少し心配だったが、全く問題なかった!!というより、「いやこれ最新の船でしょ」と思ってしまうようなキレイさで、正直ビビってしまった!!素晴らしい!!
さて、客室紹介に移りましょう。今回予約したのは「2等指定B」という客室になる。比較的安い値段で個室を占領できるということで、今回最も人気のある部屋となっていた。そして、それがコチラ。
(生活感バリバリで申し訳ない)正直広いとは言えないが、6,230円で個室を使え、しかも移動できるとなればこれで十分だろう。ビジネスホテルなんかにはとてもじゃないけど叶わないが。
さて、個室を占領できるのは良かったのだが、一つ大きな問題が・・・。それは、
音がとにかくもれる
ということ。どうやら、この個室は完全な個室にはなってない(ドアの下に少しすきまがある)ようで、音漏れが非常に激しかった。音を出すにはイヤホンまたはヘッドホンが必須である。
また、個室そのものが窓側に面していないということもあってか、正直ケータイが使いにくかった。ただ、個室を出てロビーに出ればインターネットは使えたので、そんなに心配することではないと思う。必要ならばポケットWi-Fiを借りるのも手ではあるが。
また、共用設備は非常に充実しており、こちらに関しては全く困ることが無かった。
レストラン(使いませんでしたが)や休憩スペース、
ウォーターサーバーに温泉(写真撮り忘れたorz)なんかもあった。何か忘れ物をしても自動販売機や売店があるため十分に対応することができ、それを考えると「船内で何か困ることは無い」と言えるだろう。
神戸港からのバスは一部有料
一晩かけ、神戸港に到着。神戸港といっても、実際は六甲アイランド上にあり、神戸市の中心部からは少し離れている。そのため、徒歩で乗船した人はバスに乗り換える必要があるのだ。しかし、こちらのバスがまた厄介で・・・。
神戸港発のバスは、途中「六甲アイランド北口駅」、「阪神御影駅」「JR住吉駅」「阪急御影駅」の4つの駅を回っていく。しかし、このバスは完全に無料で利用できるわけではなく、六甲アイランド北口駅までは無料で利用できるが、その先に向かうには大人230円、小児120円の運賃がかかる、というシステムになっている。要するに、「一番近い駅まではタダだけど、その先まで行くなら金くれ」という形となっているのだ。アコギやなおい。ただ、六甲アイランド北口駅から電車に乗れば、阪神の魚崎駅やJRの住吉駅にいけることはできるものの、その運賃は大人250円、小児130円かかることを考えると良心的だともいえる。もうちょっと安い、もしくは無料になってくれるともっと便利ではあるんだが・・・ これだけは仕方ない。
まとめ Go To 適用で快適かつ安く移動できるよ。
結論。めちゃめちゃ快適だった。
そこそこ安いのに、横になりながら快適に移動できて、しかもGo To キャンペーンも使える。夜行バスと鉄道の良いとこ取りをしたような交通手段で、今後もうまく活用していこうと感じた。時間がかかるのが難点ではあるが、半分以上は寝る時間に使えるため、それも気にならないと思う。ぜひ一度、阪九フェリーを使ってみてはいかがだろうか。ハマることまちがいなしだろう。