近畿大阪府大阪市

南港ポートタウンショッピングセンター 南港最大の商業施設、そのすっからかんな現状【大阪・住之江区】

※本ページにはプロモーションが含まれております。

大阪のベイエリアに忽然とそびえ立つ大規模な住宅群「南港ポートタウン」。大阪のウォーターフロント開発の典型的な失敗例として東京や神戸といった都市とよく比較されるこのポートタウンだが、近年では夢洲の万博やIRを筆頭に様々な面で開発が進んでおり、少しずつ低迷期を脱したように見える。ま、大阪と比較される神戸も大概酷いものだったりするんですが。

プロメナ神戸 地域特性を理解し損ねた超大型商業施設、その夢の跡。
兵庫県神戸市の再開発エリア、神戸ハーバーランド。株式会社神戸市の見本として作られ、一時は「大成功」と呼ばれたこのエリアだが、地域特性を理解できなかった結果撤退する施設が続出している。そしてこの「プロメナ神戸」も例に漏れないのであった・・・
神戸ハーバーセンター 30年で経営母体が4回変わった!?いわくつきの物件。
兵庫県神戸市にある「神戸ハーバーランド」は、神戸ポートタワーやメリケンパークといった神戸を代表する観光地のすぐとなりにあるエリアとなっており、多くの商業施設が入るumieやモザイク...

ポートタウン東駅

さて、今回はそんな南港ポートタウンエリアの中心「ポートタウン東」駅へとやってきた。途中で地下鉄からニュートラムへと乗り換え、新交通システムへと揺られること約10分。距離的にはそれほど遠くない場所にあたるのだが、梅田や難波といった中心街には必ず乗り換えが必要なこと、ニュートラムそのものがそれほど速度の出ない乗り物であることから、時間的・心理的に距離を感じてしまう、そんなエリアだ。近年では高齢化が進み自動車を利用する住民が増えてきたためか、車の走行を規制する独自のルールが変更となるなど、街づくりという面でも曲がり角に差し掛かっているようだ。

南港ポートタウンショッピングセンター

そんな南港ポートタウンの中心であるポートタウン東駅前には、ポートタウンの街びらき直後から歴史の続く商業施設が今も前時代的な光景を残しながら営業を続けているのだという。今回は、そんなポートタウン東駅前に位置する商業施設「南港ポートタウンショッピングセンター」及びそれに付随する飲食店街「カリヨンプラザ」について、その歴史と現況をお届けするとしよう。

南港最古参・最大の商業施設「南港ポートタウンショッピングセンター」

南港ポートタウンショッピングセンター

南港ポートタウンショッピングセンターは、大阪市住之江区に位置する大型商業施設だ。商業施設の少ない南港地区において中心的な役割を担う商業施設となっており、今も地元住民を中心に多くの人で賑わっている。開業は1979年(後述する「カリヨンプラザ」は1992年)と古く、ポートタウンの街びらき(1977年)の2年後には既に開業済み。それ以来、今に至るまで南港地区の発展を支えてきた。

南港ポートタウンショッピングセンター

中へと駒を進めていこう。中身は2階建て(ただし、運営会社のサイトによると実は5階建てらしい)となっており、1階・2階を問わず多くの店舗が軒を連ねている。洋服を取り扱うお店がやや少ないが、これは南港の高齢化を反映したものなのだろう。おかげさまでユニクロもGUもしまむらも入居していないが、仕方ないか。

南港ポートタウンショッピングセンター

中を広く回っていく。古さの隠せない内部だが、吹き抜けが多く使われており開放感がある。とても1979(昭和54)年開業とは思えない場所だ。しかしその一方でおじさんおばさんばかりがお客さんとなっているあたり、この一帯の高齢化には相当なものがあると思われる。

南港ポートタウンショッピングセンター

しかしとはいえ、全体的にはやや古さを感じるところもあり、なんだか時間を巻き戻したかのような印象を抱いてしまうところも中には見られる。梅田に「大阪駅前ビル」なる巨大なビル群があるが、あの商業施設群に近いだろうか。ところどころに強烈な雰囲気を発する場所があるため、浦島太郎のような感覚を抱いてしまうのだが、もちろんそんなことはない。

南港ポートタウンショッピングセンター

南港ポートタウンショッピングセンター

ショッピングセンターとして営業を続けるこの南港ポートタウンショッピングセンター。しかしその実状はというと寄せ集めテナントビルに近い様相で、ショッピングセンターにはどう考えても置いていない、お買い得情報を記した手書きの看板や正体不明の太陽が吹き抜けを埋めている始末。 それなりにちゃんとしてはいるのだが、妙に噛み合いが悪い、そんな場所となってしまっている。

南港ポートタウンショッピングセンター

南港ポートタウンショッピングセンター

なんだかパッとしない状況下にあるこの南港ポートタウンショッピングセンター。とはいえ、周りにろくな商業施設がないせいか、お店そのものがないということは決してなく、100円ショップやスーパー、書店等、生活に必要な一通りのお店はそろっている模様。とはいえ、先ほども申し上げた通り、洋服屋に関しては相当なものがあるようで、ユニクロもGUもしまむらも入居していないという現状がありますが・・・。

南港ポートタウンショッピングセンター

しかし何度も申し上げるが、ここは1979年開業のモール。「ようこそ!食品専門店街」の看板が妙な哀愁をそそる。

南港ポートタウンショッピングセンター

南港ポートタウンショッピングセンター

そしてその食品専門店街の現状だが、いかにもな八百屋や食品店が今も形そのまま入居していた。現在では割とよくあるこの形の建物だが、これが1970年代から、しかも再開発を行うことなく入居を続けているというのは驚きである。こんな場所が今に至るまで残るのも、この地域の高齢化が影響しているのだろう。これからも残したいこの風景を、大阪で見てしまった。

微妙すぎる飲食店街「カリヨンプラザ」

南港ポートタウンショッピングセンター カリヨンプラザ

南港ポートタウンショッピングセンターの本館を抜け、その隣にある「カリヨンプラザ」なるモールへと歩みを進めていこう。こちらのモールは1992年に後から新設されたもので、現在は飲食店が何店舗か入居している。

南港ポートタウンショッピングセンター カリヨンプラザ

しかしその中身はというと、マクドナルドにうどん屋、お好み焼き屋など、いかにも大阪らしい粉物感満載という光景が広がっている。周辺住民に配慮した結果なのだろうが、この一帯唯一の飲食街がこの状況下では住民の流動が少なくなってしまうのは明らかだ。ユニクロもないような場所だしね。

南港ポートタウンショッピングセンター カリヨンプラザ

明らかに苦しい状況下にあるこのカリヨンプラザだが、1992年開業というその時節もあってか、「カリヨン」の名にふさわしい鈴が何個も取り付けられ、何の意味もない展望台のような建物まで設置されているなど、もっぱら郊外のアウトレットモールのような状況を呈している。

南港ポートタウンショッピングセンター カリヨンプラザ

ちなみにカリヨンプラザの「カリヨン」の由来についてだが、1970年の大阪万博で使われた鈴を受け継いでいるからなのだそう。2025年に大阪でもう一度万博が行われるが、このカリヨンプラザはどう変わっていくのだろうか。まあ変わらないでしょうが、ちょっとだけ楽しみではある。そんな取材班でした。

そういえば大阪万博が1970年、このカリヨンプラザの開業が1992年ということはその間に22年のブランクがあるわけですが、何をしていたんでしょうか。気になって仕方がない。

タイトルとURLをコピーしました