近畿大阪府寝屋川市

アドバンスねやがわ 寝屋川市駅前再開発、その裏にあった「カネとの闘い」とは

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JR・阪急側における高槻・茨木の関係と京阪川における枚方・寝屋川の関係にはやや似たものがあるようで、高槻においては「グリーンプラザたかつき」が、枚方には「ひらかたサンプラザ」なる再開発ビルが建設され、少しずつ変更を重ねながら(一部は解体・再度建設され)現在に至っている。

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そして、茨木には「茨木ショップタウン」という、グリーンプラザたかつきよりもやや規模の小さい再開発ビルが建設され、現在に至っている。新快速が止まる高槻・新快速の止まらない茨木。再開発ビルの関係も、ここに似たものがあるようだ。

アドバンスねやがわ

非常に面白いことに、この関係は枚方・寝屋川の関係においてもなんと同様のものがあるようで、京阪電車の寝屋川市駅前に、枚方よりもやや規模の小さい再開発ビルが昭和の時代に建設、現在に至るまでその姿を留め続けている。今回は、そんな寝屋川市駅前に位置する再開発ビル「アドバンスねやがわ」について、その歴史と現状を紐解いていくこととしよう。

カネと保留床との闘い「アドバンスねやがわ」

アドバンスねやがわ

アドバンスねやがわは、京阪寝屋川市駅前に位置する再開発ビル。再開発事業「寝屋川市駅前地区第一種市街地再開発事業」により昭和61(1986)年に開業した。

アドバンスねやがわ

第一種市街地再開発ながら、市施行というなかなかに珍しい再開発となったこのアドバンスねやがわ(一般に、再開発で公営施行の場合第二種が多い)。

1986年というバブル期の開業もあり、順調な運営がされてきた・・・と思いきや、実際は完全に真逆。実際は再開発事業を行った際に大量の保留床(売れ残った建物のフロア)が売れ残ってしまい、寝屋川市そのものが準用財政再建団体、寝屋川市自身も出資を行っている当時の運営会社「アドバンスねやがわ管理株式会社」に売れ残り分を37億円で全て売却、ことなきを得るという事態に陥っている。

※準用財政再建団体・・・赤字額が標準財政規模(税収入+地方交付税)の20%を超える自治体のこと(市町村の場合)。支出に制限が加えられるのが特徴。

アドバンスねやがわ

ところがこの結果、今度は床を買った(売りつけられた)側にあたる「アドバンスねやがわ管理株式会社」側が財政悪化するという別の問題が発生し、寝屋川市側もある程度の出資をしている以上援助するしかなかったのか、寝屋川市側が運営会社に資金を貸し付けるという状況に。やや古いデータにはなるが、2014年現在、この残高が約11億円ほど残っている状態で、今後も予断を許す状況にはない。

アドバンスねやがわ

画像はWikipediaより抜粋

そんな意外な経緯のあるアドバンスねやがわについて、その内部はどうなっているのだろうか。ここからは、アドバンスねやがわの内部について見ていくこととする。

平成レトロ際立つ内部

アドバンスねやがわ

アドバンスねやがわの概要について触れたところで、その内部について見ていくこととする。京阪電車の寝屋川市駅とアドバンスねやがわとは駅東側のペデストリアンデッキを隔てて直結。いくぶんアクセスが良い。

アドバンスねやがわ

・・・のっけからパチンコ屋の存在が目立ちますが、一旦ここは考えないことにしましょう。

アドバンスねやがわ

1号館フロアガイド

アドバンスねやがわ

2号館フロアガイド

2023年訪問時のフロアガイドはこのような状況。建物は1号館と2号館で構成され、どちらにも核店舗としてスーパーと図書館が入っているのが特徴。駅前図書館が2つに分かれているというのが面白いが、実際は子供向けの図書を分離したという表現のほうが正しいかもしれない。

アドバンスねやがわ

アドバンスねやがわ

中の様子を見ていこう。1986年開業というその数字が示す通り、綺麗に整備されてはいるものの、時代背景が目立つ雰囲気。後述する図書館を除き、全体的にシックな空間が広がっている。

アドバンスねやがわ

地下入口には巨大な白い看板が鎮座。開業時、地下1階は法律の関係上、現在のようにスーパーが入居せず、専門店がならんでいた(フードコートのようなものが存在していた)ようだが、こちらも現在はスーパーが出店している。駅前に2つスーパーがあるというのも面白いが、イズミヤとラッキーでは客層も少し違う部分もあってか、どうにかなっているのだろう。

アドバンスねやがわ

それ以外の店舗については、全体的に普通の再開発ビルといったところ。どうでもいいですけど、ハニーズってビックリするくらいいろんな場所の再開発ビルに進出していますよね。どういう経営戦略なのか、非常に興味があります。

館内の図書館が素晴らしかった件 でもこれだけは・・・

アドバンスねやがわ

アドバンスねやがわ

いかにも少し前の雰囲気が漂うアドバンスねやがわだが、最上階に位置する図書館だけは別。2021年に開業したというこの寝屋川市立図書館については、他の店舗とは全く違った雰囲気を醸し出している。

アドバンスねやがわ

2021年開業といえばそれまでなのだが、モノトーンをモチーフに「おとなの図書館」をテーマとした空間は雰囲気満点。様々な形で光を照らしていることもあり、まるで窓がないことを忘れてしまうほどの空間がそこには広がっていた。

アドバンスねやがわ

なお、子ども向けの図書については2号館にあるキャレル図書館という部分を中心に設置されている。1号館にある別の図書館とはやや離れた場所にあるため、子どもを連れての移動はやや厳しいものがあるかもしれない。

アドバンスねやがわ

最後に一言だけ、、、館内で「寝屋川市市街地再開発事業」なるDVDを見つけ、閲覧しようとしたのですが、なんと館内にAVコーナーがなく見ることができないとのこと。筆者は寝屋川市民ではないのでもちろん借りることもできず・・・ それほど場所が広くないのは知ってはいましたが、これは残念。

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