近畿京都府八幡市

京阪・石清水八幡宮駅前に広がる、ザ・昭和の街並みを見物する。【ギャンブルの街】

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京都という街は、長い歴史のせいなのか、それとも住んでいる人の問題なのか分からないが、「異質なものを排除する文化」という点においては他の追随を許さないと感じてしまうことがよくある。そしてそのせいなのか、それともそのおかげなのかよくわからないが、結果として「排除される側」の人々が京都市外でその鬱憤をむき出しにしているのをよく見かける。そしてそれを我々のようなヘンテコスポット紹介サイトがネタとして取り上げ、面白おかしく書いているわけですが。

京阪・石清水八幡宮駅

さて、今回ご紹介するのは、京都府の中でも大阪に隣接しているエリア、八幡市の中心駅「石清水八幡宮駅」である。かつては駅名を「八幡市」と名乗っており、その名の通り京都府八幡市の中心駅となっていたのだが、2020年、観光地である石清水八幡宮をアピールするため、駅名を変えられてしまったという経緯を持っている。そして、当取材班はこの石清水八幡宮駅周辺が市の代表駅とは思えないほど寂れているという情報を耳にし、ここに来た次第である。そんな石清水八幡宮駅周辺がどうなっているのか、写真とともに解説していこう。

石清水八幡宮駅前に広がる、昭和の街並み

石清水八幡宮駅前 観光案内所

石清水八幡宮駅を出ると、いきなり「国宝 石清水八幡宮」と書かれた大きな看板、今もやっているのかどうかすら分からないほど怪しく(一応「9:30から営業開始」とGoogleには記載があるが、9:30を過ぎてもやっていなかった)、古びた観光案内所。そしてレンタサイクル屋が目につく。真ん中にこんな大きな看板をつけるあたり、どうやら廃業したお店を行政が買い取ったのだろう。開始早々痛々しい光景である。

石清水八幡宮駅 ケーブル方面通路

そして駅を出て右側に手をやると、いくつかのお店とケーブルカーが目に入る。鉄道駅からケーブル駅へのアクセスはそこそこ便利で、駅の中で繋がっているとまではいかないものの、駅を出て右に行き、平面の道を歩けばすぐに着く。そんなこともあってか、石清水八幡宮そのものが山の上にあることもあってか、駅を出た観光客はこぞって右に進路を取る傾向にある。とはいえ、こんな観光地にも関わらず商店の1つもないというのがいかにもといった印象だ。八坂神社のすぐ目の前までドラッグストアが営業している(旧・ローソン)京都市内とは大違いである。

石清水八幡宮駅前

(写真撮り忘れのため、Googleマップで代用)

では、観光客の行かない駅の左側はどうなっているのかというと、これまたどっこい、いかにも昭和らしいのんびりした風景が広がっている。車両こそ現代的だが、駅前はもうずっと変わっていない、といった印象だ。京阪間は阪神間と異なり、一度街が切れる傾向にあるのだが、その街が切れる部分はこんな状況になっているらしい。例外は樟葉くらいか。緩衝国的な扱いなんだろうな、ここは。

石清水八幡宮駅前再開発ビル

そんな駅前にろくな建物があるはずもなく、数少ないビル(?)である「スーパーマーケット ツジトミ」の看板が目立つこの建物でさえ、スーパーは閉店、現在では3階にある「旅館 うれしの」が残るのみである。駅前にも関わらず、4階建ての建物のうち3フロアが空きとは・・・ 地方都市ではよく見られる光景だが、京阪間、しかも駅前にあるとは思えない光景だ。

唯一営業するこの旅館も、下から見る限りものすごいボロ具合になっていることが予想できてしまう。「旅館」ではなく「旅舘」なんて書かれてるし。いったい築何年なのだろうか、気になってならない。

石清水八幡宮 参詣道

そんな微妙すぎる駅前を抜けると、石道が現れる。ここはもともと、駅から石清水八幡宮へ向かう参道として整備された場所となっているようだ。ところが、現在ではケーブルカーが整備され、しかもケーブルカーそのものが京阪グループの傘下となっていることから、京阪電車も積極的にケーブルカーの乗り換えを打ち出している状況となっており、結果こちら側から参拝に向かう人はほとんど見られない。そしてその結果、街も衰退する・・・ いったい誰が悪いのか分からないが、八幡市の現状はこんなものらしい。

あしはら 本店

そんな参道中に残るお店、あしはら本店さんもこんな調子だ。個人経営店にありがちなラジオが流れていたりしている点で、ある意味で溶け込んだ風景ではあるのだが、観光客が消える状況下でいつまで持つのか、不安でならない。

石清水八幡宮 一の鳥居

何はともあれ、とりあえず参道の入口まで来てみた。ここは「一の鳥居」という名称になっているらしく、参道の入口であるという目印となっているようだ。ちなみに、ここから本宮までは山を登ること30分。そりゃ、みんなケーブルカー使うわな・・・

垢抜けない感の強い石清水八幡宮駅だが、そんなところにもにぎわっている場所があった。「ポートピア京都やわた行き バス待合所」である。

京阪線内では影の薄い樟葉~中書島間だが、実はギャンブル通の間では有名なエリアとなっており、ここに挙げた競艇の「ポートピア京都やわた」や、石清水八幡宮駅の隣、淀駅にはG1レースも多数開催される「京都競馬場」なんかもあったりして、いかにも「男の街」という印象が強い。確かに便利な場所ではあるのだが、その犠牲になっているのが少々かわいそうだ。

(ズームで撮影したため、画質が悪くなっています。申し訳ございません。)

ポートピア京都やわた行きの送迎バスがやってきた。このコロナ禍にも関わらず、バス内はなんと満員。しかしそれでも、彼らは「公営ギャンブル」という名の戦場へと繰り出していく。そこには、戦場の兵士として闘う、熱い魂であふれていた。

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