大阪のみならず、西日本の中心となった街・梅田。しかし、その梅田の中でも格差が出てきていることは疑いようのない事実となってきており、我が世の春を謳歌するエリアがある一方、「イーマ」のように大変なことになってしまっている場所があるのもこれまた現実となっている。
そんな「格差」が話題(問題?)となっている梅田エリアだが、西梅田にある「ブリーゼブリーゼ」なる商業施設もこれまたマズい状況になっているらしい。今回は、そんな西梅田に位置する商業ビル「ブリーゼブリーゼ」について、その現状を見ていくとしよう。
ブリーゼブリーゼの概要
ブリーゼブリーゼは、大阪市北区梅田2丁目に位置する商業施設。オフィスや劇場などを備える多目的施設「ブリーゼタワー」の地下1階~6階及び33階の8フロアに入居している。かつてこの地にあった「大阪サンケイビル」及び隣接する「島津ビル」を建て替える事業「西梅田プロジェクト」により、2008(平成20)年に完成した。
ブリーゼブリーゼのキーコンセプトは「『驚き』こそ、最高のおもてなし」。オトナの女性をターゲットとし、「よりアクティブに、元気になれる体験」「深いリラックスに包まれる体験」を提供することで、少しリッチな生活を形成することをサポートする予定だったようだ。実際、開業当初のプレスリリースを見ても実にシャレオツそうなお店が並んでいるし、いかにもオオサカガーデンシティの建物といった感じだ。
そんな華々しい状況下で開業したこのブリーゼブリーゼだが、開業から20年弱経過した今、当初のコンセプトは完全に崩壊し、非常にマズい状況になっているのだとか。ここからは、そんな閉店ラッシュとも言うべき状況下にあるブリーゼブリーゼの現在の姿について、様子を見ていくとする。
閉店相次ぐ中身とは?
アクセスに難がありすぎる件
ブリーゼブリーゼの内部について見ていく前に、そのアクセスについて見ておきたい。公式サイトでは
・JR大阪駅桜橋口より徒歩5分
・地下鉄四つ橋線西梅田駅10号出口より徒歩3分
・阪神梅田駅より徒歩5分
・JR東西線北新地駅より徒歩5分
西梅田の地下通路より、雨天の場合でも濡れることなくブリーゼブリーゼB1Fへお越しいただけます。
という記載があり、一見非常に便利そうに見える。しかし、実際のところはというと、
西梅田の地下通路にある6-47出口の先にあるクソ小さい案内(分かりにくいですが赤色で囲んであります)を見つけ、
その先にある非常口のマークのついた自動ドアを抜け、
こじんまりとした自動ドアを開けると突如現れるそこそこ大きな「ブリーゼタワー」と書かれた通路を抜けることでブリーゼブリーゼの地下1階に到着する、といった具合だ。いや、分かりづらすぎる。実際検索エンジンでも「ブリーゼブリーゼ 行き方」と検索すると実に多くのサイトが出てくるし、みんな苦労しているんでしょうね。
綺麗なのに寂しさの目立つ内部の状況
前置きが長くなってしまったが、ブリーゼブリーゼの中身を見ていくとしましょう。先ほどの写真と似ていますが、実は別角度からの写真。南西方向・北東方向に半楕円状のエリアがくっついているのが特徴的です。なかなか変わっているな。
2022年9月訪問時のテナント構成はこんな感じ(最新のテナントはコチラからどうぞ)。開業当初は60ほどの店舗が入居していたこのブリーゼブリーゼだが、このときのテナントは30ほど。特に3Fについてはわずか1店舗のみの出店となっており、その厳しさがうかがえる。
中の様子を見ていく。ファッション性を重視していることもあってか、非常に美しい景色がそこかしこに広がっている。とはいえ、お客さんは数えるほどしかおらず、実に閑散とした雰囲気が醸し出されていた。ターゲットになるはずの「オトナの女性」、全然いないんですが・・・。
内部の様子を詳しく見ていく。2008年の開業ということもあり、これまた非常に美しい景色がそこかしこに広がっている。しかしその一方、開業からあまり時間が経っていないのにも関わらず「オトナの女性」をターゲットとしているとはとても思えない店舗が多数進出してしまっており、何だかよく分からないカオスな状態になってしまっているのも確か。とはいえ、周りの雰囲気に合わせた形でテナントが作られているせいか、意外と溶け込んでいるから面白い。
意外と雰囲気の維持ができているこの商業施設だが、やはり閉店している店舗が目立ってしまうのはやはり避けられないようで、地下1階の入口の目の前にいきなりシャッターが待ち構えているほか、それ以外の階にも各所でシャッターが下ろされており、非常に寂しさの目立つ景色が広がっていた。
なんだかパッとしない状況にあるこのブリーゼブリーゼだが、その雰囲気の良さだけは本当に素晴らしいの一言では表せないほど良くできており、どこを撮っても実に”映える”空間が広がっていた。残念ながらそれに応えるものがないのですが。
なおこのブリーゼブリーゼにはエスカレーターがなぜか大量に設置されており、2F~4Fの間には2セット4基、1F~2Fの間には3セット6基ものエスカレーターが用意されているのだが、そのうち実際にブリーゼブリーゼで使われていたのは1セット2基だけだったことを申し添えておく。
今後の見通しは案外明るいかも
これまで、現状のブリーゼブリーゼの厳しい状況について述べてきた。しかしその将来に関しては、意外にも明るいといえよう。というのも、今後梅田3丁目地区の再開発・うめきた2期の再開発・JR大阪駅の地下駅開業に伴う西口改札の開業により、梅田の西側地区の活性化が行われることは間違いないといえるからだ。
住所上では「梅田」を名乗りながらも、その立地の悪さから不遇な扱いを受けてきた西梅田地区。これまで集客に苦労してきたこのエリアが、今後どう変わっていくのか、楽しみでもあり不安でもある。
梅田完全攻略本 最旬&定番店を徹底をリサーチ! /JTBパブリッシング