12月31日、夜9時。私は最寄りの駅にいた。何をするわけでもない。ホームレスとともに、舞浜で都市を超す為に来たのである。私の最寄りのなんとかとかいう金がかかってしょうがない鉄道は終夜運転を行ってくれない。1日がかりの任務となった。
なお今回の持ち物だが、懐中電灯は必須である。というのも、ホームレスが生活しているようなところにはあかりの一つもともっていないからである（理由は後述）。普通に舞浜で都市を越す分にはこんなもの全く必要ないのだが、今回に限っては超重要アイテムとなった。
夜10時20分、西船橋駅到着。ここから舞浜駅へと向かう。電車内は空いていた。やはり大晦日のこの時間となると人の動きも鈍いものである。
夜10時45分、舞浜駅到着。それにしても電灯がまぶしい。ほかの駅はシーンと静まっていたにも関わらず、ここだけ別世界のようである。いや、ここは「夢と魔法の国」なのだ、事実別世界じゃないか、そんなことを思いつつ、ホームレスのいる方向へと進んでいく。
舞浜駅から葛西方面にひたすら歩き、東京なんとかリゾートの看板が置いてある交差点を右へ。一度道路と線路の下をくぐる。あまり知られていないが、東京なんとかリゾートの外側は実は通行できるようになっており、なんでもそこにホームレスがいるらしい。そしてその堤防の外側に出るためには、一度東京なんとかリゾートから出て、線路を越えた後土手に出るか、浦安運動公園から行くしかないようだ。やはりそのあたりの管理はしっかりしている。しかし、普通に歩いて1時間以上かかったので、どこかにもう1つくらい出口を作ってくれ、という気持ちもないわけではない。
注：東京ディズニーリゾートはその周り一帯が堤防で囲まれていますが、実はその堤防の外側に出ることが可能です。詳しくは下の記事にてどうぞ。なおホームレスは後の改修工事でいなくなってしまった模様です・・・。
堤防の外側を歩きに歩き、ようやく新年を迎えるのに最適な場所に着いた。もう既に夜の11時30分になってしまっている。舞浜駅から45分もかかるとは思わなかった。東京なんとかリゾート、なめていた。
なお上の図にて、私がたどったルートを掲載している。だいたい敷地を半周ほど回った感じになっている。それにしても遠かった。
私の前にはどっかのオフィシャルホテルのあかりと、いつまでたっても出航しない欠陥船のSSコロンビア号のあかり、そして私が持ってきた懐中電灯のあかりがあるのみである。それにしてもあたりが騒がしい。
夜11時5分、カウントダウンが始まった。中から某ネズミの甲高い声が聞こえる。そしてその外、堤防の中にも今か今かとニューイヤーを待っているカップルが数組。ちょっとかわいそう。そしてその外、ホームレスタウンには私、そしてホームレス。もはやこの類の人間は見向きもされないのである。地味な花は気づいてくれない(AKB的な言い方)
0時。ハッピーニューイヤーという某ネズミの掛け声と同時に花火がある。きれいである。が、それ以上に海風がめちゃめちゃ冷たい。こんなところにいたら風邪をひいてしまう。さっさと帰らねば。新年を迎えた後、私はすぐにその場を後にした。
しかし、舞浜駅が遠い。そりゃそうだろう。某リゾートは100haもの土地があるのだ。それを半周なんかしたら1時間かかってもおかしくない。いやー、遠かった。
やっとこさ舞浜駅に着く。ふむふむ、次の西船橋行きは1:55か。一体何時になったら成田駅で有人に合えるのだろうか（注：この日、私は友人と初詣に行く約束をしていた）。スマホを取り出し、乗換案内でルートを検索する。このとき、私は衝撃的な事実に気付いてしまった。東京回りのほうが早い。
ああ、神はなんて厳しいのだろうか。しかし、早く着くというのなら仕方がない。諦めて東京行きに乗り、東京駅で総武線へ。
しかし、総武線快速電車は運転していないようだった。そういえば乗換案内でも山手・総武各停回りを案内していたが、そういうことだったのか。それにしても、総武快速のディスプレイってあんなわけわからん表示つくんだな。初めて知った。
船橋駅へと移動し、京成に乗り換える。成田行きは通勤ラッシュのようなすさまじい混雑だった。暑苦しい。これまでの寒さがどこに行ったかのような感じである。
1月1日午前3時30分。成田駅に到着。自分にお疲れ様である。ちゃんと成田山新勝寺へ・・・参拝に行くような糞真面目な私ではない。某「職質される」ことで有名な神社へ初詣に行き、空港でラーメンをすすってから帰途についた。
完
