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大阪・日本橋「髙島屋史料館」で髙島屋の歴史と芸術の真髄を学ぶ【浪速区】

大阪市中心部に位置する日本橋は、黒門市場やでんでんタウン、そしてオタロードと大阪市内の中では比較的アングラ感の強いエリアとしてそれなりの知名度を誇っている。最近では梅田にヨドバシが開業してでんでんタウンが打撃を受けたり、インバウンド客が某ウイルスの影響で消滅して黒門市場が危機的状態にあるなど、暗い話題も多く出ているものの、やはり大阪らしい「濃いめの品」が集まるのはここしかないという事情もあってか、現在でも多くの人々を集めている。

髙島屋史料館

そんな日本橋エリアには「髙島屋東別館」なるさぞかし古そうな建築物が堺筋に向かってその威厳を示すかのように位置しており、この中にはあの百貨店大手・髙島屋が作った博物館があるのだという。今回は、そんな大阪・日本橋にある髙島屋の博物館、「髙島屋史料館」についてその面白さと魅力をお伝えしようと思う。

髙島屋史料館とは

髙島屋史料館 外観

髙島屋史料館は、大阪市浪速区日本橋にある「髙島屋東別館」なる建物のンかに入っている史料館だ。もともとは松坂屋大阪店として1928年に建てられた建物で、1968年に松坂屋が天満橋に移転したのち、髙島屋がこの建物を貸借、1970年に今回取り上げる「髙島屋史料館」を作った、という次第である。ちなみに当の松坂屋は売り上げ低迷から2004年に閉店、大阪市内から撤退するという数奇な運命をたどっている(なお、高槻には今も松坂屋が残っている)。

コミュニティーフードホール大阪・日本橋

なお、建物全てが史料館となっているわけでは決してなく、1階には「コミュニティーフードホール大阪・日本橋」なるフードコートが、上層階には「シタディーンなんば大阪」というホテルが入居している。一応髙島屋という名目ではあるものの、百貨店らしさはあまりなく、どちらかというと「テナントビル」という表現のほうが似合う様相だ。

しかしとはいえ、ここは髙島屋である。もともとは松坂屋だったとはいえ、長年百貨店として営業していたということもあって立派な外観をしているし、中を見ても大理石で作られ、赤いカーペットで敷かれた実に豪勢な姿を我々に見せている。2021年、この建物が登録有形文化財・重要文化財に指定されたが、こうなるのもうなずけるわけですよ。しかしその割にテナントが貧弱すぎませんかね・・・

髙島屋史料館の気になる内部とは

髙島屋史料館

さて、一通り解説が終わったところで、いよいよ髙島屋史料館の館内へと入っていこう。髙島屋史料館は3階に入居しており、エレベーターで上がっていくことになる。しかし驚くほどの高級感だな・・・。貧乏取材班が行くには明らかにそぐわない場所である。少し恥ずかしい。

髙島屋史料館

史料館の中に入っていくと、「髙島屋コレクションボード」なるご立派なスクリーンと明らかに高級そうなひろーい空間がお出迎え。実に荘厳な風景だ。ちなみに真ん中にあるスクリーンはタッチパネル式となっており、ここから3枚史料を選ぶことにより、その史料を無料で印刷して私たちに渡してくれるというサービスを行っている。ちなみに入場も無料。企業活動の一環とはいえ、本当にありがたい話だ。

髙島屋史料館

髙島屋史料館

さっそく中へと入っていこう。内部には髙島屋に関連する多くの史料がズラズラと並べられており、大阪の髙島屋に限らず、全国各地の髙島屋に関するありとあらゆる史料が展示されている。その数は2万点以上にもなるというから驚きだ。さすがにどっかの博物館のようにぎゅうぎゅうに並べられているわけではないものの、ものすごい数である。

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髙島屋史料館

髙島屋で過去に使われていた制服や包装もちゃんと並べられている。ただ髙島屋について知ることができるだけでなく、その時代の流行や背景といった様々な事柄を読み取ることができ、非常におもしろい。これで入場無料というから、もはや慈善事業の一つにしか見えない。もちろん税金対策の側面もあるとは思いますが。

髙島屋史料館

エレベーターホールだってこの具合。昔の髙島屋のエレベーターホールを再現したというこのエレベーターホールは、実際に非常に綺麗で豪勢な状態を保ち続けている。しかもこのエレベーターホール、フェイクではなく一番右側のエレベーター(写真手前)だけがちゃんと現役で稼働する(しかも最新型)というおまけ付き。凄すぎる・・・。

髙島屋史料館

そしてその向かいにはこの髙島屋史料館の目玉の一つ、「玉虫厨子」の復元品が展示されている。この玉虫厨子は髙島屋大阪店で1960年に開催された「世界の昆虫科学博覧会」で展示されたもので、実際のタマムシ5,348枚を使い完成させたという代物だ。なお、実際の「玉虫厨子」は経年劣化に伴いタマムシの羽がほぼなくなってしまい宝飾品らしい雰囲気を残さなくなってしまうが、こちらの復元品は本来の玉虫厨子がどのようになっているのかを見れる数少ない作品の一つで、史料館本来の美しさもあって非常に綺麗な状態を残している。そういえば昔、奈良そごうに「浮夢殿」なる法隆寺夢殿を金ピカにした作品が展示されていたが、あれって今はどうなったんでしょうかね。

<奈良そごう、今は・・・>

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髙島屋史料館

なお、この髙島屋史料館には大阪・難波に位置する、現・髙島屋大阪店のレプリカも展示されている。1932年の当時は「南海髙島屋」と呼ばれており、1939年に「髙島屋大阪店」と改称されるまでの貴重な姿を復元している。

髙島屋史料館 東別館レプリカ

そしてその隣にはこの髙島屋史料館が入居している髙島屋東別館のレプリカが。こちらはさすがに松坂屋時代のものを使うわけにはいかなかったのか、南海髙島屋時代のものが展示されている先ほどの模型と比べるとやや新しめだ。まあ当たり前っちゃ当たり前か。

髙島屋史料館 外観

しかしとはいえ、この史料館、何と言っても無料で入れるというのが本当にありがたかった。公営の博物館でも多くのところが入場料を取るのに対し、これは本当にすごいことだ。とはいえ、知名度があまりないのか、実際に訪問した際にはお客さんがおらず、2人いる学芸員の方々が暇そうにしているのが非常に印象的だった。みなさん、ぜひ一度髙島屋史料館を訪れてみてください。何度も言いますが入場無料ですので(あんまりこんなこと言うと安っぽく見えるのでやめた方が良いのは事実ですが)。


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