近畿大阪府堺市

ポルタス堺 南海堺駅前の大規模再開発はどういう状況下にあるのか

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堺市の中心は南海高野線の堺東駅であることは以前の記事でも触れた通り。関西空港と大阪市内とを往復する人は「堺市って思ったよりのんびりした場所だな」と思いがちだが、それは堺市の中心を見ていないからにすぎない部分もあったりする。

ポルタス堺

さて、今回やってきたのは南海本線の堺駅。名称からしていかにもすごそうな雰囲気を醸し出しているが、南海本線の堺駅周辺は意外にも落ち着いた場所。駅前にちょっとしたショッピングセンターがあるほかはちょっとした地方の中心都市といった様相を呈している。

ポルタス堺

そんな堺駅の西口側、瀬戸内海の迫る駅前エリアには「ポルタス堺」なる再開発ビルが立地しており、商業エリアは少ないながらも、元リーガロイヤルホテルの建物と高層オフィスビルが立地していることもあり、それなりに人を集めているらしい。今回は、そんな堺駅前に位置する「ポルタス堺」について、その様子を見ていくこととしよう。

堺駅西口再開発「ポルタス堺」

ポルタス堺

ポルタス堺は、堺駅西口の目の前に位置する再開発ビル。オフィスビル・ホテル・商業施設の3核からなる複合ビルとして1993(平成5)年に開業した。

1980年頃のポルタス堺周辺図

1980年ごろのポルタス堺周辺図

有料特急列車が止まるにもかかわらず、駅前に大規模な倉庫や工場、狭小な住宅などが散在し、都心部としては健全な状態にあったとはいえなかった南海堺駅周辺。関西国際空港の開港を前に(1994年開業)、この状況を踏まえ、堺市は南海堺駅周辺を

都心地区にふさわしいシティホテルや業務ビルとともに駅前広場などの公共施設を整備し、活力とゆとりある都市空間の創出

を意図し、このポルタス堺は建設された。

ポルタス堺

1993年竣工という数字の通り、元々バブル期に計画・建設の行われたこのポルタス堺。その状況を象徴するかのように、施設内には巨大な大屋根に広大な吹き抜けを持つ広場、妙に高級感のある雰囲気など(リーガロイヤルホテルの影響か)、現在の様子を見るとやや違和感のあるエリアがちょこちょこと見受けられる。1994年に開港した関西国際空港の開港需要狙いで、大阪市と関西空港とに挟まれた自治体の多くが多数のハコモノ事業をこの時期に行ったことは有名な話だが、このポルタス堺も同じような状況となっているらしい。

ポルタス堺

なお意外に思われるかもしれないが、このポルタス堺には住宅が1つも建てられていない。その理由として、元々港湾エリアであり、地権者への補償として住宅を建設する必要がなかったことがあげられる。驚いたことに、再開発が行われる前、このポルタス堺のエリアに住んでいた人々はわずか7世帯19人。この人数であれば、代替地を用意して移ってもらう、という技を利かすことができたのだろう。結果、商業エリアはなんだかすごいことになっていましたが・・・(詳しくは後述)

大胆な吹き抜けが特長、商業店舗は少ない

オフィスとホテルが主役、商業は店舗少なく厳しいか

ポルタス堺

ポルタス堺の概要と歴史、及び建設の背景について触れてきたところで、その内部の様子を見ていくこととする。先述した通り、建物はオフィス「ポルタスセンタービル」(右側)とホテル「アゴーラ リージェンシー 大阪堺」(奥)、及び一部の商業エリアにより構成されている。

ポルタス堺

2023年訪問時のフロア構成は上のような状態。ホテル内のレストランやショップをカウントしていないという事情はあるものの、全体的に商業テナントは少なめ。あくまでオフィスとホテルが主役ということらしい。

ポルタス堺

中の様子を見ていく。広い吹き抜けが整備されていることもあり、非常に開放的な空間。しかし、商業系店舗がただでさえ少ないうえに、空きテナントが多く存在しているからか、全体的にかなり人通りが少ない印象。空間を贅沢に使っているだけに、余計にその様子が際立ってしまっている。

ポルタス堺

ポルタス堺

しかしこれまた豪勢な広場だこと。人も少なく、営業中の店舗にも人の姿はほとんどない。オフィスとホテルの収益で何とか営業を続けているというのが正直なところなのだろう。とはいえ、かつて存在したラウンドワンの本社もなんばに移転してしまったし、じり貧感がしてならない・・・。

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