北海道

【2022年訪問】滝川スマイルビル JR滝川駅前の巨大廃墟、その今後やいかに

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札幌周辺を除く北海道の都市はどこも厳しい現状があり、人口減少や少子高齢化、さらにはモータリゼーションによる郊外進出もあいまって、旧中心地の過去の栄華はどこへやら・・・という状況になっているのは疑いようがない。

JR滝川駅

今回訪問した北海道滝川市もその一つ。かつては駅前に多数の建物が並び、一大商業地として名を馳せたこの場所だが、現在は郊外に多数の大型商業施設が進出し、駅前にはコンビニの1つもないというなかなか厳しい状況に陥ってしまっている(一応、駅から徒歩10分ほどのところにセイコーマートあり)。

滝川スマイルビル

そんな滝川駅前の状況を象徴する施設がこちら、滝川スマイルビルである。JR滝川駅前に位置するこの巨大な建物には、かつて多数の店舗が入っていたものの、現在はそれら全てが撤退。今や巨大な廃墟としてその余生を過ごしているという。今回は、そんなJR滝川駅前に位置する再開発ビル「滝川スマイルビル」について、その様子を見ていくこととしよう。

JR滝川駅前再開発「滝川スマイルビル」、その概要と歴史

滝川スマイルビル

滝川スマイルビルは、JR滝川駅前に位置する再開発ビル。国鉄滝川駅前地区の再開発事業によって1986(昭和61)年に開業した。

滝川スマイルビルの歴史については、上のツイート内の動画が非常に良くまとまっているのでぜひ1度ご覧頂きたい。簡単に内容をまとめると、

1.ニチイ・ダイエー・長崎屋・西友・ジャスコが相次いで進出表明

2.最終的に西友が核店舗となり、滝川スマイルビルが1986年に開業

3.西友が経営悪化、2003年に撤退、後継にダイソーが2Fに入るも、2020年に撤退

4.2021年3月31日、ビル閉鎖

といった具合。開業当初は西友を含め21もの店舗が入っていたこの滝川スマイルビルだが、今や建物も閉鎖され、今後の状況に黄信号がともっている。ビルそのものも固定資産税を19年滞納しているという衝撃的なニュースがある状況で、とても将来が明るいとは言えない。ここからは、そんな状況下にある滝川スマイルビルについて、その現状を見ていくこととする。

滝川スマイルビルの現状【2022年訪問】

滝川スマイルビル

滝川スマイルビルの概要と歴史について書いたところで、その現状を見ていくこととする。JR滝川駅を出ると、目の前にいきなり巨大なビルが現れる。北海道の広大な平原を見た後にあって、この姿は実に目立っている。

滝川スマイルビル

滝川スマイルビル

建物を近くから見ていく。2021年に閉鎖された滝川スマイルビルだが、建物内には営業時から変わらない姿が多数残っており、今にも営業を再開しそうな様子が残っている。

滝川スマイルビル

滝川スマイルビル

滝川スマイルビル

とはいえ、明らかに厳しい状況下にあるのはビルを見ているだけでも良く分かる状態。スッカスカな状態となってしまった飲食店街の案内やボロボロとなってしまったフロアなど、実に痛々しい光景が随所に見られる。現在建物を運営するたきかわスマイルビル株式会社は2012年からこの建物を所有しているようだが、この状況を見る限りとても適切な管理が行われていたとは思えない。

滝川スマイルビル

滝川スマイルビル

なお滝川スマイルビルは地上階以外に地下道を使って入る方法が整備されており、ここから地下1階に直接入場することができるのだが、その案内にはまさかの「西友」の文字。もう西友の撤退から20年以上経過しているんですが、何だかどこまで時が止まっているのか、心配にならずにはいられません。

滝川スマイルビルの今後と滝川市の考え方【厳しいか】

滝川スマイルビル

滝川スマイルビルの状況に関しては以前から行政側にあたる滝川市も問題意識を持っており、2012(平成24)年1月には「滝川駅前再開発ビル活性化ビジョン」なる方針を策定、現在に至るまで市の基本計画に沿って24の事業を進めるとともに、滝川駅前に位置するこの巨大な再開発ビルについて、再生に向けて様々な方向性を打ち出している。

しかし、この計画も建物そのものが閉鎖された今となっては陳腐化してしまっているのも否めない状況で、滝川市ではスマイルビルを「広域交流拠点:街なかの滝川ショーケース」と位置付け、街なかの様々な活動を誘発する実験の場として活用を試みている。しかし、スマイルビルの閉鎖と中心市街地の衰退もあり、現状別の意味でショーケースになってしまっている状況だ。

また、2012年に策定されたこのビジョンでは、アプローチ期間として3年間の猶予期間を設け、将来像を検討するとあるが、その将来像については学生からの提案がいくつか出ているものの(※)、具体的な検討は2023年3月に至るまでなされていない。

※学生からの提案の例

滝川市新中心市街地プラン ・滝川学生都市開発部

滝川スマイルビル

建築から既に40年近くが経過し、建物そのものの老朽化も叫ばれる中、時既に遅しという印象が拭えないこの滝川スマイルビル。滝川市の人口減少・少子高齢化の進む中、今後この建物はどのように活用されていくのか。今後の情報が待たれる。

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