大阪と神戸を結ぶ路線の一つ、阪急神戸線。そのブランド力の高さは絶大で、住みたい街ランキングで何度も1位に輝いている「西宮北口」を中心に、芦屋川・岡本・御影など、多くの高級住宅街を沿線に抱えていることで知られている。
画像はWikipediaより抜粋
さて、今回はそんな阪急神戸線沿線にあたる駅の一つ、塚口駅にやってきた。阪急神戸線と伊丹線との接続駅であるこの塚口駅は、沿線の中でも上位、阪急全体でも乗降客数トップ10に入ることもあるほどの駅にあたるのだが、その割に最速達種別である特急が通過してしまうなど、なんだか不遇な印象が拭えない。
そんな状況下にある阪急塚口駅。その阪急塚口駅の北口の目の前には、これまた阪急神戸線沿線には珍しく大規模な商店街が形成されており、地域の住民の間の憩いの場が形成されている。今回は、この阪急塚口駅北口から続く商店街「塚口町商店街」について、その状況を見ていくとする。
阪急神戸線沿線の割に庶民派「塚口町商店街」
塚口町商店街は、阪急塚口駅北口に直結する形で位置する商店街だ。塚口駅の北側から西北・放射状に伸びる形で商店街が形成されており、周辺住民の生活の基盤として今も賑わいを見せている。
なお、「塚口 商店街」などと検索すると「塚口商店街」なるWEBサイトが出てくるが、これは塚口町商店街とは全く異なる存在なので要注意。こちらの商店街は駅の北口を出たのち、東側へと進んでいった場所に位置している。
さっそく商店街の中へと入っていこう。駅前というその状況にも関わらず、商店街の中は自転車でいっぱい。お蔭様で歩くのに少々苦労する。道幅が広いからまだ良いものの、狭かったらやってられないだろうな。
塚口町商店街の中を見ていく。全体的にチェーン店が多い構成となっており、多くのお客さんが来訪していることを感じさせるとともに少し残念な気分になる。同じ阪急神戸線でも芦屋川にある商店街なんかとはえらい違いだ。全体的におしゃれな印象のある阪急神戸線沿線だが、腐ってもここは尼崎のようである。
全体的に庶民的な印象の強いこの塚口町商店街だが、それでも塚口駅の駅前にはオシャレな店舗が数こそ限られているものの集中して並べられており、阪急の意地を感じずにはいられない。
先ほど「放射状」という表記をしたが、この商店街は途中で分岐をしており、メインロードから分岐する形でもう一つの商店街が形成されている。なお、こちらの商店街も名称は「塚口町商店街」。どうやら一体となった運営が行われているようだ。
ちなみにこちらの商店街も非常に良さげな雰囲気が広がっていました。塚口、良い場所ですね。
全体的にチェーン店ばかりが目立つこの塚口町商店街だが、その流れは駅前だけでなく、商店街の終点に近い場所にまで及んでいた。ここまでチェーン店ばかりが並ぶ商店街も珍しいな。
そんな塚口町商店街の一角には関西を代表する銀行「三井住友銀行」と「三井住友信託銀行」が道を挟ぶ形で店舗を構えていた。一見系列に見えるこちらの2社だが、実は全く別の会社。しかも実は相当仲の悪い状態になっているらしく、お互いの地盤である関西圏ではしばしば対立しているのだとか。なんだか嫌な側面を見てしまいました。
庶民派商店街にあの高級スーパーの本社が！！
チェーン店が並ぶ状況下にあるこの塚口町商店街だが、その中には関西圏では知名度のある高級スーパー「いかり」が店舗を構えている。
この塚口のお店は「いかり」の1号店にあたるそうで、なんでも1961年から営業を続ける、この系列でも屈指の長寿店に当たるそうだ。またこの塚口店はいかりスーパーの本社の役割も兼ねているそうで、現在も自社所有のビルを構えている。その名も「いかりビル」。ビルそのものは1987年に建てられているが、それでも30年以上も営業を続けているあたり、流石だ。
このいかり塚口店、本店ということもあり相当なこだわりがあるようで、外観一つとっても会社の象徴であるいかりマークが彩どられているなど、非常に力を入れていることがわかる。
外を見たところでいよいよ中を見る。中身は非常に美しく、まるで百貨店のような様相を呈している。確かに「高級スーパー」という位置づけにはなるものの、スーパーマーケットでこのレベルのお店が作られていること自体驚きだ。雰囲気的にほとんど写真を撮れなかったが、ぜひ訪問していただければ、と思う次第だ。
そんな塚口のいかりの中には帆船が至るところに整備されていた。随分スゴいこだわりだな。貧乏貧乏と言われて久しい日本だが、これからもいかりさんには頑張っていただきたい限りだ。バイトしていた友人いわく「クソみたいな職場」とおっしゃっていましたけどね（笑）
