四国香川県

丸亀市「一寸島神社(厳島神社)」の境内に残る謎のバラック群は一体何なのか。

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香川県丸亀市は高松市に次ぐ香川県第二の都市となっており、かつては琴平町にある通称「こんぴらさん」こと金刀比羅宮への出発点・丸亀街道の拠点として栄えた街だ。しかし、街道をてくてく歩かなければいけなかった当時とは違い、現在では高速道路だって開通しているし、より近くに位置する琴平駅までJRやことでんが電車や列車が運転していることもあり、現在では公営・私営関係なく、その支店が立ち並ぶいわゆる「支店経済都市」の様相を呈している。

丸亀駅

※この写真のみ別日に撮影しています

そんな丸亀市の中心・丸亀駅を降り、北側に向かう。丸亀市の中心となっている駅の南側とは異なり、北側は駅ビルこそそれなりに栄えているものの、それ以外のエリアに関してはまるで南側に何もかもを取られてしまったかのように寂しい街並みが広がっている。

一寸島神社

そんな丸亀駅の北口を出て左に曲がり、細い道を進むことすぐ。今回の目的の神社が見えてきた。一見普通の神社に見えるこの神社だが、中に入るとその異様さにすぐに気づくだろう。何せ、

一寸島神社 バラック群

神社の境内に謎の廃墟群が並んでいるからだ。

今回は、そんな謎の廃墟群が並ぶ謎の神社、「一寸島神社(厳島神社)(※「いつくしまじんじゃ」と読む)」をご紹介する。

一般に「一寸島神社」と呼ばれるこの神社ですが、実際には「厳島神社」の表記も見られるため、当サイトでは2つの名称を併記させていただきます。予めご了承ください。

神社の境内にバラック!?

一寸島神社

一寸島神社(厳島神社)の一番の特徴は、先ほども書いた通りだが、なんといってもこの謎のバラック群に尽きるだろう。しかしこれでもかなり数を減らしたようで、かつては鳥居をはさんだ両側にバラックがあったのが、現在では片側のみに縮小されている。とはいえ、規模の小さくなった今でもこの異常な光景は我々に鮮烈な印象を残してくれる。

一寸島神社

とはいえ、現在では取り壊された部分であっても、一部にはその「跡地」が色濃く残っており、かつてそこに建物が存在したことを今に伝える貴重なメッセージとしての機能を果たしている。

一寸島神社

境内を少し進むと、今度は明らかに鳥居の一部であっただろう柱の一部が残されていた。こちらはどうやらバラック群が境内の両側にあった頃からこの状態で放置されていたもののようで、かつてはバラック群に同化していたため非常に分かりにくい存在となっていたものの、バラックの片側が潰された今では逆に明らかに浮いた存在となってしまっている。なんだかずいぶんと不吉な気分になるのだが、これだけでもどうにかして一緒に撤去できなかったんでしょうかね・・・。

一寸島神社

外側からも1枚パシャリ。いったい全体廃屋ばかりが並んでいるため、ここまで来るとさすがに心が痛んでしまう。かつては参道として栄えており、多くの土産屋が並んでいたそうなのだが、今ではそれもなくなり、逆に「戦後ドサクサ建築」の一環として取り上げられるほどの存在になってしまった。運命というのは実に皮肉なものである。

一寸島神社

しかしすべての建物が廃墟となっているのかというと決してそんなことはなく、取材班が行った限りでも神社に最も近い側、文化住宅風の建物には人が住んでいることを確認した。訪問・撮影の際には他の方にご迷惑をおかけしないよう、十分ご注意を。

元々は遊郭の一部に存在していました

一寸島神社

何はともあれ、参道を抜けて本殿の前までやってきた。さすがにここまで来るとバラック家屋に囲まれているということもなく、実に静かな雰囲気が漂っている。ちなみにここでは「一寸島神社」ではなく「厳島神社」という表記が。どうやら「いつくしま」と読むのが正しいようです。

なお、この神社そのものは1686年に造営された由緒正しき神社で、1741年にここに移転、現在に至るまでこの場所で人々を見守ってきている。

一寸島神社

しかし一見立派に見えるこの本殿だが、少し詳細を見ればすぐに分かる通り、本殿の中でも最も人の目につく正面部分でさえこの朽ち具合である。本殿を修理するお金もないような状況じゃ、ボロボロのバラックが廃墟のまま残っているのも仕方ないのかもしれない。それでも半分撤去できただけまだ良いのかもしれないが。行政代執行なる制度が整備された今、こんなことが見れる光景もこれから少なくなっていくのかもしれない。

一寸島神社

さて、そんな一寸島神社(厳島神社)だが、そのすぐそばの道路を見ると少々変わった配置になっていることにすぐに気づく。

一寸島神社

神社の鳥居から来た道を見返す。上の2枚を見返せばお分かりかと思うが、なんと道路がそのまま参道へとつながっているという配置をしているのだ。参道ではよく見られる配置ではあるものの、すぐとなりに道路が繋がっているというのは珍しい。これはいったいどういうことなのだろうか。

というのも、実はもともとこのエリアは香川県内でも割と有名な赤線地帯、「福島遊郭」に隣接するエリアだったのだ。そして一寸島神社(厳島神社)はこの福島遊郭のすぐとなりに位置するエリアとなっており、その名残としてこの少々変わった道が今も残っている、という訳だ。

当サイトの取材班は遊郭に関してあまり詳しくないため遊郭そのものの説明は別のサイトに譲るとして、そのような複雑な事情があった、ということはここでご説明しておく。

丸亀市 足マーク

そんな一寸島神社(厳島神社)だが、その目の前には謎の足跡マークが。地元の方いわく、丸亀市内では至る所にこのマークが配置されており、PTAの方々が地元の小学生に交通ルールを守ってもらおうという思いで作成しているそうだ。そんな可愛い足あとの近くに、大人の楽園が存在していたなんて、地元の小学生は知る余地もないだろうなぁ・・・。

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