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神戸市須磨区「リファーレ横尾」の高齢化にちょっと心配になった話 

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神戸市のニュータウンで最初期に造成された街・妙法寺。周辺の他のニュータウンとは異なり、元々民間主導で始まったという経緯からか(注:須磨ニュータウンの始まりとされる「北須磨団地」は兵庫県労働者住宅生活協同組合によって開発が行われた)、はたまた須磨ニュータウンの中心である名谷と旧市街地の中心である板宿に挟まれたその土地柄からか、造成から50年ほどの時間が経つ現在においても随分とのどかな街並みが広がっている。

リファーレ横尾

そんな妙法寺エリアの中心となる地下鉄妙法寺駅の駅前には、そんなニュータウンの中心施設として開発されたものの、周辺の商業施設に押され少々中途半端な状態に陥っている商業施設が存在しているのだという。今回は、そんな地下鉄妙法寺駅前の商業施設「リファーレ横尾」について、その様子を見ていくとする。

リニューアルで名称変更「リファーレ横尾」

リファーレ横尾

リファーレ横尾は、神戸市須磨区に位置する商業施設だ。地下鉄妙法寺駅前に位置しており、駅からもすぐに出れるということもあって夕方ラッシュ時なんかは多くの人で賑わっている。なお運営は神戸市が大半を出資する第三セクター「こうべ未来都市機構(旧・OMこうべ)」によって行われている。神戸市営地下鉄の沿線にはこの手の施設が妙に多い。

リファーレ横尾

リファーレ横尾が開業したのは1981(昭和56)年のこと。開業当初は「横尾センター」という名称だったが、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災の後に名前を「リファーレ横尾」に改称。このリファーレという名前にはイタリア語で「再生する」「作り直す」「再び始める」といった意味があるそうだ。元来神戸市で「センター」という名前を使う場合、地域のちょっとした商店街的な意味を表すことが多いため、この改称はむしろ当然ともいえるだろう。

須磨パティオ

1981年開業と非常に長い歴史を持つように見えるこのリファーレ横尾だが、実は隣の名谷駅にある「須磨パティオ」のほうが古いというね・・・(1980年開業)。神戸市が名谷と西神中央の2エリアに力を入れていることは傍から見てもよく分かるのだが、実は市営地下鉄の開業当時から妙法寺と名谷には差をつけられていたのかもしれない。

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規模は大きくないけど頑張ってます!

リファーレ横尾

施設の概要について書いてきたところで、リファーレ横尾の中の様子について見ていこう。建物は掘割の下に位置しており、周辺も坂が連続していることもあってか、駅とこのリファーレ横尾だけが谷のような状態になっている。高齢化が進む中ではなかなかしんどそうだ。

リファーレ横尾

訪問時(2021年12月)のフロアガイドはこんな感じ(最新のフロアガイドはコチラからどうぞ)。コープさんことコープこうべが核テナントとなっており、それ以外に40ほどの店舗が軒を連ねている。須磨パティオや板宿の商店街と比べるとだいぶ規模が小さいが、周辺には激安スーパーのラムーもあるようだし(それでも結構距離はあるが)、それほど不便とも思わないか。

リファーレ横尾

リファーレ横尾

中を詳細に回っていく。核テナントのコープの他に、肉屋や八百屋といったテナントが軒を連ねており、日々の生活には困らないテナントが中心。もともと「横尾センター」という名前で開業したこともあり、地域の住民に根差した構成となっているようだ。

リファーレ横尾

リファーレ横尾

ちょっとした規模の家電量販店やクリーニング店、落ち着いた雰囲気の飲食店なんかもちゃんと完備。華美さこそ無いが、なんやかんやこういう場所は使いやすいので本当にありがたいだろう。若者にとっては不足感が出そうですが。このあたりは大学生が集まるであろう、学園都市の「キャンパススクエア」とは全く違っているので面白い。

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リファーレ横尾

リファーレ横尾

しかしお客さんの客層高いな。いかんせん施設もニュータウンそのものも開発から時間が経っているのはよく分かるのだが、近隣の施設にお客さんを取られているのもあるのだろう、若い客層をほとんど見ることがなく、比較的ご年配の方々ばかり見てしまった。まあコープそのものも高齢者向けといえば高齢者向けだし、仕方がないのかもしれない。実際商品を見ててもこんなんですからね・・・。

リファーレ横尾

なんだかパッとしない感触の拭えないこのリファーレ横尾。ただ地元住民からすれば、こういう場所のほうがむしろ買い回りしやすくて便利だったりするんですよね。近隣施設との競争が激しいこのエリアだが、その中でどう存在感を放っていくのか。今後の動きに注目だ。

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