近畿京都府京都市

ラクト山科 駅前再開発で誕生した超巨大再開発ビル群、その実状たるや

いつも多くの人で賑わう日本有数の観光地、京都。しかし、京都を訪問する観光客は烏丸や瓦町といった中心部に目が行きがちで、特に京都市営地下鉄東西線の沿線については、二条城周辺を除き観光客が皆無という(東山駅や蹴上駅は観光地からちょっと遠いしね)、あまり京都らしくない光景を見ることができる。

山科駅

さて、今回はそんな京都市営地下鉄東西線の沿線にある駅の一つ、山科駅へとやってきた。京阪電車やJRも合流する一大ターミナルとなっており、JR西日本ご自慢の「新快速」も停車するとあってか、駅前は多くの人で賑わっている。しかし、観光客には無縁の場所になるようで、周りの人が関西弁しか話さないあたりがその実状を物語っている。

ラクト山科

そんな山科駅周辺だが、その山科駅の南側ではバブル崩壊後に大規模な再開発事業が行われ、現在は同じ会社が保有する4棟ものビルが駅前に立ち並ぶという、公営事業によって行われたとは思えない異様な光景が広がっている。今回は、そんな山科駅南側にそびえ建つ巨大なビル群「ラクト山科」について、その歴史と現況を見ていくこととする。

駅前再開発で誕生した巨大ビル群「ラクト山科」

ラクト山科

ラクト山科は、京都市山科区に位置する再開発ビルだ。京都市の市街地再開発事業「山科駅前地区第一種市街地再開発事業」によって1998年に開業した。なお、運営は例によって第3セクター。「京都シティ開発株式会社」なる会社によって運営されており、このラクト山科に関しては直営で、そしてこの会社管理する別物件「京都アバンティ」に関してはOPAに運営を委託している。

ラクト山科

ラクト山科は「ラクトA」「ラクトB」「ラクトC」「ラクトD」の建物4棟、及びその周辺の公園や駐輪場などからなる巨大施設群となっている。それぞれの施設が地下道で結ばれており(これもラクトを構成する要素の一つ)、それぞれの移動に関しては非常に便利な造りをしているのが特徴だ。

ラクト山科

なお、このラクト山科には1998年の開業時から核テナントとして「大丸山科店」が入居していた。しかし、売上の低迷が続き2010年に店舗面積を縮小。それでも赤字からの脱却は出来ず、2019年には閉店の憂き目に遭ってしまった。そのせいか、現在では筆頭となる核テナントとなる施設が現存しない状態となってしまっている。

ラクト山科

そんな安泰とはいえない状況下にあるこのラクト山科だが、一般的な団地とは異なりそれぞれのビルが全く異なる形で建設されており、それぞれの施設が非常に特徴ある施設づくりを行っている。ここからは、ラクト山科が誇る4つのビルについて、それぞれの特徴や現況を見ていくこととしよう。

大丸の撤退したラクト山科の今

微妙に匂う昭和感「ラクトA」

ラクト山科A棟

まずは駅前にそびえ立つ「ラクトA」から。巨大ビル群と先ほど書いたが、京都市独自の規制があるためか超高層ビルが建っているわけではなく、比較的低めのビルが横に広く並ぶ構造となっている。しかし良くも悪くも無機質な色だな。全く持って目立たないのが面白い。

ラクト山科A棟

ラクト山科A棟

ラクトAは商業施設「RACTOメトロモール」及びホテル「京都山科ホテル山楽」によって構成されている。元々ラクト山科は京都市が保有する建物だったのだが、このA棟に関しては2018年に物件の売却が行われ、現在は民間企業の保有となっているのが特徴だ。

ラクト山科A棟

ラクト山科A棟

建物の中へと入っていく。1998年開業と、平成に入ってから建てられた建物になるはずなのだが、どういう訳か昭和感の漂う風景が全面に展開されている。商業施設のメインはB棟に位置しており、そのサブ的な位置づけにあるためこのような状況になっているのだろうが、それにしても違和感が拭えない。

ラクト山科A棟

後述するラクトBとは大きな差のついたこのラクトAだが、今後どう変わっていくのだろうか。建物自体民間企業のもとへ売却されたようだし、その先が楽しみだ。

無印良品の旗艦店が営業中「ラクトB」

ラクト山科B棟

A棟の次はB棟へ。A棟の南側に位置しており、かつて営業していた百貨店大手「大丸」はこちらに入居していた。

ラクト山科B棟

その大丸は今や撤退してしまったものの、その代わりのテナントとして現在は「無印良品」が入居、大丸営業時から入居していたニトリとともに2大テナントとしてラクトBの現在を支えている。

ラクト山科B棟

ラクト山科B棟

大丸の跡地に入居したこの無印だが、かつて大丸が入居していたフロアを全て使ったこともあってか、3フロアを丸々使って入居するという恐ろしいほどの広さを誇っている。

そんなラクト山科の無印良品だが、その地下階には丸々1フロアを使ったスーパーマーケットまで展開されてしまっている。「無印がスーパー」という時点で違和感大ありなのだが、

ラクト山科B棟

ラクト山科B棟

その一角にはフードコートが。かつて大丸に展開されていた「ごちそうパラダイス」というデパ地下を模した造りを再現しているのだろうが、それにしてもやり過ぎでしょ・・・。

ラクト山科B棟

ラクト山科B棟

無印以外のテナントも回ってみよう。無印良品以外では「ニトリ」や「ユニクロ」、その他書店やレストラン等、実に様々なテナントが入居している。無印良品の存在感があまりに強すぎるため他のテナントが目立たないが、まあ仕方ないか。この点は枚方のT-SITEに似たものを感じる。

大阪・枚方に残るTSUTAYA1号店の跡と新しく建てられた枚方T-SITEを比較する。
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ラクト山科B棟

そんなラクトBの名物といえば、何といってもこのパイプオルガンだろう。いかにも公営主導の再開発らしいオブジェだが、どうやらこちらのパイプオルガンは今も現役のものなのだそうで、現在も定期的に演奏会が行われている模様。驚くほどの維持費のかかるこのパイプオルガンだが、今もしっかり管理が行われているのは流石だ。お金がないと言われ続けている京都市だが、やっぱり実際のところはそんなもんなんでしょうね。

オフィスビルがメイン「ラクトC」

ラクト山科

ラクト山科もこれで折り返し。続いてラクトCへ。とはいえ、ラクトC・ラクトDはサブ的な位置づけとなっており、これまでの2棟に比べると規模も小さい。

ラクト山科C棟

そんなラクトCの外観がこちら。下層階がオフィスや病院、金融機関といったテナントとなっており、上層階は住宅「メゾンイースト」となっている。

・・・「ラクトD」

ラクト山科D棟

最後に紹介するのがこちら、ラクトDだ。こちらは先ほどのA~C棟とは大きく異なり、カラオケ店やパチンコ屋、ネットカフェ等の様々なテナントが入居する雑居ビルとして機能している。

ラクト山科D棟

そのラクトDのテナントはコチラ・・・。何だかとても再開発ビルとは思えない状況だ。汚れものを一つに集めたのか、それともお金がなくてこうなってしまったのか・・・。実際のところは確かではないが、一応公営なんだから、もう少しどうにかしてくれよと言わずにはいられない取材班でした。

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