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新風館 歴史と新風の共存する、京都の新しいランドマークを観察する

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市内に多く残る寺社を筆頭に、数多くの歴史的建造物が今も大切に使われる街・京都。その魅力の大きさは今も昔も数多くの人々を惹きつけており、その魔力は留まることを知らないようだ。

新風館

そんな京都市内の一角、四条や京都駅から少し離れた場所に、かつてNTTが使っていた電話局をそのまま商業施設へとリノベーションしてしまったという、全国でも非常に変わった施設が存在している。今回は、そんなリノベーション商業施設「新風館」をご紹介する。

電電公社の建物をモデルチェンジ「新風館」

新風館

新風館は、京都市厨局にある商業施設だ。旧電電公社(のち、NTT)に「京都中央電話局(のち、京都電電ビル西館)」として使われていた建物を、多少の改築を加えたうえで2000(平成12)年に開業した。2020年6月にはリニューアルを行っており、現在の商業施設は2代目となっている。

新風館

新風館の前身となる旧京都中央電話局が竣工したのは1925(大正15)年のこと。1931(昭和6)年には第2期の増築が行われ、現在に近い姿の電話局が出来上がったという。当初は電話交換施設として使用され、のちに電電公社(現・NTT)のビルとして使用。その歴史的な価値の高さから、1983(昭和58)年には京都市の登録文化財第1号として登録されたのだそうだ。

新風館

電電公社・NTTの業務用ビルとして使われたのち、同じくNTT系列のNTT都市開発によって再開発が行われ、2001(平成12)年に商業施設「新風館」が開業。その後、「本格的な再開発を目指して」2016年に一時閉館ののち、2020年に2代目となる現在の新風館が開業、現在の姿に至っている。

新風館

なお、2020年のリニューアル時には商業施設のみならず、ホテル「エースホテル京都」が同時にオープン。新型感染症の影響もあり苦しい船出となってしまっているが、京都に新しい風を吹かせられるか、今後に注目だ。

NTTの建物とは思えない美しすぎる中身

新風館

新風館の概要と歴史について書いたところで、その中身へと入っていこう。新風館へのアクセスは比較的良く、地下鉄東西線・烏丸線の烏丸御池駅に直結しているほか、京都の中心部にあたる四条からも徒歩10分ほど。「ついで」に寄るにしては少々厳しいかもしれないが、決して悪い場所ではない。

新風館

2021年12月当時のテナント構成は上の通り(最新のテナント構成はコチラ)。地下1階に映画館が入る以外はすべてのテナントが1階に入居するという構成。テナント数も20ほどとそれほど多くなく、2階から上の階は全てホテルとして利用されるという形を取っている。

新風館

だがそのテナントが非常に個性的で、見ているだけでもとても面白い。まあこのあたりは他のサイトにも書いてあるため、ここでは多くは語らないことにするが、うん、とにかくスゴいんですよ(表現力がない)。

新風館

新風館

魅力的なテナントが軒を連ねる新風館。しかしそれ以上にこの施設の魅力を高めているのは何といってもこの中庭だろう。一商業施設の中にあるとは思えないこの広大な庭。テナントが5~6軒は入るであろうこのスペースを贅沢に使っているのは驚きだ。

新風館

新風館

しかしこれは凄いな。訪問した際も写真を撮る方々が多く見られたが、これは納得でしかない。歴史の残る建物、個性的なテナント、そしてこの中庭。非常に調和のとれたこれら3つの要素のおかげで、比較的のんびりとした雰囲気の残る京都市内の中でも特に落ち着いた雰囲気が形成されていた。ちなみに2枚目の写真にある謎のオブジェは「Ether(Octagon)という作品だそうで、滴が地面に落ちて広がる様子を3Dモデルにしたものだという。 ・・・芸術はよくわかりません。

新風館

庭ばかりに目が行く新風館。だがそれ以外のエリアも目を奪われるような景色が形成されており、ここが電話の受け継ぎに使われたとはとても思わないような雰囲気が漂っている。NTT都市開発が同じ京都に作った「LAQUE四条烏丸」もそうだが、どうしてこの会社はこんなに洗練された風景を作り出すことができるのか、本当に驚きでしかない。

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新風館

大規模な改装工事を経て、新たな姿へと生まれ変わった新風館。2020年6月という時期の開業となったこともあり、苦しい状況が続いているのは間違いない。今後どのような形で集客を図っていくのか、今後に期待だ。

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