先日、取材班は香川県の県都・高松市の中心地にある商店街を訪問した。
しかし、こんなキレイで立派な商店街を作り、維持することは並大抵のことではなく、実際様々な商店街を訪れるこの取材班であるが、ここまでの規模を誇る商店街は全体の2割から3割といったところで、大半の商店街は何とも言えない一抹の寂しさにあふれているのが現状だ。
さて、今回やってきたのは香川県の西部に位置する街、丸亀市だ。高松市に次ぐ香川県第二の都市として知られるこの街は、先日の記事でも述べたように琴平町にある通称「こんぴらさん」こと金刀比羅宮への出発点・丸亀街道の拠点として栄えた場所であるほか、江戸時代には旧丸亀藩の城下町としての役割も担っていた経緯があり、そんなこともあってか現在でも讃岐地方西部の中心地として一定の地位を占めている。
そんな丸亀市の中心・丸亀市の北側にはかつて遊郭が存在し、その面影も廃れた今では非常に寂しい「普通の住宅地」に近い街並みが広がっているが、一方で駅の南側には「さすが中心地」と言わせるに足る大規模なアーケード商店街が広がっている。今回は、この商店街を中心に、丸亀駅前にフォーカスを当て、その現状について探索していくとしよう。
飲食店の集まらないグルメタウン、飲食店の集まる商店街
さて、丸亀駅を出て早速商店街に行こう・・・とも思ったのだが、その前に駅構内で既に1件、香ばしい施設があったのでご紹介しておこう。丸亀駅を出て東側の高架下にある商業施設、「ピコ丸亀」である。「Pico」と書かれたいかにも昭和臭い看板の下に「GOURMET TOWN」と書かれているこちらの施設だが、
その「ピコ丸亀」に入っている飲食店はわずか1店舗。一応これ以外に「レコードブック」なるデイサービス施設、そしてスーパー「エースワン」が入居しており、決して廃墟ということではないのだが、「グルメタウン」と名乗るには明らかに貧弱だと言わざるを得ない。まあスーパーが入ってるから「グルメタウン」と言えばグルメタウンなのかもしれませんが。
なお、この施設そのものは駅から東側に300mほど伸びているものの、実際に営業しているのは駅に近い側のみ。駅から離れた奥側には今か今かとそのときを待ちわびる空き店舗たちの寂しそうな姿があった。
そんなピコ丸亀の隣には「浜町ガレリア」なるアーケード商店街が口を構えて待っている。いかにも地元に愛されていそうな商店街といった趣が漂っている。
常連以外お断り感満載の土着民向け飲食店が軒を連ねる。この商店街自体「くらしと味の楽園」などという接頭辞がつけられているくらいだし、完全に飲食店街と化してしまっているのだろう。しかしそれにしても「グルメタウン」より飲食店の多い商店街がすぐ近くにあるなんて、皮肉にしか感じられないんよなぁ(´・ω・`)
立派すぎるアーケードとその中身・・・
先ほどの浜町ガレリアを抜け、南に進むことすぐ。今度はものすごく立派な商店街の入口が見えてきた。こちらこそが今回のメインターゲット、「通町商店街」である。ご立派な装飾がなされていることからも分かるように、ここが丸亀市のメインストリートである。
そんな商店街のすぐとなりには、自動車も通れる幅広のアーケード商店街、「浜町商店街」が広がっている。先ほどの「浜町ガレリア」と随分名前が似ているが、こことは全く別の独立した商店街となっているので要注意だ。
こちらの浜町商店街も、実にのんびりした雰囲気が漂っている。車の通りはそこそこあるものの、歩行者は少なめ。ま、車社会になるとこうもなるよね。取材班は「駐車場のない地方の商店街は終わり」という説をずっと唱えているが、ここもそれに漏れず・・・といった格好だ。
昭和な雰囲気の漂う浜町商店街だが、なんとアーケード内に再開発ビルが現存していた。その名も「丸亀駅前再開発ビル ヒューズ101」である。
「すべてに新感性 新ファッション拠点 ヒューズ101」とでっかく看板に書かれているこのヒューズ101だが、実際はファッション拠点など整備されていないどころか(おそらく潰れた)、一般人は中に入ることすら許されておらず、「テナント募集」の看板だけが掲載されている始末。四国の再開発ビルってどうしてこうもビミョーなものが多いんですかね。高松とか徳島とか・・・
<四国の再開発ビルの例>
とはいえ、この再開発ビルが100%空いているなどということはさすがになく、高層階を中心に「ホテル・アルファ―ワン丸亀」というホテルが入居している。さすがに「再開発しましたが、廃墟になりました」ではシャレにならないからね(笑)そこは回避できているようだ。
ちなみにこのホテルだが、朝食でうどんを出すことをやたらアピールしており、
(レストラン)アルファ・ガーデンでは、名物の「讃岐うどん」に野菜の炊き合わせを添えて健康的なご朝食を提供いたします。「かけうどん」「ぶっかけうどん」「つけうどん」の3種類からお召し上がり頂けます。朝のひとときをほっこりとしてくれる優しいうどん超速をお楽しみ下さいませ。
という表記がなされている。「うどん朝食」が固有名詞になっているあたり、いろいろとツッコミどころ満載なのだが、さすがにそこはうどん県の誇りなのだろうか。ホテルでは珍しく、現在では「食べログ」にも掲載されてしまっているあたり、おそらく相当ご飯の美味しいホテルなのだろう。取材班は時間の都合で宿泊できなかったが、お時間のある方はぜひ一度止まってみて頂ければ、と思う次第だ。(次のページに続く)