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【日本最小?】阪神百貨店・御影店のあまりに狭すぎる店内とは…【ではなかった】

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近年、衰退を続けている百貨店業界。ここ数年の中でも、兵庫県内では2018年に「ヤマトヤシキ姫路店」が、2020年に「そごう西神店」が閉店しており、また小型店でも2013年に「大丸新長田店」が潰れるなど、日本第二の都市圏・関西でもその傾向に歯止めがかかっていないようだ。もっとも、首都圏でも2018年に千葉県のや千葉県の「西武船橋店」が、2019年に東京都の「伊勢丹調布店」が、さらに2021年に埼玉県の「そごう川口店」が閉店しているあたり、この傾向に関してはどこも大きく変わらないのが実情なのだが。

 

しかしそんな中でもまだまだ百貨店の存在というのは健在で、中国人による「爆買い」需要が蒸発した現在でも東京や大阪といった大都市には多数の百貨店が立ち並び、ちょっとした地方都市においては百貨店があることが一種の「ステータス」として認識されている部分すらある。たとえ売上が落ちても、百貨店そのものの地位が大きく揺らぐことは今のところ起きていないし、むしろ崇拝の対象にまでなってしまっている気がする。さすがにちょっとそれはやりすぎだと当取材班なんかは感じてしまうんですがねえ。

御影クラッセ

画像はWikipediaより抜粋

さて、今回やってきたのは阪神電車・御影駅前に位置する商業施設、「御影クラッセ」だ。2008年に再開発とともにオープンしたこちらの施設は、東灘区でも随一の大型商業施設として今も多くのお客さんを集める場所となっており、またスターバックスコーヒー等の阪神沿線にしては珍しくオシャレなお店も多数入っているなど、庶民的な雰囲気を残すエリアの多い阪神電車沿いとしては一際目立つ施設だ。「行ったことはないけど、電車の中から見たことがある」という人も多いのではなかろうか。実際、御影駅は特急も止まる大きな駅だし、そこにこの大きな商業施設を作るというのは賢い選択肢なのだろう。

そんなこの御影クラッセには、日本最小とも言われる百貨店が所在しているという。今回は、この「日本最小」とも言われる百貨店、「阪神百貨店御影店」について、解説を加えていくとしよう。

狭すぎる百貨店、阪神・御影

御影クラッセ

さて、前置きが終わったところで、さっそく百貨店の中に入っていこう。阪神百貨店の入口はこの正面入口・・・

阪神百貨店御影店

ではなく、その横にあるサブの入口から入る。正面から見ると左側の入口にあたる。なお、阪神百貨店とスーパー「阪急オアシス」、そして専門店モールはそれぞれ中でつながっており、正面入口から入っても一応百貨店に回ることもできる。ただし少々複雑なので、左から入るのが無難だろう。

阪神百貨店御影店

中のフロアはこんな感じ。御影クラッセそのものは4階建ての大規模なモールとなっているが、阪神百貨店は1階の一部のみに入居しており、その他大半のエリアは専門店が占める構成となっている。かつては2階も百貨店として営業しており、食料品以外にも洋服や雑貨などを取り扱っていたようだが、現在では売上不振から撤退、食品のみを営業する形態へと変更している。上の写真を見ると一見そこそこ広そうに見えるこの阪神百貨店だが、

阪神百貨店御影店

御影クラッセ全体のフロアガイドを見るとこんな具合だ。この大きさのフロアが1階から4階まで4フロア並ぶ中で、阪神百貨店が占めるのは上の赤い丸で示されたエリアだけ。狭い。狭すぎるぞ!!衣料品やレストラン街、生活雑貨などを扱うお店は一切存在せず、食料品は存在すると言ってもベーカリーや和菓子店、洋菓子店などの加工食品を扱う店だけが並び、スーパーは別に存在している。なんだか百貨店と言って良いのかどうか疑いたくなってしまうほどの品揃えの悪さだ。こんなんイオンのスーパーにも似たようなもんありまっせ。

なお、この御影阪神の床面積は804㎡となっている。御影クラッセ全体の延べ床面積が41,000㎡なので、その5%といったところだろうか。ちなみに「日本最大規模の百貨店」と言われるあべのハルカス近鉄本店の床面積が100,000㎡なので、あべのハルカス近鉄本店には御影阪神が約125個入る計算となる。また、一般的なコンビニの床面積が200㎡ほどなので、御影阪神=コンビニ4軒分 という計算になる。そういえば以前の記事で三田阪急のことを「狭い」などと言っていましたが、あちらも2,000㎡はあるんですよね・・・。その半分以下って、もう笑っちゃうな。

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阪神百貨店御影店

そしてその店内の様子がこちら。ちなみにこれで百貨店のほぼ全てのエリアが写っている(笑)。休日の夕方という、本来非常に混雑する時間になるはずであるのにも関わらず、御影阪神にお客の姿はなく、大理石を利用したと思われるピカピカの床ばかりが目立つ残念な現状が見えてしまう。

阪神百貨店御影店

ちなみに反対から見るとこんな具合。梅田の阪神百貨店なんかだと行列のできる時間だが、この御影阪神ではお客さんは誰もおらず、そのせいなのかわからないが店員さんの姿すら見受けられない。寂しいとかって言うレベルじゃないんですがこれ。

ちなみにこの御影阪神、2020年の売上高は5億2400万円、1日あたり約143万円だそうです。そういえば緊急事態宣言が出たときに百貨店への支援金が一律20万円だったとかでひと騒ぎしましたが、これくらいの売上なら20万円でも足りそうですよね・・・ 20万円は売上じゃなくて利益だし・・・。

百貨店の雰囲気残るスーパー「阪急オアシス」

寂しさの拭えない阪神百貨店・御影店だが、そんな百貨店のとなりには「阪急オアシス」という、これまた阪急阪神HDが運営するスーパーが営業を行っており、こちらは生活必需品を多く扱っていることもあってか、多くの人々でにぎわっていた。

阪急オアシス 御影クラッセ

しかしこちらの阪急オアシスも、どういうわけか通常の「阪急オアシス」と雰囲気が違うのだ。おそらく百貨店時代の内装をそのまま流用したからなのだと思うが、ちょっとやりすぎ感が否めない。まあキレイだから全然問題ないんですけどね。むしろ快適に買い物できるし。

阪神百貨店御影店

ちなみに、その阪急オアシスのモール側からの入口はこんな感じだった。

いや、さすがに変えてよ。勘違いするわ。

ちなみに・・・日本最小の百貨店はここではないようです

阪神百貨店御影店

ちなみに題名倒しになって悪いのだが(こんな表現をするのか分からないが)、どうやらこの阪神百貨店御影店は日本最小の百貨店にはあたらないようだ。「最新版!2016年 全国百貨店 店舗別 売り場面積ランキング!」によると、阪神百貨店御影店は全国210店舗中、209位。名誉ある(?)最下位は神奈川県にある「さいか屋 川崎店」になるようだ。こちらのお店は2021年現在も営業を続けていることから、阪神百貨店御影店は最下位ではないということがわかる。

ちなみに、さいか屋川崎店の床面積は、なんと263㎡。御影阪神の約3分の1である。取材班はなかなか神奈川に行く機会もなく、訪れるのは当分先になりそうだが、興味を持った方はぜひ一度訪問して頂ければ、と思う。

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