当取材班は、これまで「湊川商店街」「パークタウン湊川」など、湊川地区の多くの商店街を取材してきた。以下の4つの記事は、これまでに書いてきた記事の一覧となっている(数が多くてゴメンナサイm(__)m)。




そんなこれらの商店街だが、ここにはある特徴が隠されている。先ほどあげた全ての商店街が、「神戸新鮮市場」という西日本最大級の商店街連盟(?)に加盟しているのだ。この神戸新鮮市場には距離が1km、店舗数が500という非常に大きなものとなっており、日本最大のアーケード商店街として有名な「天神橋筋商店街」にも引けを取らない、名実ともに西日本最大級の商店街としてその名を轟かせている。
そんな湊川地区の商店街だが、実は東山商店街・マルシン市場の北側にもう1つ、その存在をあまり表に出さないままその余生を過ごす「神戸新鮮市場から仲間外れにされてしまった」商店街が存在する。今回は、そんな湊川地区の中で孤立してしまった商店街「新湊川商店街」について、その様子をお届けするとしよう。
湊川地区の他の商店街から仲間外れ「新湊川商店街」
新湊川商店街は、東山商店街の北側・マルシン市場の東側に隣接する商店街だ。先ほどの「神戸新鮮市場」には掲載されていないものの、神戸市商店街連合会「商店街を楽しもう」のWebサイトにはこの商店街が掲載されており、ここがれっきとした商店街であることが示されている。ちなみにこのWebサイトだと住所が「神戸市兵庫灘区」と書かれているが、正解は「神戸市兵庫区」です。灘区と一緒にしちゃったんでしょうね(笑)
新湊川商店街の中へと入っていく。この時点で既に何かを察してしまう。というのも、お店が全然営業していないのだ。商店街のアーチこそあれど、その特徴的な街並みやにぎわいが見られない。なんだか「衰退する昔の商店街」らしい寂しげな景色が漂っている。
反対側から新湊川商店街の中を見つめる。全体的に住宅街が目立ち、お店は少し見られる程度。また、お店といっても大半が飲食店や酒屋さんで、なんだか「男の街」といった様相だ。おそらくこのウイルスの影響で相当大きな影響を受けているのだろう。2019年に投稿されたアメブロでは何軒か酒に関連するお店を見ることができるが、このときに比べても明らかにお店の数が減っているし、これが消滅するのも時間の問題なのかもしれない・・・。
とはいえ、酒の販売そのものは現在も行っているようで、営業している酒屋さんが残っていたほか、酒の自動販売機も現役で稼働を続けていた。缶のお酒が自販機に入っているのは今もちょくちょく見かけるが、瓶のお酒の自販機が現役で稼働を続けているのは珍しい。「てがるに一ぱい!辛口の本格派」だそうで。すいません。バイクで来たので飲めませんでした(´・ω・`)
お店の多くが廃業してしまったこの新湊川商店街。お店の跡そのものは多く残っているのだが、シャッターは下ろされ、看板は消され、もはやどんなお店が入っていたのか見当もつかない場所も多い。現実はこんなものです、ってか。大阪でも似たような事例があったが、結局周りが強いとどうしてもこうなってしまうんでしょうか。
2021年現在、何とかどのようなお店が残っているのかがわかるお店も、看板は汚れ、建物は朽ち果てて骨組みだけが残っているような状態となっているなど、もはや古いというより「危ない」という言葉のほうが似合う状態となってしまっている。
リリー美容…か?すいません、読みづらすぎ…。
この新湊川商店街、お店があまりに少なく、その上商店街らしい街灯も一応あるにはあるもののあまりに目立たないため、いったい本当にここが商店街なのかどうかなのかも正直分からなくなってしまうほどだ。それに新旧様々な街並みがごちゃごちゃと入り込んでしまっているため、なんだかパラレルワールドにでも来てしまった気分になってしまう。まち一つ取ってもこれですから、日本は広いですね(笑)
商店街の北端までやってきた。坂の多い神戸らしく、「新湊川商店街」の看板が緩い坂の途中に苦し紛れに立っている姿が非常にそそる。言い忘れていたが、「新湊川」というその名称はこの商店街の南側を流れる川の名前に由来しているのだそうだ。実は住所上の「湊川町」というのはこのエリアを指すんですけどね・・・。湊川商店街があるのは「荒田町」にあたります。
そんな苦しい状況下にあるこの新湊川商店街で唯一健闘していたのが、この「芦原温泉」さん。芦原温泉と聞くと、福井県の「あわら温泉」を思い浮かべてしまうが、ここは「あしはらおんせん」と読む。公営の浴場と言うこともあり、非常に安価。さらに昼2時~朝10時までと、公営浴場では珍しくオールナイト営業を行っており、深夜であってもお風呂に入れるのが強みとなっている。辛い状況ではあるが、唯一無二の銭湯として頑張っていただきたい、そう感じた取材班でした。