先日、香川県高松市は独自の「商店街を再生させる」取り組みが功を奏し、関係者注目の街になっていることを述べた。そしてその上で、その中心部にある大型商業施設が大変なことになっている、ということを写真とともにご紹介した。
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さて、今回はその独自の取り組みにより大きな飛躍を遂げた高松市の商店街について、「どんな特徴があるのか」「普通の商店街とどういう点で異なっているのか」という点を中心に取り上げていこうと思う。全国の商店街関係者の皆様、そしてこの記事をご覧になっている皆様、必見ですよ!!
日本最長のアーケード商店街です
まずは高松市の商店街の特徴についてだ。
高松市の商店街の特徴としては、主に2つの特徴が挙げられる。
まず1つ目、日本最長のアーケード商店街を持っているという点だ。
高松市におけるアーケード商店街の長さは、合計で約2.7km。これは日本全国のどの商店街よりも長い。日本で最も長いアーケード商店街が東京でも大阪でもなく、ここ高松にあるというのは少々意外に感じた人もいるだろう。高松市における商店街は、それほど「特異」な環境にあるのだ。
高松市のアーケード商店街一覧
(画像は森ビル公式サイトより抜粋)
余談だが、高松市のアーケード商店街は7つの商店街(田町、常盤街、南新町、丸亀町、兵庫町、片原町、ライオン通り)から構成されており、「単一のアーケード商店街」という面では、大阪三大商店街の一角に数えられる天神橋筋商店街(総延長2.6km)が最長となる。
なお、アーケード商店街のあるエリアに限らず、高松の街はどこも碁盤目状に形成されている。こうなった経緯として、もともと高松の街が高松城の城下町として発展したという点が挙げられる。このような例として、大阪や広島が挙げられる。もし時間に余裕があるのであれば、ぜひ一度高松の街並みや高松城をご覧いただければ、と思う。
自転車での走行・駐輪は「合法」です
高松市の商店街における2つ目の特徴、それはアーケード内における自転車の走行・駐輪が合法となっているという点だ。
高松市におけるアーケード商店街は、とにかく自転車だらけだ。商店街の中でも当たりまえのようにチャリンコを乗り回しているし、アーケード商店街の中であるにも関わらずそこらじゅうに自転車が止めてある。初めて来た観光客なんかは、これに戸惑ってしまうだろう。おいおい、こんなんで大丈夫なのか??警察きちんと仕事しているのか?と疑ってしまうだろう。
しかし、心配しないでいただきたい。この走行や駐輪は、すべて合法だ。それどころか、看板のルールに従えばバイクの駐車も合法でできてしまう。高松市内でも最大の繁華街である丸亀町商店街では自転車の通行ができなくなっている(ただし、降りて通行する分にはOK)が、それ以外の商店街に関してはどこもこのルールが適用されている。ただし、曜日や時間帯によっては通行禁止になる箇所もあるようなので、その点には注意だ。
驚いたことに、商店街内に自由に駐輪できるだけでなく、市営の無料駐輪場まで整備されていた。地方だからできることなのか、それとも商店街が支援しているのかわからないが、ここまでするとは・・・ なお、この駐輪場は自転車専用とのことなので要注意だ。
商店街とは思えない再開発エリア
そんな高松市中心部の商店街だが、普通の商店街ではまず見ることのできないエリアが存在する。再開発エリアだ。国道11号より北側のエリア、いわゆる「丸亀町商店街」と呼ばれるエリアに入ると、とてもアーケード商店街とは思えない小ぎれいな光景が広がっている。
まるでどこかのショッピングモールかと勘違いしてしまう光景だが、ここももちろん商店街だ。アーケードのすぐ下を見ればわかるが「MARUGAMEMACHI」と書いてある。これは丸亀町商店街のことを指しており、ここが商店街であることの証明をしていることがわかる。
そんな丸亀町商店街だが、キラキラそのものだ。まるでどこかの二子玉川ライズかと勘違いしてしまうほどだ。やはり再開発が最も進んだエリアであること、六本木ヒルズなどを手掛けた森ビルが設計に関わっていることもあり、最もキレイなエリアとなっているのは周知の事実だ。そしてやはりというか、若者向け店舗がこれでもかというほど多く入っており、通常の商店街ではまず見られない光景が広がっていた。
なお、丸亀町商店街の全てのエリアで再開発が終わったのかと言われると決してそうではなく、再開発の行われていない、昔ながらの商店街が広がっている場所もまだまだ残っている。とはいえ、再開発前だからといって地元向けのお店ばかりが並んでいるなどと言うことはなく、このエリアであっても若者向けのショップが多く並んでいる。
こんなエリアではあるが、地元向けのお店もちゃんと入っており、「どうしようもない」商店街を大量に歩いている取材班からするとなぜか安心感を覚えてしまう。
丸亀町商店街をしばらく進むと、上のような広場のような場所に出る。ここは丸亀町商店街、兵庫町商店街、そして片原町商店街の交わる場所となっており、世間では「高松中央商店街」などと呼ばれている。「高松中央商店街」という、ずいぶんと大きな名前にも関わらず、それにあてはまるのはどうやらここだけらしい。本当によくわからない。
そしてやはり気になるのはこのドームだろう。このクリスタルドームは「高松の象徴」と呼ばれるほどの場所となっており、SNSや各種メディアでも多数取り上げられている。そしてこのドームだが、高さ32m、直径26mという大規模なものとなっており、なんと「アーケードの高さ日本一」の称号まで持っているらしい。地方とは思えない大きさだ。
そんな高松の商店街だが、完全にキラキラ!!若者以外お断り!!などということはなく、地域密着型の庶民的な側面も多く残っている。「キラキラ無理!!!」と感じてしまう、当編集部(笑)のような方もどうぞご安心を。
庶民的側面とキラキラ側面の双方が残る街、高松。この街は、これからどう変わっていくのか。楽しみでもあり、不安でもある。