近畿大阪府大阪市

うえほんまちハイハイタウン 大阪ど真ん中に残る「ザ・昭和」の面影を探る

※本ページにはプロモーションが含まれております。

大阪に残る「昭和の風景」にも実に多種多様なものがあるが、その中でも有名なのが「大阪駅前ビル」なのではなかろうか。梅田のビル街の中に恍惚と残る4棟の巨大な建物に残る実に渋い風景は、今も昔も多くの人々を惹きつけてやまない(実はその裏で某部落解放団体が暗躍していたという黒い歴史もあったりしますが・・・)。

うえほんまちハイハイタウン

そんな大阪の「昭和の再開発」だが、これは何も梅田に限ったものではなく、古くからの街並みが残る場所にはたいがい実在するというもの。今回は、そんな大阪における「昭和の再開発」の一つ、近鉄大阪上本町駅前に位置する「うえほんまちハイハイタウン」について、その様子を見ていくこととする。

近鉄上本町駅すぐ「うえほんまちハイハイタウン」

闇市と不法占拠、そして再開発

うえほんまちハイハイタウン

うえほんまちハイハイタウンは、大阪市天王寺区に位置する再開発ビル。「上六地区第一種市街地再開発事業」によって1979(昭和54)年に完成した。「うえほんまち」という名称の通り、近鉄大阪上本町駅が最寄となっているが、地下鉄谷町線・千日前線の谷町九丁目駅からも地下道で直結している。

近鉄百貨店上本町店

近鉄百貨店上本町店(画像はWikipediaより抜粋)

上六地区は、大阪市の中心地に位置すること、近鉄難波駅が開通するまで上本町駅が近鉄でも髄一のターミナル駅となっていたこともあり、戦前の早い段階から発展を見せていた。戦前には現在の近鉄百貨店の前身である「三笠屋百貨店」が開店し、戦後になると闇市が自然発生、日本人のみならず韓国人や中国人などを交えた「一大ネットワーク」を形成していたという。

うえほんまちハイハイタウン

事態が急変したのは1960年代のこと。大阪市側の「公園緑地指定」に対し、住民・商店主が反抗。大阪市に対し「共同ビルを建設しよう」と要望が書かれた提案書が提出されるなど、状況が大きく変化した。この通称「上六観光センタービル建設計画」は実現には至らなかったが、今後の再開発に至る大きな転機となった。

この状況の変化に対し、大阪市は柔軟に対応。現状の不法占拠問題の対処や大阪万博を控えた大規模開発、近鉄難波線の開業に伴う上本町地区の人出減少危機もあり、大阪市側・地元側とも非常にスムーズな形で再開発が行われたという。

うえほんまちハイハイタウン

この結果、現在の建物にあたる「うえほんまちハイハイタウン」が1979(昭和54)年に開業。現在に至るまでその姿を留め続けている。

うえほんまちハイハイタウン

うえほんまちハイハイタウン

なお、この再開発に関する銅像が現在もうえほんまちハイハイタウンの敷地内に残されており、今もその姿をしっかりと見ることができる状態となっている。個人の銅像が再開発ビルに設置とは、なかなか強烈な景色ですね(笑)

昭和の雰囲気残る懐かしい風景

うえほんまちハイハイタウン

うえほんまちハイハイタウンの歴史について見てきたところで、その内部について見ていくこととしよう。茶色に覆われたこの景色がいかにも懐かしい景色を醸し出していますね。

うえほんまちハイハイタウン

うえほんまちハイハイタウン

中の様子はこんな状況。建物は15階建てで、地下1階に飲食店街、1~3階にその他様々な店舗、4/5Fに病院や薬局、6階以上がオフィス・住宅という構成。元々4/5Fは全く別の店舗が入っていたようだが、時代の流れとともに現在のような形に落ち着いている。さすがに歴史の長さは隠せないが、しっかりと管理されているだけあってか、この手のビルにありがちな汚れ具合は全くと言って良いほど感じない。

うえほんまちハイハイタウン

うえほんまちハイハイタウン

内部の店舗を見てみるが、こちらもなかなかクセの強いお店がいくつも並んでいる。天王寺の「新宿ごちそうビル」もなかなかスゴかったが、それ以上かもしれない。

うえほんまちハイハイタウン

うえほんまちハイハイタウン

敷地内にはこの時期の再開発ビルにありがちなステージや、現在は廃止されてしまったが噴水やそれに伴う川もちゃんと完備されている。この川はかなり前に廃止されていたようで、廃止後長らく植木鉢が大量に並べられ緑あふれる景色を醸し出していたが、現在では人工芝が並ぶ無機質な空間となってしまっている。

うえほんまちハイハイタウン

なおステージは建物の中にも設置されており、こちらはかつて噴水があった場所を埋め立てる形でステージを設置している模様。実際、公式サイトにも「噴水ステージ」とわざわざ明記されているあたり、こだわりを感じさせる。

うえほんまちハイハイタウン

うえほんまちハイハイタウン

そんなうえほんまちハイハイタウンを回っていると、館内に多くの段差があることに気付かされる。平地の多い大阪ではなかなか珍しい光景だが、これはこの付近に「上町台地」という丘陵地があるが故に設けられているもので、うえほんまちハイハイタウンそのものも坂の上に建設されていることを意味している。正直なかなか歩きづらい部分はあるが、このあたりは仕方ないか。

うえほんまちハイハイタウン

なおうえほんまちハイハイタウンは外国人にも考慮されており、こんな感じのパンフレットを館内で入手することができるのだが・・・

うえほんまちハイハイタウン

画像再掲

・・・ここは見なかったことにしておきましょう(笑)

タイトルとURLをコピーしました