北海道

観光には向かない?本州最東端「納沙布岬」に見る日本の存在価値とは。

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広い北海道の中でも根室市はその最東端に位置しており、隣の市、釧路市までは車で約2時間弱、最寄りの空港である根室中標津空港までは「根室」とついているにも関わらず約1時間20分と、「北海道はでっかいどう」という言葉を耳にたこができるほど聞いた取材班でさえ、その広さには驚かされるばかりだ。東京に行くよりロシアに行った方が近いのでは?と考えたくなるような場所だが、それでも約2万5千人の人口が住んでいるのだからスゴいよね・・・。

厚岸付近

釧路と根室の間、厚岸付近の風景

国内にあるにも関わらず、東京からも札幌からも遠い、「近くて遠い存在」にあたる根室市だが、そんな根室市に本州最東端と呼ばれる場所があることは案外知られていない。たとえ知っていたとしても、実際に行ったことは無いという人も数多くいるのではないのだろうか。今回は、そんな本州最東端にあたる場所、「納沙布岬」についてご紹介する。

北方領土主張がスゴい「望郷の岬公園」

納沙布岬へと向かう道路

根室市内から納沙布岬へは25km程度あり、歩いて行くのは不可能だ。納沙布岬へ向かう手段としては自家用車やバスを使うことが挙げられるが、バスは時刻表を見れば分かる通り、1日5本しか設定がなく、またその時間設定もビミョー(実際、バスに乗っている乗客はいなかった)であるため、車を使うのが無難だろう。関西在住の当取材班はレンタカーで行きました。じゃらんレンタカー、個人的にオススメです。

ちなみに、「夏だったら自転車を使うのもアリ。」と別サイトには書かれていましたが、夏であっても25kmチャリンコ乗るのは正直無理っす(笑)

画像はWikipediaより抜粋

そんな通りを車で走ること約30分。納沙布岬のすぐ近くにある「望郷の岬公園」にたどり着いた。この周辺には様々な記念碑や博物館が所在している他、レストランや(基本営業していないが)展望台等も完備されており、観光客にとってうれしい設備が一通りそろっている。このあたりまで来ると、北海道の冬の風物詩ともいえる存在、「流氷」が流れてくるそうだが、流氷が見れるのは残念ながら冬場だけだそうだ。冬場に行けばさぞ美しいのだろうが、冬の北海道を運転するのはなかなか危険な部分もあるし、難しいところだな・・・。なお、納沙布岬の流氷に関してはコチラもどうぞ。

納沙布岬?

望郷の岬公園には、いかにも観光地とでも言いたげな「納沙布岬」の碑、そして「北方領土は日本固有の領土です。」という掲示がなされている。実際ここから歯舞群島が見えることもあり、北方領土と北海道がいかに近い場所にあるのかをまざまざと実感させられる。

「島を返せ」の石碑

そんな掲示の隣には「島を返せ」と書かれた大きな石碑が。北方領土問題は確かに重要な問題ではあるが、こんな状況じゃなかなか話も進展しないよなぁ・・・。

それ以外にも、この公園の海沿いには北方領土に関する様々な資料や碑が、まるでロシアに見せつけるかのごとく設置されている。この公園自体「四島のかけ橋」なんて別名がついているみたいだし、もともとそういうところなんだろうな。

四島のかけ橋

そういえば、先ほど出した写真も北方領土に関連するモニュメントだったそうで、「四島のかけ橋」と呼ぶらしい。根室振興局の公式ホームページには、以下のような説明がなされている。

北方領土の返還を実現することは日本国民の心からの願いであるので、返還実現への固い決意を象徴するために建立されたのがこのモニュメントなのである。像の下には「祈りの火」があり、この公園の北方館の開館時間に合わせて燃え続けている。

なるほど。なんだか左側の人が見たら激怒しそうな書き方だが、確かに言っていることに間違いはない。北方領土に関するニュースを聞かなくなって久しいが、ぜひとも北方領土返還実現に向けて、国民全員で協力していかなければならないと感じた次第である。

北方館入口

さて、この望郷の岬公園にはもう1件、なかなか面白い博物館が存在するのだが・・・ これに関してはまた別の記事で投稿するとしよう。

本当の本州最東端「納沙布岬灯台」は少し離れています

納沙布岬灯台

さて、先ほど望郷の岬公園に関することを書いたが、実はこの公園は納沙布岬から数百メートルほど離れたところにあり、わざわざ「納沙布岬」なんて書かれた碑まで作っているにも関わらず、本州最東端にはあたらない。本当の本州最東端は、望郷の岬公園から少し離れたところにある「納沙布岬灯台」にあたる。こちらは海上保安庁が管理する、れっきした灯台である。これに関しては、Googleマップを見ても明白だ。

納沙布岬周辺地図

納沙布岬 掲示

そんな納沙布岬のとなりには、この岬、そして灯台に関する掲示がなされていた。一応この看板があるということは、海上保安庁の中では観光地化されているということなのだろう。

納沙布岬灯台 看板

看板のとなりには「北海道最初の納沙布岬灯台」なる意味深な碑が。なんだかこれを見ると納沙布岬灯台が何個もあるのかと勘違いしてしまいそうになるが、これは「北海道で初の洋式灯台」ということを意味しており、決して納沙布岬灯台が2つ以上存在するという意味ではないそうだ。紛らわしい(笑)

納沙布岬野鳥観察室

なお、この納沙布岬灯台だが、残念ながら灯台の中には入ることができなかった。その代わりなのか何なのか分からないが、灯台のすぐとなりに野鳥観察室が設けられていた。屋内とはいえ、簡易的に建てられたものということもあってか寒かった・・・。

納沙布岬

それにしても、いったいいつになったら北方領土問題は解決するんですかねえ・・・。ことあるごとに「対応が遅い」と批判される日本政府ですが、日本政府を見捨てている(自称)私もこのときばかりはその言葉の意味を考えざるを得ませんでした。

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