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ウエステ垂水 震災復興再開発・・・? 謎に包まれた再開発ビルの素顔とは

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神戸市垂水区の中心・JR/山陽垂水駅。神戸市内でも有数の乗降があることで知られるこの垂水駅の周辺では、現在も大規模な再開発が行われており、2025年には「垂水中央東地区第一種市街地再開発事業」が完成予定。30階建てのタワーマンションや商業施設が建設される予定で、今後の変化にも注目が集まっている。

ウエステ垂水

そんなJR/山陽垂水駅周辺にある再開発ビルの中で先陣を切って建設されたのがこの「ウエステ垂水」なる施設。1984(昭和59)年施行開始・1996/1999(平成8/11)年開業というなかなかスパンの長いこの施設は、バブル崩壊や阪神・淡路大震災など、様々な影響を受けながらもその様子を現在に至るまで留め続けている。今回は、そんな垂水駅前で初の市街地再開発事業となった「ウエステ垂水」について、その様子を見ていくこととしよう。

垂水駅西地区再開発「ウエステ垂水」

ウエステ垂水

ウエステ垂水は、JR/山陽垂水駅の北口西側にある再開発ビル。垂水駅西地区第二種市街地再開発事業により、1996/1999年に開業した。写真だとやや分かりにくいが、館内が西館と東館に分かれており、上の写真のトラックを境に、西側(左)が1996(平成8)年11月、東側(右)が1999(平成11)年11月の開業となっている。

ウエステ垂水

ウエステ垂水

(上2枚は神戸市資料より抜粋)

現在でこそ再開発ビルの並ぶ垂水地区だが、元々このエリアには住宅や商店が密集して集まる市街地となっており、老朽化が進んでいたことや耐震性に問題があったことなどから、1984年に都市計画を決定したのち、1991年に事業計画を策定、工事を行って現在に至っている。なお工事中に阪神・淡路大震災が発生したが、垂水区内は神戸市の中では比較的被害が少なかったこともあり、翌1996年にはビルの西館が開業している。ちなみにちゃっかり「震災復興関連事業」の適用を受けているのですが、明らかに震災前に計画決めてますよね(笑)

ウエステ垂水

様々な紆余曲折を経つつ、現在に至るウエステ垂水。ここからは、そんなウエステ垂水の中の様子を見ていくこととする。

いかにもお役所的でバブリーな建物が面白い件

ウエステ垂水

ウエステ垂水の概要と歴史について書いてきたところで、ここからはその館内へと入っていこう。いかにもバブリーというか、公団的というか、そんな雰囲気がプンプンするのは気のせいだろうか。

ウエステ垂水

ウエステ垂水のフロアガイド(2022年3月訪問時に撮影)。公式サイトが無く、最新の情報を手に入れられないのが残念なところ。

なおテナント構成としては、核店舗に「イオン垂水店(開業当初はジャスコ)」が入居。それ以外の店舗はどれも小粒で、飲食店に「マクドナルド」、100円ショップの「セリア」が入っているほかは個人店が多く、全体的に典型的な再開発ビルという印象だ。

ウエステ垂水

さっそく中へと入っていこう。駅側に位置する正面入口を入るとさっそく巨大な吹き抜けがお出迎え。西館と東館を結ぶ通路的な位置づけもあるこの吹き抜けだが、その大きさ・高さにどことなくバブルの雰囲気を感じずにはいられない。

ウエステ垂水

このバブルの雰囲気は館内各所に残されており、館内に突然妙に凝ったリゾート風の内装に巨大な照明がある場所なんかも残っていた。実際問題、設計時期を考えるとこうなっちゃうよね。残念ながら全然人いなかったですが(苦笑)

ウエステ垂水

ウエステ垂水

核店舗のイオンを見ていこう。食品だけでなく家電製品や生活用品も整備され、フルラインのGMSとなっているが、それ以外の特徴は・・・というところ。多少ジャスコらしい香りがする部分もあるが、全体的に綺麗に維持されており、イオンそのものという点に関してはこれといった特徴は見当たらなかった。

ウエステ垂水

ウエステ垂水

しかし、これで終わらないのが再開発ビルの面白いところ。イオンの隣にいきなり八百屋が軒を連ねていたり、なぜかイオンの酒売り場(イオンリカー)だけがなぜか離れた場所に位置していたり、3Fに100円ショップがあるのに地下階にもう1つ100円ショップがあるなど、決して大規模とはいえない再開発ビルであるにも関わらず実に不思議な景色を見せてくれている。

ウエステ垂水

イオンを抜け、専門店のエリアへと歩みを進める。ウエステ垂水においては、イオンとそれ以外の店舗はほぼほぼ分離されており、西館にイオンが、東館に専門店が入る構図となっている。通常この手のビルでは核店舗ばかりにお客さんが集まり、他の店舗が厳しい経営状態になっていることが多いのだが、このウエステ垂水においてはそういったことは全く無く、専門店においても多くの人で賑わいを見せていた。

ウエステ垂水

ウエステ垂水

ウエステ垂水の専門店の特徴として、それぞれの通路に名称がつけられていることが挙げられる。それも「港町の遊歩道」「文化と生活の並木道」など、「道」と名前に入っているのが特徴。

ウエステ垂水

中には「市の遊歩道」などという妙に大層な名前のついた通路まであった。神戸市主導の再開発事業であるとはいえ、これはやりすぎでしょ・・・。

ウエステ垂水

最上階の3階から吹き抜けの様子を見つめる。いかにもバブルっぽい大理石の床、金色に輝く手すり、巨大すぎる吹き抜け、シャンデリアのように設置された照明・・・。普通のショッピングセンターにもこんなものがあるなんて、何だか悲しくなってしまう。

ウエステ垂水

ウエステ垂水

そんな吹き抜けの横には、神戸市と姉妹協定を結んでいる都市が一覧となって展示されていた。ほとんどの人が気づかないような場所にひっそりと並べられた姉妹都市のロゴたち。嫌なことが続く世の中だが、末永く海外と良好な関係を築いていきたいものですね。

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