これまで3回にわたって連載してきた、泉北ニュータウンの近隣センターを特集する記事も今日で最後。第4回となる今回は、光明池地区における4つの近隣センターの現状を取り上げる。免許センターのあることで知られるこの光明池地区だが、その周辺にある住宅地・そしてその商業核となっている近隣センターは令和の世となった今どういう状況にあるのか、今回も写真とともにお届けすることとする。
※今回は早朝に取材を行ったため、他の記事と比べてもシャッターの目立つ写真が多くなっています。実際の状況とは異なる可能性がありますので予めご了承下さい。
<概要・その他の地区はコチラ>



赤坂台
名称:赤坂台近隣センター
開業時期:1975(昭和50)年3月
核店舗:なし(スーパー撤退済)
光明池地区で最初の近隣センター。巨大な広場とそれを取り囲むアーケードを中心に円状に建物が配置されているのが特徴で、その関係か外側の幹線道路から近隣センターの様子を見ることができないのが弱点となっているが、これは仕方がないだろう。
以前から「核店舗付近以外は、ほとんど客がおわず寂れた印象(リンク先5ページ目)」と以前から指摘されているこの赤坂台近隣センター。しかしその核店舗であるスーパーすらも現在は運営している会社の倒産とともに撤退してしまったようで、その寂れっぷりに拍車がかかっているのが現状だ。朝早い時間に訪問したにも関わらず高齢者の方々を中心に人出は見られたのですが、赤坂台そのものが坂を越えなければたどりつかないような場所にあるし、なかなか厳しいんでしょうね。
城山台
名称:城山台近隣センター
開業時期:1978(昭和53)年8月
核店舗:スーパー(ライフ)
光明池地区南端・城山台地区にある近隣センター。元々このあたりの地区は堺市と和泉市の境界を通る複雑なエリアにあったそうだが、ニュータウン建設の際に土地を交換するなどして対処したという歴史を持っている。もっとも、今ではその様子も全く分かりませんが(笑)
今や泉北ニュータウンにおける近隣センターでは唯一となってしまった「ライフ」も、この城山台地区には健在。朝9時から営業を行っているそうで、早朝の訪問にも関わらず従業員の方が熱心に準備を行っていたのが印象的だった。朝早くから本当にお疲れ様です。
早朝の訪問のためシャッターが下りており、正確な営業店舗数はよくわからなかったが、ざっくり半分程度のお店が営業中か。早朝にも関わらず割と人通りも多かったし、それなりに需要はありそうだ。ただし、高齢者ばかりなのが気になりましたが。
今や廃止となった「文具券」の文字も、この城山台近隣センターにはいまだに健在。調べてみたら2010年には販売を終了していたそうで。既に使用も払い戻しもできないはずの文具券ですが、いったいいつまで見ることができるのか、何だか嬉しいような寂しいような・・・。
新檜尾台
名称:新檜尾台近隣センター
開業時期:1979(昭和54)年3月
核店舗:スーパー(サンエー)
泉北高速鉄道光明池駅の北側・駅からもほど近いところにある近隣センター。泉北ニュータウンの駅近近隣センターは全体的に駅に近い商業施設に人やお店を取られる傾向にあるのだが、この新檜尾台に関しては現在もスーパーが営業中。駅に近いことで人口減少も比較的抑えられており、大規模な駐車場があることもあってかそれなりに人出があるようだ。
そんな新檜尾台近隣センターの大きな特徴は、何と言ってもこの立派すぎるアーケードだろう。まるでどこかのアーケード商店街を模したかのようなご立派なアーケードは開業から現在に至るまで現役。貸店舗の看板が出ている店舗もあったが、現在も多くの店舗が営業しているようで何よりだ。
アーケードの横にはちゃっかり近隣センター内の店舗を示す看板も設置。都心では割と当たり前のように見るこの表示だが、ここ泉北ニュータウンでは片手で数えられるほどしか見かけなかった。それにしても、飲食系店舗が減って医療系店舗が増えているのはどこも相変わらずですね。このあたりはもう時代の流れとしか言いようがありませんが。
鴨谷台
名称:鴨谷台近隣センター
開業時期:1984(昭和59)年9月
核店舗:なし(コンビニ撤退済)
泉北高速鉄道光明池駅南側、駅東側に位置する近隣センター。同じ近隣センターではあるが、商業施設が住宅やマンション、アパートなどに建て替えられ、近隣センターとしての機能は喪失、現在は自治会館(+医院)のみの営業となっている。
「近隣センターの商業的な機能がない」という面では栂・美木多地区の原山台近隣センターと相似する部分があるこの鴨谷台近隣センター。しかしその実情は実際のところかなり異なっているようで、原山台近隣センターは他と同じく商業的側面を要したごくごく一般的な近隣センターとして整備されているのに対し、鴨谷台近隣センターに配置された店舗はコンビニエンスストアのみ。それ以外の商業店舗は皆無で、最初から特異な存在として建設されたことがうかがえる。どうやら光明池駅にあまりに近いことから、まとまった店舗群は当初から設けていなかった模様だ。
しかしコンビニの跡地に作られた住宅がこれまた綺麗なこと綺麗なこと。元々最後に作られた近隣センターが再整備されたのだから、当たり前といえば当たり前なのですが、同じ近隣センターなのにどうしてここまで差がついてしまったのだろうと、少し残念に感じてしまう取材班がいました・・・。