先日の記事にて、泉北ニュータウンにおける近隣センターの概要と歴史、そしてそれを取り巻く現状について特集した。
第2回となる今回は、泉ヶ丘地区における8つの近隣センターの現状を見ていくこととする。泉北ニュータウンの中でも最も早く近隣センターの展開が始まったこの泉ヶ丘地区。開業から50年以上経過するセンターも多くあり、最も歴史を感じられるエリアとなっている。今回は、そんな泉ヶ丘地区の近隣センターが令和の世となった今どうなっているのか、その様子を見ていこう。
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宮山台
名称:宮山台近隣センター
開業時期:1967(昭和42)年4月
核店舗:なし(スーパー撤退済)
16ある泉北ニュータウンの近隣センターの中でも最初に開業した近隣センター。その開業は1967年と、50年以上前にさかのぼる。個人店の連なる広場のようなエリアと、「堺宮山台センタービル」というちょっとした雑居ビルから構成されるのが特徴だ。
全体的に老朽化が目立っているのが特徴で、店舗数の空きは4割ほど。昼間からカラオケパブが営業していたり、カイロプラクティックを掲げるシャッターが残っていたりと、なかなか時代を感じる風景があるのが面白い。
元々核店舗として市場が入っていたこの宮山台近隣センター。1994年にスーパーにリニューアルしたものの、2002年には撤退、その後別のスーパーが出店するもこれまた撤退、現在に至っている。当時の看板が現在も残っており(下から2番目)、その面影を感じさせている。
竹城台
名称:竹城台近隣センター
開業時期:1969(昭和44)年1月
核店舗:スーパー(コノミヤ)
泉ヶ丘駅北側に隣接する竹城台エリアにある近隣センター。駅から近いこともあってか、周辺の整備や建て替えが現在も行われているエリアとなっており、スーパーも営業を続けている関係か(1度撤退していますが)現在も多くの人出があった。
現在もスーパーの営業が続くこの竹城台近隣センター。しかし、ここは元々「パスト」という別のスーパーがあったそうで、それが2005年に閉店したのち、現在のコノミヤなるスーパーに変わっているらしい。昔は銭湯もあったそうだが、そちらはマンションに建て替えられて消滅している。
センター内に駄菓子を売る酒屋さんを発見してきたので訪問してきました。店内には多くの駄菓子も並んでおり、おばちゃんと子供たちが会話をしながら買い物を楽しんでいた。
せっかくなので取材班も何か買っていきましょう。今どき珍しい瓶のジンジャーエールです。100円で購入でき、瓶を返すと10円返金。昔ながらの懐かしいシステム。店主のおばちゃんも「駄菓子が値上げしてやっていくのも大変だよー」なんて言ってましたが、無くなってほしくないですね、この風景。
若松台
名称:竹城台近隣センター
開業時期:1970(昭和45)年4月
核店舗:なし(スーパー撤退済)
泉ヶ丘駅南側・泉北高速鉄道に隣接するエリアに位置する近隣センター。駅に近いこともあってか、人口減少の緩やかなエリアに位置するのだが、それがたたり駅近商業施設との競合にさらされてしまい、しぶとく営業を続けていた近商ストア(スーパー)が2000年に閉店。その後マンションに建て替えられ、その1Fに別のスーパーが開業も、こちらも閉店し現在は核店舗のない状況となっている。
核店舗を失ったはずのこの若松台近隣センターだが、意外だったのはあまり寂れている印象を感じなかったこと。店舗数もそれほど多くないにも関わらず、皆ニコニコしながら働いていたのが非常に印象的だった。残したい、この笑顔。
茶山台
名称:茶山台近隣センター
開業時期:1971(昭和46)年4月
核店舗:なし(スーパー撤退済)
泉北高速鉄道泉ヶ丘駅南側・住区幹線道路沿いに位置する近隣センター。幹線道路から少し上がった高台に店舗群があるのが特徴だ。これだけでも何となく立派な印象が出てきますね(笑)
核店舗としては「大丸ピーコック(スーパー)」が入居も、2010年に撤退。現在は老人ホームへと建て替わり、核店舗のない状況となっている。とはいえ、この老人ホーム内にミニスーパーが併設されているそうで、完全な代替にはなっていないもののそれなりの品揃えは確保しているようだ。このあたりは日経新聞にも特集されている。
なおそれ以外の個人店については・・・ どうやら相当苦しい状況。これは見通しが明るくなさそうですね。駅に近いがゆえに駅周辺の施設にお客さんを取られる、皮肉な話です。