近畿大阪府門真市

大阪・門真市「門真プラザ/門真市営新橋団地」で駅前とは思えない昭和を見た

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千里中央や国際文化学園都市(彩都)等、様々なニュータウンを抱える大阪モノレール沿線。その歴史的経緯はさておき、様々な場所で今日も盛んに開発が行われている、大阪モノレール線沿線にはそんな風景を各地で見ることができる。

門真市駅

今回お届けする、大阪モノレール及び京阪本線「門真市」駅周辺も、そんなニュータウンの景色を見ることができる1つだ。「え?京阪本線?ずっと昔からあるやん」と思われるかもしれないが、この門真市なる駅、1971年に「新門真駅」として後から設けられたという経緯があり、開業当初は松下電器の工場があるくらいで、周辺は農地ばかりが広がっていたそうだ。そしてそれが駅の開業に合わせて開発が行われたという訳。千里ニュータウンの中心、千里中央駅の開業が1970年であることを考えると、その新しさがわかるだろう。とはいえ、もう50年ほど前の話になるんですが。

門真プラザ

そんな門真市駅前には「門真プラザ」なる商業施設、そしてそれにセットとなる形で「新橋団地」なる市営住宅がそびえ立っており、高度経済成長期の景色の残る、凄惨な景色が広がっているというのだ。今回は、そんな門真市駅前に位置する大型再開発施設「門真プラザ」について、その様子をお届けするとしよう。

千里中央とほぼ同時に開発された「門真プラザ」

門真プラザ開業時の門真市駅周辺

門真プラザ開業時の門真市駅周辺

門真プラザは、1973年(「第一種大規模小売店舗」の表示では1974年)の大規模再開発により完成した大型商業施設だ。門真市内に本社を置く第三セクター企業「門真都市開発ビル株式会社」により、開業から現在に至るまで一貫して運営されている。千里ニュータウンの中心商業施設「千里セルシー」が1972年開業、北大阪急行電鉄千里中央駅に隣接する商業施設「せんちゅうパル」が1970年開業であることを考えても、その歴史の長さが分かるだろう。

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門真プラザ

門真プラザは商業施設と3棟の市営住宅から構成されている。B1階~3階が商業施設、4階~12階(棟によって階数は異なる)までが市営住宅として運営されているとのこと。市営住宅にしては規模が大きい。

また、専門店街に関しては開業から一貫して「イズミヤ」が入居。2021年訪問時で御年48歳という長寿物件となっている。しかしこちらもパッとしない状況にあるようで、2020年6月7日をもって食品売場以外(1階~3階)を閉鎖、現在では地下1階のみの入居となっている。

昭和感残りすぎる「門真プラザ」の内部

門真プラザ

概要について書いたところで、さっそく中へと入っていこう。門真プラザは駅周辺でも唯一の大型商業施設ということもあってか、はたまた市営新橋団地の駐輪場になっているのか分からないが、施設内にこれでもかというほど自転車が並べられている。通りにくいことこの上ない。そしてその上には「レイク」に「プロミス」といった消費者金融の看板・・・。いかにも大阪の下町らしい光景だ。

門真プラザ 理髪店

散髪屋も安さで競争中。なんで専門店街にわざわざ横並びで理髪店を2軒入れたのかよくわかりませんが、まあ賑わっているならそれで良いや。結構深刻な貧困状態にある街を象徴する風景にも見えるが、まあ気のせいでしょうね。

門真プラザ イズミヤ

門真プラザの核テナントである「イズミヤ」の中へと入っていく。ここはさすがに大手チェーン。開業から50年近く経った今も小綺麗な店内で人々の購買意欲をそそっている。関東からは撤退しているこのイズミヤだが、さすがに地盤の関西では強い。

門真プラザ

しかし、とはいえここは高度経済成長期の建物。明らかに年代を感じさせる表示が随所に隠されており、この施設がどのような経緯をたどってきたのかが手に取るように分かる。でもこういう掲示がシブくて良いのよね(個人的な感想です)

門真プラザ

続いて、イズミヤの入居していない地上階へ。こちらに関しては、もはや半分場末に足を突っ込んでしまったような状態となっていた。核テナントが大幅に縮小しちゃったんだもの、仕方ないよね。兵庫県尼崎市にも似たような施設があったが、それとは無関係なようです。

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門真プラザ

イズミヤの撤退した広いテナントを埋めるように、現在では3階に「海洋堂ホビーランド」というおもちゃ屋が、2階には本屋や衣料品店が入っていたが、それだけでは全テナントを埋めきれないのか、店内の一角には何台ものプリクラ機が無造作に置かれ、稼働していた。もちろんお客の姿はなし。市営団地の中にこんなもん何個も置いてどないすんねん。

門真プラザ グルメプラザ

そんなイズミヤ側の窓には「2F グルメプラザ」なるいかにもボロそうな貼り紙がまるでこの地の栄枯盛衰っぷりを象徴するかのごとく貼られていた。今ではこのレストラン街も残り1店舗を残すのみ。核テナントの功罪は大きい。

門真プラザ 専門店街

門真プラザの2階には、イズミヤの跡地を開発した専門店街以外にもう1つ、開業当初からある「専門店街」があり、中庭を隔てて隣接している。それぞれの棟を結ぶように連絡通路も設置されており、すこぶるアクセスは良い。

門真プラザ 専門店街

門真プラザ 専門店街

しかしその「専門店街」も、門真市の公的施設や飲食店、整骨院や美容室などが入っている以外は消費者金融ばかり。しかも消費者金融大手4社が一同に集っているというなかなかのエグさである。しかしなんでここに門真市の消費生活センターがいるんでしょうね。借り入れ→多重債務→消費生活センター行きがミエミエなんですが、行政側は問題視しないのでしょうか。

駅前市営住宅「市営新橋団地」

門真プラザ

先ほども書いた通り、門真プラザは商業施設と市営団地とが一体となって運営されており、駅前としては異例の大規模な団地が形成されている。サラ金の看板がそこらじゅうに貼られている団地というのも相当狂ってはいますが。

門真プラザ

門真プラザの南側から3棟の市営住宅を見守る。高度経済成長期らしいインパクトのある物件だが、「世界の松下」ことパナソニックの勢い衰えし今では高齢者のたまり場と化してしまっているのが現状だ。とはいえこのレベルの建物を建て替えるとなると相当なお金がかかることは明白。再開発計画こそあるものの、まだ着手に移れていないようだ。

門真プラザ

先ほどの写真を正面から撮影する。団地というよりもはや壁のような様相を呈すこの新橋団地。赤い「アコム」の宣伝看板ばかりが目立つが、「夢のニュータウン」と呼ばれ、もてはやされた時期があるように、かつてここには多くのファミリーが希望をもってこの地に移り住んできたのだ。そんなこの市営新橋団地が、これからどう変わっていくのか。再開発の話も出ているというし、でも京阪電車は10分間隔が15分間隔になるというし、もうなんだかよく分かりません。

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