関東千葉県千葉市

再開発エリアまるごと中国資本!?「千葉ポートスクエア」の驚きの現状を探る。【正直酷い】

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千葉県の県都である千葉市は、東京駅から総武線快速電車で40分という微妙に時間がかかる場所に所在しており、首都圏基準で見ると決して「クソ遠い」ということは無いものの、横浜や大宮といった他県の中心都市には東京駅から30分以内で行けることを考えると、やはり遠いと感じざるを得ない。実際、千葉市の中心地はJR・京成千葉駅の周辺地区と幕張新都心の地区に二分されているところもあってか、神奈川や埼玉あたりと比べたときの千葉市の存在感のなさは少々際立つ部分もあるのが現状だ。

千葉中央駅

画像は京成電鉄公式サイトより抜粋

さて、今回やってきたのはそんな数ある千葉市のターミナルの一つ、京成電鉄の千葉中央駅である。JR千葉駅と接続する京成千葉駅から1駅、歩いて10分ほどの場所に位置するこちらの駅は、今も昔も変わらぬ京成千葉線のターミナル駅として栄え続けているものの、JR千葉駅側に巨大な駅ナカ商業施設「ペリエ千葉」が誕生したことやJR千葉駅からやや離れたところに店を構えていた三越千葉店が閉店し、JRの周辺に商業施設が密集し始めてきていることもあってか、JR千葉駅や京成千葉駅に押され気味になっているのが否めない。

千葉ポートスクエア

そんな京成千葉中央駅前からは、実にだだっ広い歩行者用通路が海側へと向かって伸びており、ここから10分ほど離れた場所にある「千葉ポートスクエア」なる場所に繋がっているという。そしてその千葉ポートスクエアなる場所、実はかなりのいわくつき物件なのだそうだ。ということで今回は、千葉市が誇る(と言っては失礼だが)いわくつき物件、「千葉ポートスクエア」について、その現状を探っていくこととする。

再開発で誕生した巨大施設「千葉ポートスクエア」

千葉ポートスクエア

千葉ポートスクエアは、1993年に開業した再開発地区の名称である。超高層ビルの「千葉ポートサイドタワー」、ホテル棟を構成する「The QUBE Hotel Chiba(ザキューブホテル千葉)」、商業施設の「千葉ポートタウン」、エンターテイメント施設や劇場を構成する「千葉ポートサークル」・「千葉ポートシアター」および多目的アリーナ「千葉ポートアリーナ」によって構成されており、いわゆるワンセット型の施設である。かつてはここに千葉市中央卸売市場が存在しており、その名残からか現在も地名に「問屋町」が残っている。どこが問屋なんだ、と思ってしまうかもしれないが、その裏にはこんな経緯があったのだ。

千葉ポートスクエア

しかしこの物件、冒頭で「かなりのいわくつき物件」と書いたように、様々な問題を抱えながら今の今まで運営されてきた施設となっている。具体的な例としては、ホテル事業者による撤退、商業フロアが7フロア中5フロア空き店舗になる、挙句の果てには運営事業者の特別清算に至るまで、なんだかいろいろと「マズい」状況になってしまっているのだ。

なぜこんなことになってしまったのか。その理由として、千葉ポートスクエアの立地が再開発ビルを建てるには辺鄙な場所であったからということが挙げられる。一見様々な路線の間に位置しており、便利なように見える千葉ポートスクエアへのアクセスだが、Wikipediaの該当項目を見てもらえれば分かる通り、そのアクセスは最も近い「千葉都市モノレール 市役所前駅」からでも徒歩8分、今回我々が利用した千葉中央駅からは徒歩12分、市役所前駅のとなりの駅でJR京葉線と接続する千葉みなと駅からは徒歩16分、市役所前駅のもう片方の隣駅で千葉市の中心駅でもあるJR千葉駅からは徒歩17分・・・

これらを見れば分かる通り、この立地、あまりに中途半端すぎるのだ。

千葉ポートスクエア

こんな状況でまともに運営できるはずがなく、最終的に運営会社であった千葉新都心開発は特別清算を開始し実質破綻、運営元が次々に変化、そして最終的にタイトルにある通り中華資本のものとなってしまった、という訳だ。

なお、現在はラオックスと中国の不動産会社である緑地集団との合弁会社による運営が行われており、この文字は千葉ポートスクエア内でも見ることができる。「緑地集団」ではなく「绿地集团」と簡体字で書かれているあたり、ここが日本のものではないということを強調したいんですかね。よくわかりません。

スカスカショッピングモール「千葉ポートタウン」

千葉ポートタウン

街がまるごと中華資本の元になるというとんでもない状況下に陥っている状況下にあるこの「千葉ポートスクエア」だが、そんな千葉ポートスクエアの核となっているのがこちら、「千葉ポートタウン」である。先ほども書いたように、千葉ポートアリーナの中で商業施設としての役目を担っているところだ。それにしても、ずいぶん美しいガラス状の建物を作っている割にドギツい宣伝看板が異彩を放っている。やっぱりここは商魂たくましい中華資本である。千葉県にある建物だが、なんだか関西人みたいな考えをしてるな・・・。

千葉ポートタウン

さっそく中へと入っていく。ガラスをふんだんに使用した非常に美しいドーム状のアトリエが広がっており、見るからにバブリーな様相を示し出している。この千葉ポートスクエアは1993年に開業したいわゆるバブル崩壊後の建物にあたるのだが、設計時はバブル真っ最中だったのだろう、ショッピングセンターとは思えない異様に豪勢な建物が広がっている。

千葉ポートタウン フロアガイド

千葉ポートタウン フロアガイド

千葉ポートタウン フロアガイド

千葉ポートタウン フロアガイド

中のフロアは2021年現在こんな状態。千葉ポートタウンでは1階から7階までの7つのフロアが商業施設床として営業を行っているが、実際に中で営業を行っているのはほんの少しだけ。しかももともと広い面積を必要とするジムが2フロアをまるまる占領しており、それ以外の店舗でなんとか2フロアを埋めている状況と、お世辞にも賑わっているとは言えないのが現状だ。

※5Fのレストラン、1Fのスーパーは閉店しました。現在は「ドン・キホーテ千葉ポートタウン店」が進出しています。

千葉ポートタウン

千葉ポートタウン

そしてそれは実際にそうなっているようで、実際に営業しているのは1,3,5階のみ、しかもちゃんとお客さんがいるのはスーパーや100円ショップが入っている1階だけで、3階は「くもん」がちょこっと端のほうにいるだけで、しかも実際に稼働しているのは週2回だけ、5階はワンフロアまるまる「THE NEW YORK BAYSIDE KITCHEN」なるバイキングレストランとして営業を続けており、こちらも600坪の広大な中に500席を用意する大判振る舞いをしているが、このコロナ禍の影響で死屍累々といった具合である。そんなこんなだからお客さんも寄ってこないし、3階に至っては休憩コーナーのほうが賑わっている始末。「枯れ木も山のにぎわい」なんて言いますけど、さすがにちょっとね・・・。

千葉ポートタウン

そんなこんなだから、エスカレーターとともに作られてる吹き抜けも有効活用されておらず、シャッターは閉められ、周りが見えないようにされてしまっている。かつては「ラオックス」なんかが出店しており、インバウンド客で混雑していた時期もあったようだが、今ではそんなものはどこへやら・・・といった具合だ。

千葉ポートタウン

そしてそんな残念な現状を出してしまっている箇所には必ずと言って良いほど「リニューアル改装中」という表示がなされていた。そういえばかつてどっかの牛丼チェーンが従業員不足を「パワーアップ工事中」という名目で隠していたことがありましたが、ここも例外に漏れず同じような醜態をさらけ出しているようだ。もうこうなったら「テナントが入らないんです!!助けて!!」くらい言えば良いんじゃないかと思っちゃうんですけどね。

千葉ポートタウン

3階なんかもうこんな状態である。これだけ見ると「リニューアル改装中」がメインテナントに見えて仕方ないんですが、さすがにそんなことないですよね。。。

千葉ポートタウン

千葉ポートタウン

周りがそんな状況だから、本来最も人が入るはずのスーパーですら、ほとんど人が入っていない。首都圏、しかも千葉県の県庁所在地でこれですよ?なかなか良い感じの商品を取り扱っているにも関わらず、なぜかお客さんがいない。Googleマップのレビューを見てもそこそこ評価高いし、そこそこお安い価格で良い物を提供しているのにも関わらずこれって・・・ なんだかもっと深い問題があるのに違いないのだろう。

千葉ポートタウン

スーパーですらこんな状況なのだから、その隣にあるダイソーだってこんな具合である。同じダイソーでも東京や大阪の中心部にあるダイソーとは大違いだ。お客さんも少ないし、ものすごく買い物しやすいけれどもね。

千葉ポートタウン

ゲームコーナーも一応行ってはみたが、明らかに仮設感が満載のゲーセンとして営業を続けていた。確かにゲーム機がそれなりに置いてあり、店員さんも常駐してはいるものの、ただでさえ壁で区切られた狭い空間の中でさらに広い空き空間が広がっているような状態になっており、どう考えてもやる気が無いようにしか見えない。看板も入口から少し離れた部分にわざわざ設置しているくらいだし、いったい何なんでしょうね、もう。

千葉ポートタウン

・・・しかし実に殺風景だな。天井の高いドーム状のアトリエが使われ、さらに大理石で作られた美しい柱が何本も立てられており、まるでどこかの欧州の百貨店のような様相を呈している。しかし実際には人の姿は少なく、いたとしてもイスに座ってしゃべるばかりで、お買い物をする気はさらさらないようだ。おそらく近所に住む住民の方々なのだろう。贅沢な時間の使い方だが、それもいつまで続くか疑問で仕方がない。そういえば香川にも似たような施設がありましたが、それを上回る残念さかもしれない。

千葉ポートタウン

しかしどこまでいってもここは中華資本のものなんですよね。インバウンド客が蒸発した今、どこまで日本人向けにシフトしていけるのでしょうか。場所が良いとは言えないこの千葉ポートスクエアですが、ここからどう変わっていけるのか。期待しないで待っています。

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