さて、住宅街の端までやってきた。住宅街の端には「島屋南公園」なる公園が設置されており、地元の子供たちの憩いの場となっている。
そんな島屋南公園では、子どもたちが実に無邪気な時間を過ごしていた。取材班からすると実に特異な環境に感じるこの場所だが、子どもたちからすればこれが「当たり前」なのであり、むしろ田舎で昆虫採集をする子どもたちこそが「変な存在」なのだ。世界にはいろんな「当たり前」があるんだな、そう感じるひとときだ。
島屋南公園の中央、線路に隣接する側には、明らかに異様な雰囲気の漂う道が広がっている。この道こそが、ユニバーサルシティ駅から線路に沿って続いている「アリスの森のさくら道」なのである。非常にキレイに整備されており、緑ゆたかな街に恥じない美しい風景が広がっている。
この「アリスの森のさくら道」だが、地元住民だけが通るのは実にもったいないほどの美しい風景が広がっていた。緑は多いし、空気はおいしいし、本当にここは大阪なのかと疑ってしまうような光景が、そこには広がっていた。線路沿いということもあってか、電車が通るたびにゴトゴトという独特の音が鳴るが、地方でも同じようなものだし、これは仕方ないだろう。それにしては随分とゴトゴトゴトゴト鳴りますが。
それにしても、この道中のところどころに設けられている「ドア付きの謎の壁」は何をしたいのか本当によくわからなかった。別にドアがあろうがなかろうが何も変わらないし、ただの雰囲気出しにしか使っていないのだろうか。なんなんでしょうかね、これ。分かる方教えてください。
しかしそれにしても人が多いな、と思ったのだが、その理由は高層マンションの入口が全てこの道路側に向いているからのようだ。実に洋風な入口が目の前に待ち構えており、良さげな雰囲気を醸し出している。近くの市営住宅なんかとは大違いなんですが、このへんが公営と民営の大きな違いなんでしょうね。
ユニバーサルシティ駅の改札を抜け、駅の南側へとやってきた。駅の北側と違い、駅の南側は海も近く非常に開放的な雰囲気が漂っている。ヤシの木が多く並んでいることもあり、南国のようだ。フロリダのユニバーサル・パークを参考にしているのだろうか。
とはいえ、駅の南側は駅の北側に比べてあまり用地がないこともあってか、マンションはわずかに2棟のみ、駅に近い側が「ルナタワー ハリウッドプレイス」、遠い側が「キングマンション大阪ベイ」と、北側に比べて寂しい光景が広がっている。また、これらのマンションは北側と異なりリバー産業とは別の業者が開発しており、運営も別となっている。
なお、このすぐ近くにはJR貨物の安治川口駅が所在している。そしてその奥には弁天町のいわくつき物件・大阪ベイタワー(旧オーク200)が立地。JR貨物の安治川口駅が無くなればもっと大がかりな土地開発ができるのかなぁ、とも思ってしまうが、さすがにそれは実現しないか。土地不足に喘ぐUSJだが、この先どうやってパーク運営を行っていくのか。そしてこの住宅街は今後どうなっていくのか。その未来が・・・想像できない。
