神戸市兵庫県近畿

神戸市北区「UR花山東団地」で日本初の斜行エレベーターと自然に囲まれすぎた景色を見た。

兵庫県で有名な斜行エレベーターといえば、やはり西宮名塩にある「創造の丘ナシオン」へと続くエレベーターが有名だろうか。JR宝塚線沿線にあるというその事情もあってか、斜行エレベーターの中でも髄一の知名度を誇っている気がしてならない。

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だが、斜行エレベーターが西宮だけにあるのかというと決してそんなことはなく、尼崎市のショッピングセンター「つかしん」や、意外なところだと山梨県の住宅街「コモアしおつ」なんかにも設置されていたりしている。

神戸電鉄花山駅

さて、今回やってきたのは神戸市北区にある神戸電鉄有馬線の駅「花山駅」である。なぜ神戸市?と思ったかもしれないが、噂によるとなんとこの神戸市にも「住宅街への連絡線」として斜行エレベーターが整備されているのだというのだ。全国でも数少ない斜行エレベーターだが、そのうちかなりの数が兵庫にあるというのも実に感慨深い。

話がそれてしまったが、今回はこの神戸市にあるという日本初の斜行エレベーター「スカイレーター」及びその先にある団地「UR花山東団地」について、その現状をお届けすることにしよう。

神戸電鉄花山駅前

神戸電鉄花山駅前

しかし、西宮名塩と異なりこの花山駅周辺にはお店が本当にちょこっとしかないんですが、本当に大丈夫なんですかね?一応三宮から3駅しか離れていない場所になるんですが・・・。

日本初の斜行エレベーター「花山東グリーンエレベーター」

スカイレーター

神戸電鉄花山駅を出て西側に歩みを進めると、ほどなくして長い橋と意味深な長い建造物が出現する。これこそが今回取り上げる斜行エレベーターだ。

スカイレーター

このエレベーターは正式名称を「花山東グリーンエレベーター」と言い、俗に「スカイレーター」なる愛称がつけられている。1984年にこの花山東団地に設置されたもので、日本で初めての斜行エレベーターとして界隈の方々にはそれなりに有名な存在らしい。

スカイレーター

エレベーターに乗って天空の世界へと歩を進めていく。エレベーターは左右に2基設置されているが、今回取材班が訪問した際は左側のエレベーターのみが稼働しており、もう1基は休止状態にあった。おそらくラッシュ時のみ2基運行されているのか、そもそも元から片方しか動いていないのだろう。需要の無さがうかがえる。なお、一般的な他の斜行エレベーターとは異なり、窓は横向き1か所のみの設置。斜行エレベーターならではの美しい車窓(?)は楽しむことができなかった。無念。

スカイレーター

エレベーターを昇り、出口へと到着した。日本初ということもあり、様々な苦労もあっただろうが、その中でこのような建造物を作ることのできた日本の技術に脱帽である。でもやっぱりちょっとガタが来ているような・・・(笑)そろそろ改修も視野に入れるべきだと、個人的に感じてしまった。

なお、このエレベーターは午前4時30分から午前1時までの運転で、深夜帯はエレベーターの運転が停止されるので要注意だ。

緑に囲まれた天空の団地「UR花山東団地」

UR花山東団地

UR花山東団地は、神戸電鉄有馬線「花山駅」から斜行エレベーターを登った先、徒歩約10分のところに位置する団地だ。全26棟・1250戸によって構成されているこの団地は、神戸の中心地・三宮駅から神戸市営地下鉄・神戸電鉄を乗りついで3駅、約20分ほどで移動できる場所に所在しており、鉄道面での移動に関しては至便な場所といって良いだろう。

UR花山東団地

花山東団地は大きく分けて3つのエリアに分かれており、駅から最も近い(といっても10分以上かかるが)25・26号棟(上の写真で見える四角い建物)、その南側、より高い位置にある10~24号棟、そしてエリア内にある「花山小学校」を挟んで西側にある1~9号棟という形で公営されている。URとしては標準的な規模ではあるが、山の斜面にこれほどの規模を誇る団地を整備できているのは珍しい。

UR花山東団地

さっそく団地の中へと入っていこう。斜行エレベーターの前には「花山東団地ショッピングセンター」なる、いかにも時代を感じる看板が待ち構えている。この周辺にはURの窓口や郵便局なんかも位置している。どうやら、この団地の中心はこのショッピングセンターと斜行エレベーター周辺に集まっているようだ。

UR花山東団地

商店街内のテナントを傍観する。商店街内のテナントは生協や郵便局、そして個人経営と思われる喫茶店に歯科医院等、なんだかやる気があるのかないのかよく分からない状況だ。まあ団地のショッピングセンターなんてこんなもんか。

UR花山東団地

ショッピングセンターを抜け、さらにその先へと進んでいく。山すそにあるということもあり、かなりの高低差がある。そして元々六甲山地の一部であったこともあってか、団地内は緑であふれ、青々とした景色が広がっている。普通の団地ではまず見られない景色だ。西宮名塩の中もそうだが、このような緑を求めて人々は住むのかもしれない。

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UR花山東団地

橋を通り抜け、さらに先へと進む。この先には10~24号棟の位置するエリアとなっており、花山東団地内においても最も遠いエリアだ。ここまで来ると若者でも歩いて15分ほど、高齢者ともなると20分以上は歩かなければならない。いくらUR物件で家賃が安いとはいえ、ここまで来るとさすがに苦しいものがあるわな・・・。

UR花山東団地

10~24号棟の建物が並ぶエリアへと到着。団地にしては高めの建物が並んでいる。しかしやはり場所が場所なのか、入居率は高いとはとても言えそうにない。

UR花山東団地

別視点からもう1枚。団地内は斜面が続いているが、キツい坂がずっと続くという訳ではなく、それぞれのエリア内においては比較的坂は緩めで、ある程度の配慮はなされているようだ。しかしこれだと逆に日当たりが悪くなりそうなものだが、これで大丈夫なんでしょうか・・・。

UR花山東団地

この花山東団地も高齢化の波には耐えられないのか、エリア内の公園では雑草がボーボーと整備もされずに生え放題のまま放置されていた。日本各地の団地で高齢化が問題となっているが、結局ここも変わらないんですね。残念ですが。

小学校までは団地内、中学校からは・・・

UR花山東団地

さて、続いて1~9号棟のあるエリアへと移っていこう。10~24号棟と1~9号棟のあるエリアにはかなりの高低差があり、こちらの坂のきつい通路を通り抜けていく必要がある。

しかしその坂の横には「通学路につきバイク等の通行はしないで下さい」の文字。そう、この急な坂は通学路となっているのだ。

UR花山東団地

小学校の横に来てみた。小学校はUR花山東団地の1~9号棟のすぐ横に設置されており、団地内でも中央部に位置していることからアクセスに関しては悪くないと思われる。また、このUR花山東団地内には小学校以外に幼稚園も設置されており、花山駅のすぐとなりに「真星病院」という総合病院も設置されていることから、それなりに暮らすことはできるのだろう。

ちなみに中学校に関しては花山東団地の隣、大池エリアにある「大池中学校」まで行かなければならないとのこと。ここからだと山を上り下りしないといけないんですが、そのせいでファミリーが寄り付かないのでは?とさえ感じてしまう。

UR花山東団地

1~9号棟の建物を下から覗き見る。

しかし暑いからなのか、はたまた住む人がいないのか、団地内で人を全くと言って良いほど見なかった。神戸市の人口減少が昨今大きな問題となっているが、こんな状況で本当に大丈夫なのか、心配でならない。

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UR花山東団地

団地の上から「下界」を見つめる。さすがに山の上にあるということもあり、雄大な景色が広がっている。しかしこの景色を見るためにはそれだけ登らなければいけないというわけであって、いくらエレベーターがあるとはいえ・・・と感じてしまう。人生いろいろ、住む場所もいろいろってか。ちなみに取材班はこんなところに住みたいとは思わないんですが、皆さんはいかがでしょうか。


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