沖縄県

日本初のショッピングセンター「プラザハウスショッピングセンター」が完全にアメリカだった件

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何事にも日本初というものは必ずあるもので、「日本初の百貨店→三越」「日本初の回転寿司→元禄寿司」など、実に数多くの「日本初」が点在している。そりゃ世界でも有数の経済大国なんだし、当たり前といえば当たり前か。

プラザハウスショッピングセンター

では、「日本初のショッピングセンター」は一体どこになるのだろうか。この結論は定義によって違いはあるものの、歴史の長さにおいて沖縄県沖縄市にある「プラザハウスショッピングセンター」が日本初であるという結論がなされている。今回は、そんな日本初のショッピングセンター「プラザハウスショッピングセンター」について、その様子を見ていくこととする。

日本初のショッピングセンター「プラザハウスショッピングセンター」

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンターは、沖縄県沖縄市に位置するショッピングセンター。1954(昭和29)年、終戦後に沖縄を占領した米軍関係者のお買い物需要を満たすために開業した。当時は日本にショッピングモールという文化がなく、アメリカ本土と同じ環境でのお買い物を所望した米軍関係者の要望を満たすために開業したと言われている。

なお、運営・管理会社は「株式会社プラザハウス」によって行われている。あまり馴染みのない会社かもしれないが、沖縄にハンバーガーショップを多数展開する「A&W沖縄株式会社」を関連会社に抱えており、意外に観光客との接点も多い会社だったりする。

プラザハウスショッピングセンター

1955年ごろの様子。「当時の入店はアメリカ人に限られ、地元の人にとっては夢の象徴でした。」との説明書きがされている。

プラザハウスショッピングセンターは、歴史の上では名実ともに「日本初のショッピングセンター」ではある。とはいえ、「米軍関係者の需要を満たすため」というのが重要なポイントで、開業した当初、日本人の利用は一切不可いう厳格な規制がかけられていたという。

プラザハウスショッピングセンター

館内の第一種大規模小売店舗プレートには「平成6年」(注:1994年)と記載されている

この「日本人利用不可」という制限は実に長い間続き、その制限が解かれたのは1966年になってからのこと。ショッピングセンターとしての歴史は実に70年以上になるが、開業から10年以上にわたって日本人利用不可制限が続いていたことになる。

プラザハウスショッピングセンター

そんな日本人の入場に長らく制限のかけられていたこのプラザハウスショッピングセンターだが、現在の様子はいったいどうなっているのだろうか。ここからは、令和の世になったプラザハウスショッピングセンターの様子について見ていくこととする。

アメリカのショッピングセンターをそのまま持ってきたような内部

雰囲気の良すぎる空間

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンターの概要と意外な歴史について触れたところで、中の様子を詳しく見ていくこととしよう。建物は沖縄県沖縄市の国道330号沿いに所在。観光客が行きがちな「イオンモール沖縄ライカム」からも徒歩圏内で、バス移動でも那覇市内から10分に1本程度バスが出ている理想的な立地となっている。「PLAZA HOUSE SHOPPING CENTER」の文字がいかにもアメリカらしいですね。

プラザハウスショッピングセンター

建物は3つのエリアに分かれており、3階建ての建物のあるエリア、それに隣接する平屋建ての屋外型店舗のフロア、道路を挟んだ向かい側にあるエリアで構成されている。テナントは飲食がメインではあるものの、インテリアショップや雑貨店、学習塾など多岐にわたる。核店舗はセレクトショップの「Roger’s」(ロジャース)で、館内に複数店舗を構えている。ショッピングセンターを運営する株式会社プラザハウスの直営店となっていることもあり、かなりの力を入れているようだ。

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

館内の様子を見ていこう。既にいかにもアメリカンな雰囲気が広がっているが、それは間違っていない模様。日本のショッピングセンターとは似ても似つかない光景が広がっている。

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

中へと入っていこう。館内は全体的にシックな色でまとめられており、日本の商業施設にありがちな大きな看板や派手な色合いをしたショップなどは一切なく、どこも落ち着いた雰囲気が広がっている。アルファベットが目立つ表示もふんだんにほどこされており、異国情緒満点の空間が広がっていた。

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

アメリカをモチーフにした(というより完全にアメリカな)ショッピングセンターらしく、館内には自然あふれる広場やそれっぽいものも数多く設置されている。子供向けの車なんかは今も実際に稼働しているし、相当力をかけているのは間違いないだろう。

強い競合がいる中で頑張っています

プラザハウスショッピングセンター

沖縄市の「ライカム」というエリアに位置するこのプラザハウスショッピングセンター。しかし、先ほども書いた通り歩いて数分の場所に巨大ショッピングモール「イオンモール沖縄ライカム」が位置しており、かなり強い競合がいることは明らかな状況となっている。

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

映画館は2スクリーンのみで、規模は大きくない

プラザハウスショッピングセンター

ホテル!?いえいえ、ブティックです

しかしその中でもプラザハウスショッピングセンターはかなりの頑張りを見せており、食品売場やファーストフード、アイスクリーム店、さらには映画館やホテル(という名前のブティック)まで完備されておりその幅はとにかく広い。

全体的にプラザハウスショッピングセンターとイオンでは顧客層が異なっている傾向があり、だからこそこの状況が維持できるのだろう。歴史が長いとはいえ、ものすごい顧客基盤があるようだ。驚きでしかない。

かつての様子が分かる写真も多数展示

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

館内には過去の様子がわかる写真も多数展示され、その歴史を今に至るまで伝え続けている。白黒写真が大半を占めているあたり、時間の長さが容易に理解できる。

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

プラザハウスショッピングセンター

この写真は館内各所に設置されており、見ているだけで本当に面白かった。みなさんもプラザハウスショッピングセンター訪問の際はぜひご覧下さい!

老朽化は免れられないか・・・

プラザハウスショッピングセンター

サビの目立つ看板

プラザハウスショッピングセンター

ここまでプラザハウスショッピングセンターについて様々な点から触れてきた。非常に面白いショッピングモールであることは間違いないのだが、いかんせん老朽化が進んでいることも確かなようで、ところどころにその光景が広がっている。

プラザハウスショッピングセンター

日本初のショッピングセンター・プラザハウスショッピングセンター。今後もその歴史を伝える場所であってほしい。そう願うばかりだ。

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