天神橋筋商店街、駒川商店街と並んで「大阪三大商店街」の一つとして知られる「千林商店街」。大阪でも1,2を争うほどの活気を誇るこの千林商店街だが、この千林地区に所在する商店街は、何も千林商店街だけに留まらない。実は、千林地区には千林商店街以外にも多数の「枝分かれした」商店街が連なっており、それぞれが独自の商店街を形成している。今回は、そんな千林地区に所在する商店街を、1つ1つ解説していこうと思う。

千林地区の商店街は4つに分けられる
千林地区の商店街に関しては、Wikipedia「千林商店街」の項目に以下のような記述が見られる。
千林商店街を中心にしていくつかの商店街が連なっている。
・千林商店街→今市商店街
・千林商店街→千三商店街
・千林商店街→千林駅前あじな商店街
・千林商店街→千林大宮商店街
・千林商店街→森小路京かい道商店街→森小路商店街→新森商店街
・千林商店街→千林栄通商店街
自分でも書いててもすごい数だな、と感じてしまったのだが、上の文章を見てもらえれば分かる通り、千林地区には実に多数の商店街が展開されており、その数はなんと9種類にも及ぶ。そして、それを1つにまとめたのが下の地図になる(赤色が千林商店街)。
これを見れば分かる通り、千林地区の商店街は赤色の線で塗られた千林商店街を中心に、北・西・南の3つの方向に別れていることがわかる。そして、上に挙げたそれぞれの商店街を分岐する方角別に分けたのが以下の表だ。
・北:千林栄通商店街/千林駅前あじな商店街/千三商店街/今市商店街
・西:千林大宮商店街
・南:森小路京かい道商店街/森小路商店街/新森商店街
千林商店街の東側に商店街がないのが実に不思議だが、これを見ても分かる通り千林地区には実に多数の商店街が並んでおり、それぞれがそれぞれの性質に応じた発展を遂げている。今回は、そんな千林地区の商店街をひとつひとつご紹介することとする。
千林商店街
地図上では赤色
みなさんご存じ、千林地区の中心となる商店街。先ほども書いた通り「大阪三大商店街」の一角をなす商店街として知られており、地下鉄谷町線・千林大宮駅と京阪電車・千林駅とを結ぶ全長660mの区間の両端に約220店舗という数の店舗が毎日価格を競い合っている。また、かつて「ダイエー1号店」があった場所として知られており、それを示す記念碑等は特に見当たらないものの、現在もその跡地には「オーエスドラッグ」なるドラッグストアが営業を続けており、「主婦の店・ダイエー薬局」時代の名残を今も残している。
<千林商店街の詳しい記事はコチラ>

千林商店街から北に分岐する商店街
千林栄通商店街
地図上ではこげ茶色
千林商店街の京阪電車千林駅側、改札を出て右側に行った部分に位置する商店街。商店街の名称よりも「スーパー玉出」の看板が目立つことからも分かる通り、なぜかスーパー玉出を前面に推す商店街として知られており、閉店して空きテナントとなったお店になぜかスーパー玉出の看板が付いているという奇妙な光景を見ることができる。商店街そのものの規模は比較的小さいが、商店街内の至るところに「スーパー玉出」の恐ろしく目立つ看板が目立つその風景は一見の価値あり。
<千林栄通商店街の詳しい記事はコチラ>

千林駅前あじな商店街
地図上ではオレンジ色
千林商店街の京阪電車千林駅側、改札を出てすぐの場所に位置する商店街。他の商店街とは違い、コの字型になっているのが特徴で、そんな事情もあってか他の商店街と比べて「整備された商店街」感も少なく、比較的ディープな街中を見ることのできる商店街となっている。また居酒屋やカラオケパブといった、いわゆる「夜の店」の比率が非常に高いのもポイントで、商店街であるにも関わらず、昼間には比較的閑散とした風景が広がっているのもおもしろい。
今市商店街
地図上では水色
千林商店街の中間部から地下鉄谷町線・今里筋線の太子橋今市駅までの区間にかけて続く商店街。合計で約80ほどの店舗が軒を連ねている。この商店街の最大の特徴はアーケードが2つに分かれている点で、一度アーケードが途切れたかと思いきや、またその先にもう一度「今市商店街」と書かれたアーケードが現れるという、少々変わった姿をしている商店街となっている。他ではまず見られない光景なので一度訪問してみると面白いかもしれない。
<今市商店街の詳しい記事はコチラ>

千三商店街
地図上では緑色
千林商店街から北に分岐する、今市商店街からすぐ横に分岐する商店街。再開発ビル「千林くらしエール館」、及びごくごく一部のアーケードに10店舗ほどのお店が連なっているという少々変わった形式の商店街で、「商店街」という名称でありながらビルのほうがメインになっているという形を取っている。しかし、再開発を行ったは良いが、周りに千林商店街を中心とした多くの商店街が並んでいることもあってか、こちらのビルの人出は(それなりにあるが)思ったほど多くなかったそうで、微妙な光景が広がっているようだ。
千林商店街から西に分岐する商店街
千林大宮商店街
地図上では青色
地下鉄千林大宮駅の西側、千林商店街のすぐ反対側に位置する商店街。食べ物を扱うお店が非常に多く並んでいるのが特徴で、商店街に不足しがちな「食事を行う場所」を提供するお店が多く並んでいる。しかしその一方、食事以外の一般的なお店、特に日用品や雑貨を扱うお店が非常に少なく、良い意味で言うと「他の商店街の弱点を補っている商店街」、悪い意味で言うと「偏りの非常に激しい商店街」であるといえる。
<千林大宮商店街の詳しい記事はコチラ>

千林商店街から南に分岐する商店街
森小路京かい道商店街
地図上では紫色
千林商店街の南側、京阪電車の森小路駅に向かって続く商店街。「京かい道」と名前にある通り、江戸時代に京都と大阪(当時は大坂)とを結ぶ街道上にできた商店街で、アーケードこそないものの、千林商店街と森小路地区を結ぶメインロードとなっていることもあり、多くの歩行者や自転車が行きかっている。距離が長いため閉まっているお店も目立つ状況だが、それでも多くの人々が通っていることもあり活気あふれる商店街となっている。
森小路商店街

画像は商店街公式サイトより抜粋
地図上ではうす茶色
京阪電車・森小路駅から森小路京かい道商店街を経由し、国道1号線までの約360mに合計約75店舗のお店が並ぶ商店街。公式サイトにも「皆様の暮らしの中に森小路商店街」と書かれている通り、昔ながらの雰囲気を残しつつも比較的新しめのキレイな店舗が残る商店街となっている。
新森商店街

画像はGoogle Mapより抜粋
地図上では黄色
京阪電車・森小路駅からさらに南側へと続く商店街。千林商店街からは商店街を2つ経由しなければならないこともあり、かなりの距離を歩かされる。また、商店街そのものも規模が小さく、商店といえる商店は数えるほどしか点在しておらず、もはや商店街として成立しているのかどうかもよくわからない。
なお、地下鉄今里筋線の新森古市駅からはやや距離があり、徒歩10分ほどを要すので注意が必要だ。
まとめ どの商店街もそれぞれ特徴があっておもしろい!
いかがだっただろうか。千林地区には多数の商店街があり、それぞれ独自の取り組みでお客さんを集めている。ここまでの規模の商店街を狭いエリアに展開している商店街もそうそう無いのではなかろうか。千林商店街を訪問した際は、ぜひ他の商店街も一緒に回り、大阪のパワーを感じて頂ければ、と思う。