北海道

【廃墟?】元マイカル小樽・「ウイングベイ小樽」の苦しすぎる現状を観察する【ではないが・・・】

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日本最大級の小売業者として一世を風靡したマイカル。その跡は全国各地に残されており、当方でもこれまで何軒か元マイカルの店舗を再開発と絡める形で取材してきた(マイカルの記事一覧はこちらからどうぞ)。

小樽築港駅

さて、今回も例によって元マイカルとして今も営業する店舗を訪問するため、北海道は小樽築港駅までやってきた。広い広いと言われる北海道だが、小樽築港は札幌から快速で30分ほどで行くことができ、比較的近い場所に位置している。まあそれでも「遠い」となるのが北海道クオリティではあるんですが。

マイカル小樽

そんな小樽築港駅の目の前には、元々マイカルとして開業したものの、その後のマイカルの経営破綻、差押えなどによる様々な課題を抱えながら営業を続ける商業施設が営業を続けている。今回は、元マイカル小樽・「ウイングベイ小樽」について、その歴史と現状を探ることとする。

経営破綻に差押え・・・波乱を極めるウイングベイ小樽

マイカル小樽

ウイングベイ小樽は、北海道小樽市にある商業施設だ。小樽市の再開発「小樽築港駅周辺地区土地区画整理事業」によって1999(平成11)年に開業した。運営は開業時から一貫して「小樽ベイシティ開発」という第三セクターによって担われており、マイカルは開発こそするものの、実際の施設にはテナントとして入居していたといったほうが近いのかもしれない。

マイカル小樽

1999(平成11)年に「マイカル小樽」として開業したこの施設。しかしこちらも例によって2001(平成13)年に発生したマイカル経営破綻の影響を受けており、その影響を受けて運営母体である「小樽ベイシティ開発」も民事再生法を申請。2003(平成15)年に施設名を今と同じ「ウイングベイ小樽」に変更して再スタートした。

マイカル小樽

マイカル小樽

だが、経営破綻に関連して固定資産税の滞納が続いていたことから、2003年9月には小樽市が早くもウイングベイ小樽の土地を差し押さえ。その後一旦は解除されたものの、2017(平成29)年に再び土地を差し押さえ。現在は事実上破綻した状態での営業を続けている状態だ。館内に隣接されたホテルも当初から入居する「ヒルトン」が撤退し、現在は「グランドパーク小樽」という別のホテルが入居してしまっている。

マイカル小樽

ウイングベイ小樽を運営する小樽ベイシティ開発も、現状には危機感を持っているようで、2019年に「体感型施設を強化」するとしたほか、2020年には「ウエルネスタウン構想」を発表。介護サービス施設やリハビリ施設を入居させ、高齢者が集まる福祉拠点へと転換させる予定だ。少子高齢化が叫ばれる今、どのようにしてお客さんを集め、テナントを埋めていくのか。今後の方策が期待される。この後は、ウエルネスタウン構想を進めるこのウイングベイ小樽がどのような現状となっているのか、その様子をお届けする。

ウイングベイ小樽、その苦しすぎる現状とは

マイカル小樽

先ほどの項目で、ウイングベイ小樽の概要・歴史・今後の方針について触れた。ここからは、そんなウイングベイ小樽の様子を見ていくとしよう。施設はJR小樽築港駅の目の前に立地。駐車場も5,000台という非常に大きな規模のハコを備えており、公式サイトの言う通り「快適なアクセス」が実現されている。

マイカル小樽

マイカル小樽

さっそく小樽築港駅からウイングベイ小樽へと向けて歩みを進めていこう。入口には「小樽アウトレットモールWALL」の文字。1999年、前身となるマイカル小樽が開業した際に同時に設けられたこのアウトレットも、現在ではもはやアウトレットの様相は残っていないのが現状。もはや「失われた遺産」のような状態を呈してしまっている。

マイカル小樽

そしてその隣には「シーヴ」という文字が書かれた看板が。なんだかどっかの欧米の街のような景色が出来上がってしまっている。おかげさまで1999年の都市景観賞を受賞してしまったようだが、それが2回も倒産するだなんて、とても信じられない。

ウイングベイ小樽フロアガイド

2020年12月現在のフロアガイドはこんな感じ(最新のフロアガイドは公式サイトをどうぞ)。核テナントとして、ホームセンターの「スーパービバホーム」、映画館の「イオンシネマ」、家具の「ニトリ」、そして「イオン」が入居。日常使いから行楽に至るまで、実に困らない構成が出来ている。とはいえ延床面積が広すぎて全く追いついていないんですけどね(笑)

なお、2000年当時と2003年当時のフロアマップがTwitter上に上がっていましたので、参考にどうぞ。

ホームセンターと映画館「1番街」

マイカル小樽

1番街から中へと入っていこう。1階関してはホームセンター向けに最適化された雰囲気が広がってしまっている。開業当初は「ビブレ」が入っていたようだが、現在ではその面影も全くといって良いほどない。

マイカル小樽

続いて2階へ。入口でも見た「シーヴ」の文字が広がっている。「ファッション・雑貨・食・生活」をモチーフにして開業したこのエリアには多くのお店が出店しており、落ち着いた(言い換えると広すぎてあまり人がいない)景色が広がっている。

マイカル小樽

このシーヴなる施設、テナントこそそれなりに入っているもののいかんせん面積が広すぎて人の姿を見られない。供給過剰というやつですね(´・ω・`)

マイカル小樽

マイカル小樽

なおあまりに面積が広すぎるせいで「広すぎて全くごちゃごちゃしていないヴィレッジヴァンガード」なる、ある意味見どころともいえる風景を見ることができる。買い物しやすいのはメリットなのだが、いったいこれで良いんだか悪いんだか。

マイカル小樽

4階建てとなってるこの1番街、実際に営業しているのは1~3Fのみで、4Fに関しては「The Campus」なる文字こそ書いてあるものの営業を休止している状態となっている。かなり長い間営業を休止している状態となっているのだが、次に営業を再開するのはいつになるのやら。

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