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【若戸渡船】今や貴重な地元市民向けの渡し船を、実際に乗って体感する。 

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かつて日本中に存在していた「渡し船」。橋やトンネルが次々に開通し、今ではほとんどが姿を消し、今でも残っているのは観光目的のものを除くとわずかになっている(大阪なんかは一部残っているが)。今回は、このわずかに残った渡し船のうち、北九州市にある「若戸渡船」というものを紹介しようと思う。

若戸渡船とは

若戸渡船から見る若戸大橋

若戸渡船は、北九州市が運営する北九州市営渡船の一つである(これ以外に「小倉渡船」がある)。洞海湾によって隔てられた若松区と戸畑区を結ぶもので、通勤や通学など、若松地区と戸畑地区をむすぶ交通手段として使われている。現在、利用者は減少傾向にあるものの、現在でも多数の利用者がおり、「自転車を持ち込むことができる」というメリットがあることから、レンタサイクルを使う観光客や、ロードバイクを使うライダーも利用することができるのがメリットである(若戸大橋は自転車では渡れない)。ちなみに、この船は「ボンボン船」とも呼ばれているそうだ(聞いたことはないが)。なお、その名前の由来は分かっていない・・・。

実際に乗ってきた(若松⇒戸畑)

今回は、この「若戸渡船」に実際に乗ってきたので、レポートしていこうと思う。

若戸渡船 若松側乗り場

今回は、若松側から乗船した。それにしても、駅から遠かった。Yahoo!交通案内で検索するとわかるが、若松渡船場は若松駅から徒歩19分。バスに乗れば5分ほどで行けるので、少々割高にはなるがバスに乗って向かうことをお勧めする(もっとも、)。それにしても、このプレハブのようなあからさまにしょぼい建物が、いかにも公営なのをうかがわせる。

若戸大橋

現在では、若松地区と戸畑地区とを結ぶ主役は「若戸大橋」なる、立派な橋に取って代わられてしまった。1962年にこの橋が開通する前は、若松区と戸畑区を直接結ぶ手段はこの若戸渡船が唯一だったようで、当時は現在の旅客船の他に貨物船も運行されていたようだが、この若戸大橋の開通により、貨物船は廃止されてしまった。なお、このとき旅客船も同時に廃止される予定だったのだが、市民の強い要望もあって今でも存続しているらしい。ただ、若松区がどんどん衰退していく今では、これからどうなるかも正直不透明だと言わざるを得ない。「若戸渡船」と検索すると「若戸渡船 なくなる」なんて物騒な検索候補が出てくるが、それほど厳しい状況にあるのだろう。

若戸渡船 きっぷ

戸畑へと移動するためのきっぷを購入。若松から戸畑まではなんと100円。ワンコインである。非常に安い。安すぎる。しかもこれでも十分安いのだが、なんと通学定期券や回数券もあるようだ。ちなみに公式サイトには、「650回分の値段で1000回分利用できる回数券」なるものもあるらしい。金券ショップが喜びそうだな。

注)金券ショップは若松・戸畑周辺にはないので悪しからず。

若戸渡船

さて、きっぷを買ったらいよいよ乗船である。昼間でも15分に1本という運行間隔が確保されており、利便性は非常に良い。鹿児島本線より本数多いのだが・・・(笑)

いよいよ出発。若戸渡船にはテラス席もあり、眺めがとても良い。晴れた天気の良い日はぜひテラス席を利用してみてほしい。

ちなみに、この便の利用者は大人が5名、自転車が2台。まぁ、こんなものだろう。以前、大阪の天保山(海遊館のあるところ)から桜島(USJのすぐ近く)とを結ぶ大阪市営渡船に乗ったときは、無料であったにも関わらず乗客は3人だけ、しかも30分間隔でしか運航されていなかった。それを考えると、むしろ良いと言えるのかもしれない。

若松港出港後、わずか3分。あっという間に戸畑に到着。ここから戸畑駅までは徒歩10分ほど。一本道でとても分かりやすく、かつ歩道も広く人がいないためとても歩きやすい。

戸畑駅南口

戸畑駅に到着。戸畑港から戸畑駅に向かうと、戸畑駅の北側に出る。しかし、北側には改札がないため、南口まで回る必要がある。これが地味に面倒なので要注意。

それにしても、近代的な街並みである。先ほどまで見てきた、「衰退した若松区」とは打って変わって驚くほどキレイである。しかもイオンまであるし。湾を隔ててここまで変わるのか、という虚無感を覚えてしまった・・・。

まとめ 短い時間ですが乗ってみるべき

若戸渡船

いかがだっただろうか。今回は、北九州市が運営する渡船、「若戸渡船」についてご紹介した。日本に残る数少ない渡船の一つとして、末永く残ってくれれば、と思う。みなさんも、北九州市を訪問した際は、ぜひ一度「若戸渡船」に乗船し、地元の人の暮らしを体験してみてほしい。

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