近畿奈良県生駒市

奈良県初の市街地再開発「グリーンヒルいこま」のクセの強さに驚いた

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市街地再開発事業が一巡し、大阪からの通勤客で賑わいを見せる街となった奈良県生駒市。鶴橋から生駒まで近鉄の快速急行で1駅というその利便性もあり、高度経済成長期から人口が急増。1960年代前半には2万人ほどだった人口が今では10万人を突破するなど、その発展ぶりには目を見張るものがある。

グリーンヒルいこま

そんな経緯からか、生駒市の中心にあたる近鉄生駒駅周辺は奈良県下で初めて市街地再開発事業が実施された場所となっており、現在もそれによって完成したビルが営業を続けているのだという。今回は、奈良県初の市街地再開発事業によって完成したビル「グリーンヒルいこま」について、その様子を見ていくこととする。

奈良県初の市街地再開発「グリーンヒルいこま」

グリーンヒルいこま

グリーンヒルいこまは、近鉄生駒駅南口に位置する再開発ビル。生駒市の再開発事業「生駒駅前南口第一種市街地再開発事業」によって1982(昭和57)年に完成した。先述した通り、奈良県で初めての市街地再開発事業となっている。

グリーンヒルいこま

近鉄生駒駅の南口、ペデストリアンデッキを介して直結という好立地にあるこのグリーンヒルいこまだが、実は生駒駅だけではなく近鉄生駒ケーブルの「鳥居前駅」とも直結しており、双方の駅間を乗り換える通路としても利用されている。生駒山上遊園地へのアクセスで有名な生駒ケーブルだが、実際は通勤・通学で利用する人も多くいることから、意外に重要な役割を果たしているのかもしれない。

ベルテラスいこま

2014(平成26)年に開業した「ベルテラスいこま

奈良県初・近鉄生駒駅南口唯一の再開発ビルとしてその体裁を保ち続けてきたこのグリーンヒルいこまだが、近年は周辺地区の再開発が進んだこともあり、お客さんが別の方向へと流れているのも事実。2020年1月には核テナントの一つであった、スーパー「近商ストア」が閉店するなど、状況は良いとはお世辞にも言えない様子。ここからは、そんな状況下にある「グリーンヒルいこま」の現状について、写真とともに解説することとする。

昭和感残る内部

グリーンヒルいこま

グリーンヒルいこまの概要と経緯について見たところで、その中へと入っていこう。建物は地下1階~4階の5層構造。近鉄生駒駅・鳥居前駅に直結する3階がメインのフロアという、この時期の再開発ビルとしては非常に珍しい構造となっている。2022年訪問時の核テナントとして「ダイソー」「三井住友銀行」「パレット」が入居していた。

グリーンヒルいこま

テナントとしては上のような状態(公式サイトはコチラ。少々情報が古めです)。「〇〇のまち」という名称が各階に付けられているのが歴史を感じさせる。とはいえ、開業から年の経過した今では、1階の「ファッションとリビングのまち」にダイソーと三井住友銀行のみが入居するなど、少々語弊が生まれてしまっている模様だ。

グリーンヒルいこま

中の様子を見ていこう。メインとなっている3階から中へと入っていく。「ようこそ生駒聖天さん」という文字が大きく書かれており、観光客のことも意識していることがうかがえる。

グリーンヒルいこま

グリーンヒルいこま

3階の様子を見ていく。いかにも昭和のような雰囲気が広がっているのが時代を感じさせる。一応「飲食街」という扱いになっているこの3階だが、「味とくつろぎのまち」という名称の通り飲食店以外にも様々な店舗が入っておりなかなか面白い。残念ながら観光客向けと思われる店舗は1つとしてありませんでしたが・・・。

グリーンヒルいこま

グリーンヒルいこま

下層階へと移っていく。こちらも年の長さを感じずにはいられない。小綺麗にされているのは見ていてもよく感じられるのだが、昭和の外観・内部と絶妙に平成風の内装が混じっているせいでなんだか博物館みたいな状態になっているのが驚きだ。北口の「ベルテラスいこま」と比べると余計にそう感じてしまう。

ベルテラスいこま 計画から開業まで20年以上。長期に及ぶ再開発の完成形を見る
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グリーンヒルいこま

グリーンヒルいこま

4階の様子を見ていく。「4階」という名称ではあるが、どちらかというと屋上に近いか。ところどころに老朽化している箇所が出てしまっている。スーパーの近商ストアが閉店するなど、厳しいものがあるのは容易にうかがえるが、もうちょっとうまくやれた気がしてなりません。

地下食品売り場から食べ物が消えた?

グリーンヒルいこま

最後に地下食品売り場「B1 フレッシュな食品のまち」へと入っていこう。元々核テナントの「近商ストア」が入居しており、それが2020年に閉店したことは既に何度も書いたが、その様子はというと、

グリーンヒルいこま

食べ物が消えていた。館内にも「フレッシュな食品のまち」と各所に書いてあるのにも関わらず、衣料品や買取専門店が並ぶばかり。これはいったいどういうことなのだろうか。

グリーンヒルいこま

というのもそれもそのはずで、2022年現在のグリーンヒルいこまB1Fに入っているテナントは「買取専門店 大吉」「パレット(衣料品店)」の2つのみとなってしまっている。食品が全く売ってないどころか、下のフロアガイドと全くレイアウトが合っていないのもあいまって訳の分からない状況になってしまっている。

ちなみに在りし日の近商ストアはこんな感じだったんとか。スーパーの無くなりし今、そして老朽化の進む今、グリーンヒルいこまはどのような道筋を歩んでいくのか。その今後を見守っていきたい。

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