北海道

北の大地に大量のモアイ像!?札幌市「真駒内滝野霊園」に残る謎のモニュメント達とは

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かつて北海道に「試される大地」というキャッチフレーズがついていたのをご存じだろうか。もはや一般名詞の一つとなってしまい、むしろ逆に「え?これって北海道のキャッチフレーズとちゃいますの!?」だなんて言われるようになってしまったこのフレーズだが、現在では「その先の、道へ。北海道」というキャッチコピーが代わりに使われるようになっており、良い意味でも悪い意味でも使われてきたこのフレーズはもはや過去のものになってしまっているというのが今の北海道の実状である。

十勝平野

写真は十勝平野

しかし「試される大地」というキャッチコピーが使われなくなった今もその強烈なフレーズが数多くの人々に印象を与えたことからも分かるように、数多くの人々がこの北海道という場所に魅了され、さらに近年では日本のみならず海外でもその知名度が高まってきているようで、実際にコロナ禍前の新千歳空港には地方空港にも関わらずジャンボジェットが何機も並ぶという驚きの光景を見ることもあった。

真駒内滝野霊園 入口

さて、今回やってきたのは北海道の県庁所在地・札幌市は南区に位置する「真駒内滝野霊園」である。最寄りの地下鉄真駒内駅から路線バスに乗ること約35分と、あまりアクセスの良い場所とは言えず、観光ガイド等に取り上げられることもないこの場所だが、近年「札幌の新しい観光名所」としてその知名度をグングンと上げてきているそうだ。今回は、そんな知名度急上昇中の謎の施設、真駒内滝野霊園についてお送りするとしよう。

四天王とモアイがお出迎えするクソデカ庭園

真駒内滝野霊園の特徴として、2つの事柄が挙げられる。1点目として挙げられるのがとにかく広いこと、そして2点目として挙げられるのが霊園内の各所にどういう訳か巨大な建造物が何種類も設置されていることだ。

真駒内滝野霊園 地図

2021年5月時点での真駒内滝野霊園の地図

まず1点目の広さについてだが、この真駒内滝野霊園の広さは公式サイトによると、何と180万㎡。札幌ドーム換算で32個分、東京ドーム換算でなんと39個分である。確かに公共交通機関でも来れる場所(地下鉄真駒内駅から35分)とはいえ、ここまで来るともはや園内を回るのにも一苦労である。一応園内を回る無料のバスも用意されてはいるものの、やはりここはレンタカーを使うのが基本だろう。

ちなみに取材班も札幌市内中心部でレンタカーを借り、ここまで運転してきた次第だ。余談ですけど、レンタカーならコチラとかオススメですよ。

真駒内滝野霊園 四天王

そんな真駒内滝野霊園だが、入口から早速四天王4体がそろってお出迎え(左右に2体ずつある)するという、既に奇妙な光景を生み出している(写真悪くてスミマセン)。1体だけでなく、わざわざ4体全てがそろってお出迎えするあたり、本当に意味が分からない。本当に霊園なのかここは!?

真駒内滝野霊園 モアイ像

そんな滝野霊園に一歩足を踏み入れると、今度は何体ものモアイ像が同じ方向を向いて来訪者を傍観している。一部のモアイ像にはマスクがついており、やはりこのコロナ禍において日本がいかに変わっているのかを感じさせてしまう。モアイと言えばイースター島が特に有名だが、ここにあればわざわざ行かなくても安心だね!! 何をしたいのかいったい全体よくわからないのだが、実に壮観である。曇ってしまったのが残念だな・・・。

真駒内滝野霊園 モアイ像

なお、遠くから見れば分かるかと思うのだが、このモアイ像には大小2種類のものが存在している。小さいもので高さ6.5m、大きいものでは高さ9.5mにも及び、大きいものに至っては重さ120tにもなるというから驚きだ。しかもそれがこんなにズラズラと並んでいるなんて・・・

真駒内滝野霊園 モアイ像

そもそもいったいなぜこんなところにこんなモアイ像が建てられたのかすら定かではないが、施設の人によると「お墓ばかりの暗い場所ではなく、こどもたちも来たくなるような明るい気持ちになれる場所にしたい」という思いがこめられているだとか。ちなみにホームページには

モアイの『モ』には未来『アイ』には生きるという意味があり、皆様の生きた証を後世へ永遠に伝承できるように建てられました。

という説明書きが書かれている。・・・ちょっと何言ってるかよく分からないです、すみません・・・。

一般人は入れない「ストーンヘンジ」

真駒内滝野霊園 ストーンヘンジ

そんなモアイ像の前を通り抜けると、今度はただ広い草原の中に石で作られた謎の建物が見えてくる。

真駒内滝野霊園 ストーンヘンジ

そしてそれはなんと、かのイギリスの世界遺産・ストーンヘンジを模したものであった。しかもなんと実物大。イースター島の次はイギリスですか。まるで東武ワールドスクエアかどこかにでも迷い込んだ気分だが、ここは入場無料の霊園である。おいおい、本当に墓地か、ここは・・・。

真駒内滝野霊園 ストーンヘンジ

なお、かつては一般人もストーンヘンジの内部に入ることができたのだが、現在では

大地・自然・空に接する神聖な場所に生きた証を残し、後世の人々へ未来の希望を与えられるように真駒内滝野霊園のストーンヘンジには永代供養墓が併設されております。

と公式サイトにも書かれている通り、ストーンヘンジへと続く唯一の道からは永代供養墓へと続く、地下へもぐる道が続いている。そしてストーンヘンジの周りには「立入禁止」の看板が掲げられており、入ることができないようになっていた。残念無念。

あの世界的建築家がデザインした建物が・・・

真駒内滝野霊園 頭大仏

さて、ここまで真駒内滝野霊園がいかに狂った場所であるのかについてお伝えしてきたが、そんな中でも最も面白く、かつ話題となっている施設がこちら、「頭大仏」である。2016年7月に一般公開されたばかりの施設で、世界的な建築家であるあの安藤忠雄氏が設計したということもあり、最近では日本人だけでなく外国人にも人気だという。

真駒内滝野霊園 頭大仏

そんな頭大仏だが、写真を見れば分かる通り頭以外の全てが周りに覆われており、外からは見ることができない状況となっている。安藤忠雄氏によると「精神性のある場所」としてつくられているようで、周りがラベンダーに包まれるような形状での設計となっている。公式サイトを見れば分かる通り、ラベンダーの季節になると一面紫色の光景が見れるそうだ。

なお、必須ではないがここに入るためには300円の協力金を支払うこととなっている。もの凄い額のお金がかかっていることも容易に想像つくし、とりあえず入れておこう。取材班もお布施お布施・・・

真駒内滝野霊園 頭大仏 入口

ずんずん中へ入っていこう。もともと参道内には「水庭」と呼ばれるだっ広い水の空間があったのだが、何があったのか現在は撤去され、大仏に向かってただひたすらまっすぐコンクリートだけで構成される無機質な空間を進むという形になっている。いかにも安藤忠雄設計らしい光景だ。そしてその奥には長さ40メートルものトンネルによる通路がありそこを抜けることでようやく大仏様に会えるようになっている。広い、広すぎるぞ。

真駒内滝野霊園 頭大仏

さて、参道内を歩くこと3分ほど。ようやく頭大仏の下に到着することができた。「御霊供養大仏」と名付けられたこちらの大仏は、高さ13.5メートル、重さ1,500トンというその大きさもさることながら、安藤忠雄氏を動員した空間もあいまって意味不明なクオリティに仕上がっている。天井から光に照らされていること、周りの建物を一切見れないこともあり、他とは隔絶された凄まじい空間が、そこには広がっていた。

なお、安藤忠雄氏がこの空間を作ったのは2016年のことだが、この大仏そのものは2006年に作られていたそうだ。先に大仏を作り、その後で建物を作るのは東大寺大仏殿と同じところか。それにしてもものすごく不思議な空間だな・・・。

真駒内滝野霊園 頭大仏

真駒内滝野霊園 頭大仏

そしてその大仏の前には、絵馬・おみくじ・そして御朱印を押す場所が用意されていた。とても仏様を祀る場所とは思えない雰囲気だが、実際取材班が訪問した際もタイ人と思われる人々が絵馬を書いていた。なんとも恐ろしい風景だな・・・

真駒内滝野霊園 頭大仏

真駒内滝野霊園 頭大仏

また、頭大仏の外周には様々な小型の仏像が大仏を囲むようにして設置されていた。しかしこちらに目を向ける人はいないようで、目立つ頭大仏とは裏腹に、寂しそうに大仏を見上げる姿だけが目立ってしまった。別に自分が悪いわけではないのになぜか少し申し訳なさを感じてしまう。

真駒内滝野霊園

先ほど通った道を折り返し、頭大仏の前に戻ると、そこには6体のシーサー達が大仏を見つめるように並んでいた。モアイにストーンヘンジ、大仏にシーサー・・・一体ここはなんなんだ。自由すぎるぞ、本当に自由すぎるぞ、ここは。

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