新神戸オーパ(OPA)ガイド
続いて2点目、「新神戸オーパ(OPA)ガイド」だ。こちらは開業後の資料になるようで、実際に館内の写真が多数掲載されているほか、当時のフロアガイドや「OPAの知恵の七本の柱」なる施設の特徴も記載。当時ダイエーがどのようなことを考えてこの施設を作ったのかがよくわかるガイドブックとなっている。
OPAの知恵の7本柱は以下の通り。
・なぜスカイスクレーパー(超高層ビル)か
・なぜアトリウムとアベニューか
・なぜラビリンス手法(横丁・路地・隠れ家等により街のリアリティを出す手法)か
・なぜ演劇的ビジュアルコントロールか
・なぜテイスト別ゾーニング編成か
・なぜ特別業態、アップスケール(上流層向け)業態か
・なぜ24時間都市か(一部施設で24時間営業をしていたため)
この7つの柱がある故に、新神戸オーパは人を惹きつける、としている。現在のテナントビルにも通じる非常に面白い考え方ではあるのだが、さすがに令和の時代になると時流に合わないものもあり(24時間営業など)、なかなか難しいところですね。
パンフレットにおける当時の情報は上の通り。「人とものとコト、過去と未来、現在が入り組んだ街ー出会いの装置時空間」という副題がついており、施設の目指す姿が描かれている。こうなれば・・・良かったですね・・・。
パンフレット掲載当時のテナントは上の通り。B3~3Fの6つのフロアにわたり200近いテナントが入居しており、現在の惨憺たる様子とは全く違う、人で溢れかえる建物の姿が容易に想像できる。
当時のパンフレットに掲載されていた館内の様子はこんな感じ。水路やブリッジなどのインパクトの強い施設にも驚かされるが、何よりもたくさんのお客さんの姿がいることに悲しささえ感じてしまう。
「鉄の塔は眠ることを知りません」。そんな美しい姿が、新神戸駅前にもう一度よみがえることを切に願う取材班でした。