近畿兵庫県芦屋市

日本一短いアーケード商店街? 芦屋市「打出商店街」に残る打出の小槌伝説とは【違った】

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兵庫県芦屋市東部に位置する打出地区は、あの一寸法師に出てくる「打出の小槌」ゆかりの地であり、日本を代表する作家である村上春樹が中学生時代を過ごしたことで知られるなど、様々なエピソードを持つ場所である。しかしその割には知名度が低く、実際我々も今回調査にあたって訪問したものの、観光客の姿は皆無。アピールがあまりうまくいっていないのかもしれない。実際商店街の公式WEBサイトも用意されてないしね。

阪神打出駅

さてさて、先ほども申し上げた通り、阪神電車は打出駅にやってきた。芦屋市内で「芦屋」の名前を名乗らない唯一の駅であるこの打出駅は、ラッシュ時には区間特急が停車するなどそこそこ便利な駅となるものの、昼間時間帯には普通しか止まらないこともあってか芦屋市内の中では比較的のんびりとした雰囲気の流れるエリアとなっている。

打出商店街

そんな打出駅の目の前には、「日本一短いアーケード商店街」とも称される商店街が整備されているらしい。今回は、芦屋市唯一のアーケード商店街でもあるこの「打出商店街」について、この地に伝わる打出の小槌伝説とともにお伝えする。

日本一短いアーケードらしいでっせ 打出商店街

打出商店街

打出商店街は、阪神電車本線打出駅から南側、国道43号線とぶつかる場所との間、約100mほどの距離の間にある商店街だ(別ブログでは「50メートル」なんて書いてますが、さすがにそれは言いすぎ)。一説では「日本で一番短いアーケード商店街」などと言われており、一時期話題となった大阪・肥後橋商店街のアーケードが2016年に撤去されたことや、アーケードそのものの長さは京都府京丹後市の「御旅市場」の52.4メートルというものが最短であるがその先に続く商店街も含めると全長100メートルほどの長さになることを考えるとあながち間違いではないのかもしれない。実際ここの商店街は国道のせい(おかげ?)で商店街が切れてるしね。この辺に関しては日経スタイルさんが面白い記事を投稿しているので、良ければぜひこちらもどうぞ。

打出商店街

商店街の内部はこのような具合。店舗数は30ほどと少ないが、もともと100mほどの商店街だしここは仕方ないのだろう。人の数はお世辞にも多いとは言えないものの、シャッター商店街という言葉が市民権を得てしまった現状を考えるとかなり頑張っている方ではなかろうか。2018年には新たに魚屋さんがオープンしたというニュースも出るくらいだし、この辺に関しては地方の商店街とは比べ物にならないほど良いのかもしれない。

打出商店街

ちなみに商店街の北側入口には謎のキャラクターが。打出と言えば打ち出の小槌ということで、その売打ち出の小槌を使ったキャラクターが描かれている(左が「うちでちゃん」、右が「おいでくん」)ようだ。ただしこの商店街そのものは打出小槌町には属しておらず、商店街西側の店舗が「若宮町」、東側の店舗が「打出町」に属している。

打出商店街 レマン

打出商店街 南風

この打出商店街だが、どういうわけか飲食店の割合が非常に高いという特異な傾向を持っている。しかも通常の飲食店とは異なり、一味二味も違う個性的な店舗が多くならんでいるのだ。駅前にはファミリーレストランならぬファミリー喫茶「レマン」なるお店が軒を構えているし、その先、商店街の南側には沖縄風居酒屋が立地している。レマンさんは創業から40年以上の老舗で、令和になった今でも純喫茶風の雰囲気を持つレトロ感あふれるお店だし、沖縄風居酒屋ではなんとうな重が700円で食べられるとのこと。昔なら普通の価格だが、うなぎの価格が大幅に高騰した現在では驚きの安さである。どんなに頑張っても、商店街には勝てないのだ。

打出商店街南側 国道43号

商店街の南側に到着。無機質な高速道路と大規模な幹線道路が前を横切っており、なんだか商店街の印象とは明らかに異なる風景が広がっている。この国道もかつては片道5車線、上下合わせて10車線というものすごい規模だったそうだが、「環境対策」の名目のもと、今では片道3車線、上下合わせて6車線まで減らされているそうだ。そのせいで時間によっては酷い渋滞が起きているそうだが、止まっている車も排気ガスは出すわけだし、いったい何が「環境対策」なんでしょうか。よくわかりません。

「打出の小槌」の総本山 打出天神社

打出天神社

「打ち出の小槌」の名で知られる打出地区だが、その名前の通りこの打出地区には打ち出の小槌ゆかりの神社があり、「打出天神社」という名称がつけられている。菅原道真公を祀るこちらの神社は、菅原道真を祀っていることから学業成就のご利益を得られる。その他、打ち出の小槌の伝説にあやかって金運面でのご利益も得られるそうだ。とはいえ、やはりメインは学業面。そこはやはり菅原道真公を祀っているし、仕方ない。

打出天神社

規模の小さい神社ということもあってか、入口から通路を進むとすぐに本殿が現れてくる。その本殿の前には謎の輪が。こちらは「茅の輪」という名前のわっかで、指定された和歌を唱えながら3回輪をくぐることによりご利益が得られるそうだ。なんだか不思議な輪だが、いかんせん男1人で和歌を読み上げつつ輪っかをくぐるなんて傍から見たら不審者にしか見えないのでやめておきます。

打出天神社

そしてもちろん打ち出の小槌伝説にちなんだ石碑も置いてありました。こちらの石碑だが、打ち出の小槌の部分を触りながら願い事を唱えると叶うそうだ。実際どうかは知りませんが、とりあえずお金ほしーとでも思いながら触っておきましょう(笑)

それにしても、打ち出の小槌に関する掲示は多数あれど、村上春樹に関する掲示が一切ないのには驚いた。村上春樹も非常に有名な存在になりましたが、やはり昔から受け継がれてきた伝説には勝てませんよね。

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