近畿大阪府大阪市

天王寺「あべのベルタ」に、大阪市の限界を見た。【阿倍野区】

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天王寺。

そこは、梅田、難波につぐ、大阪で3番目の繁華街であり、たとえその名前を知らない人であっても、「あべのハルカス」は知っている、なんて人も多いのではないのだろうか。そう、そのあべのハルカスがあるのが天王寺というエリアだ。

そんな天王寺からわずか500m、歩いて10分にもかからないところに、「阿倍野」という駅がある。

今回は、その阿倍野駅から直結している建物、「あべのベルタ」について書いていこうと思う。

あべのベルタへのアクセスは非常に便利で、地下鉄谷町線・阿倍野駅の南側の改札を抜けると、すぐにその入口が見えてくる。地下鉄と直結しているほか、天王寺からも徒歩圏内で、非常に便利なエリアだ。

しかしだからといって便利かというと、そんなことはなかったりする。その惨状を、とくとご覧あれ。

あべのベルタ 入口

このいかにも「昭和」という感じが心をくすぐる。しかし、左側に取り付けられた看板が明らかに後付けのチープな感じを出しており、少し不安にもなってしまう。

あべのベルタ フロアガイド

毎日楽しい ワクワク!!

という、何を言いたいのか全くわからない標語が書かれており、これにうさんくささを感じてしまう。そして、その下に適当に貼られた、お店の紹介なのか広告なのかよくわからないポスター。神戸市の「セルバ甲南山手」でも似たようなものを見たが、そこよりも相当ひどい状態だ。既に場末感がスゴいのだが、とりあえず入ってみることにする。

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やっぱりダメだった。

予想通りというか、なんというか、シャッターがズラーーーーーーと並んでいる。ただ、テナント名は書いてあるのでお店自体は入っているのか、と思いきや、

そんなことなかった。

この写真ではとにかくわかりづらいのですが、営業しているのは右下か真ん中に店名が入っているパネルがあるところのみ。地下鉄と直結しており、立地の良いはずの地下2階ですらこのありさま。これは先が思いやられる…

さて、気を取り直して上の階に向かおう。階段で地下1階へ。

・・・なんかなつかしいマークを見た気がするが、気にしないでおこう。 (注:電車の真ん中についているマークが、2018年に廃止された大阪市営地下鉄のものとなっている。なお、これ自体は今でも割と見れる(笑))

地下1階には関西スーパーが入居しており、普通のスーパーだったので特に見どころもなくパス。

そして、スーパーのとなりにはエスカレーターが。エスカレーター、ちゃんとあるんかーい。なんやねん、ちゃんとしてるやん~

あべのベルタ エスカレーター

ちゃんとしてなかった。

まさかの全面ガラス張り。この写真だとわかりにくいかもしれないが、実際に乗ってみると、全面ガラス張りになっているせいで無限にエスカレーターが見える。言うなれば、こんな感じ。

何をしたいのかよくわからない、このバブリーな感じ。好き。大好き。なお、余談だがこのエスカレーターは東京・有楽町にある「有楽町マリオン」に設置されている。気になった方はぜひ一度行ってみてもらいたい。ただし、有楽町マリオンのエスカレーターは現在撮影禁止となっているのでご注意を。

そしてもう一つ。エスカレーターに乗ってみると、

なんかよくわからんオブジェ出てきた。

何これ。何したいの。バカなの?死ぬの?

後で調べてみると、かつてこの建物には大手百貨店「そごう」系列のお店、「そごうホップ」が入居していたらしく、このオブジェはその名残となっているらしい。それにしてもこれじゃない感がすごいのだが。

ちなみに、その「そごう」が入っていたはずの場所には、現在パチンコ屋が入っている。恐ろしいほどの凋落ぶりである。

そして、上の写真を見てもらえばわかると思うが、この建物は3Fまであるにも関わらず、3Fには一切お店がない。5フロアあるうちの4フロアのみで営業、しかもその4フロアもみんなスカスカ、お客さんも全然いない、という状況にあるのだ。元百貨店とは思えない状況である。

しかも、上に書いてあること案内板自体書いてあることが間違っている。だいたい、このシャッターストリート(再掲)のどこが「飲食とカジュアルのフロア」なのか。建物そのものが時を刻まなくなってしまっているのだ。

あまりに見るものがないので、あべのベルタからはもう出ることにした。

あべのベルタの隣には、道1本を隔てて「あべのキューズモール」というショッピングモールがある。あべのベルタから本当にすぐのところにある。横断歩道を渡れば、入口は目の前だ。

関西では珍しく、「イトーヨーカドー」が立地しているのが特徴だ。(注:近畿地方には、イトーヨーカドーは6店舗しかない。大阪府に3店舗、兵庫県に3店舗となっている。)

あべのキューズモールは、にぎわっていた。土曜日に訪問したということもあり、若者やファミリーを中心に、多くの人でごった返していた。そして驚いたことに、

あの「渋谷109」まで出店していた。これには驚いた。あべのベルタとはまるで違うこの雰囲気に、ただただ圧倒されるしかなかった。

大阪という街は面白い。梅田のようなオフィスビル群もあれば、道頓堀や新世界のような「ザ・下町」感のあるエリアもあり、本当に見ていて飽きない街だ。

しかし、この天王寺という街には驚いた。あべのハルカスのような立派なビルやあべのキューズモールのようなきれいな商業施設もあれば、あべのベルタのようなボロボロの施設もある街、それが天王寺だ。

大阪第3の繁華街から歩いて数分、道1本隔てただけでこんなに変わってしまうのか。

大阪市の限界を感じた1日だった。

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