近畿大阪府大阪市

平尾本通商店街(サンクス平尾)で、ガチの沖縄を大阪で味わう

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大阪市大正区は通称「リトル沖縄」と言われるほど沖縄出身者が集住していることで知られており、約6万人ほどの人口のうち4分の1ほどが沖縄出身であるというから驚きだ。

おきナニワん-ハイツ

住宅の名前も「おきナニワん-ハイツ」なんて名付けてしまっている

沖縄出身者が多くなった理由として、第一次世界大戦後に沖縄から大正区に移住した人間が多かったことに起因しているそうで、当時の沖縄では食糧難が起きており多くの人間が仕事を求めて本土へと移動したこと、そして当時の大正区には紡績工場が多く軒を連ねており、ちょうど紡績産業が勃興期を迎えていたことからこのエリアに移り住んだ人が多くいたようだ。この辺に関しては日経の記事が詳しい取材をしているため、良ければそちらもご覧ください(無料で読めます) 。

サンクス平尾

さて、そんな沖縄出身者の多く居住する大正区の中でも最も沖縄の雰囲気が濃く残っていると言われるのが、JR大正駅からバスで約15分のところにある「平尾本通商店街(通称サンクス平尾)」である。江戸時代、平尾与左衛門という人間がこのエリアを新田として開発を行ったことからその名前が付いたそうだが、今ではのどかな田んぼは残っておらず、住宅や商店が並ぶ市街地となっている。今回は、この「平尾本通商店街(通称サンクス平尾)」について、その沖縄らしい風景と現状について書かせて頂くとしよう。

超ご立派アーケード商店街「サンクス平尾」

サンクス平尾

サンクス平尾は、大阪府大阪市大正区平尾3丁目、及び5丁目にあるアーケード商店街だ。この平尾地区、そしてその南側にあたる南恩加島地区は大正区内でも特に沖縄出身者の多いエリアとなっており、そんな彼らの買い物場所がここにあたるというわけだ。また、大正区内にはここ以外にも「三泉商店街」や「泉尾商店街」といったアーケード商店街があるが、その中でも最も南側に位置するアーケード街となっている。

なお、バスでこのアーケード商店街に入る場合は少々注意が必要だ。というのも、バスの多く通る大正通とこのアーケード商店街は隣接しておらず、最寄りのバス停である平尾バス停から少し東側へと入り込んだところに商店街があるからだ。くれぐれも迷われないよう、要注意。

サンクス平尾

かつては当時の地名である「南恩加島」を略して「南恩銀座商店街」という名称がつけられていたというこのサンクス平尾。1965~75年ごろに名称が変更されたそうで、変更当初は南恩銀座商店街と全く同じアーケードを使用していたそうだが、現在のアーケードはより新しいものに変更されている。

サンクス平尾

商店街の中を進んでいく。古さの拭えない内部ではあるが、やはりというかなんというか、「沖縄推し」がエグいことはもう言うまでもなく、店舗を示す看板の下にも「沖縄」の文字とシーサーの書かれた幕がぶら下がっているほか、ところどころにある垂れ幕にも「沖縄らしさ」全開の風景が広がっている。沖縄らしいというよりもはや沖縄にしか見えないんですが。

サンクス平尾

シャッターの閉まったままの店舗も沖縄たしいムードの漂うシャッターアートが描かれ、沖縄らしいそのムードに磨きをかけている。

サンクス平尾

だがとはいえ、お世辞にも景気の良い状態とはいえず、キレイなシャッターアートの描かれている店も割とあるとはいえ、歩行客の姿も少なく、全体的に寂しい風景が漂っている。2021年現在で現役の店は全体の5分の1から4分の1といったところだろうか。長堀鶴見緑地線が鶴町まで延伸するだなんだといった話が出ている世の中ではあるが、さすがにここまでの状態になってしまうと再生するのも苦しいですよね・・・。

サンクス平尾

そしてご多分に漏れず、ここも高齢化の波に押されてしまっているのか、新たに訪問介護ステーションなるものまで設置されていた。本来商店街の中にできる店ではないはずなんだけどなぁ。空き店舗を埋めるのが急務なのは分かるのだが、方向性を間違っている気がしてならない。

サンクス平尾

さて、横断歩道を渡ったその先に入っていこう。なお、先ほどのエリアが「平尾五丁目」、ここから先のエリアが「平尾三丁目」と呼ばれる場所となっている。

ホリディパールホテル

平尾三丁目エリアでは、いきなり商店街の中に入っていくのではなくまずこちらの建物に注目していただきたい。こちらの建物は「ホリディパールホテル」という宿泊施設となっているのだが、何とこちらのホテル、パチンコ屋の跡地に居抜きで作ったという、いろいろといわくつきの施設となっている。

ホリディパールホテル

こちらのホテルだが、日本人客というよりは中国人のインバウンド客を意識して作られたようで、ドアひとつを取ってみても「长按」に「出门请按钮」などと書かれている。すみません、何と読んでいいのかわかりません。そしてそんな事情も加味されてか、大手宿泊サイトである楽天トラベルじゃらんにはこのホテルに関する一切の情報が掲載されていない。あ、Expediaさんには載ってましたよ。良かったら止まってみてくださいね。当方は何も保証できませんが。

ホリディパールホテル

しかしそれにしても、随分と立派な門構えだこと・・・。さすがに元パチンコ屋だけあって、非常に立派な外観を保ち続けている。

なお、施設名称は「ホリディパールホテル」である。「ホリデー」でも「ホリデイ」でもない。小さい「イ」を使うので注意が必要だ。

ホリディパールホテル

そんなホリディパールホテルの入口の右側には、京都・大阪・神戸という京阪神の三大都市とその地を代表する観光地の写真が貼られているのだが・・・

ホリディパールホテル

Welcom to JAPAN

・・・さすがにそれくらいは直してください。

サンクス平尾

話を元に戻そう。平尾三丁目エリアに関しては、先ほどの平尾五丁目エリアよりも空き店舗が目立つ状態となっており、店の名前を示す看板も空白が続くという残念な状態が続いている。

サンクス平尾

一部の店は老朽化のせいか、今では建物そのものが取り壊され、荒れ地ともいえる光景が広がっていた。そしてその上にはなぜか「NPO法人」の文字。何かの所有物なんですかね、これは。

サンクス平尾

こんな立派なドームまでしつらえているのに、周りのお店はシャッター、人通りもない、挙句の果てにはアーケード内に駐車・・・ 高松市の商店街のドームなんか、大きな垂れ幕が何個もついているし、お店も生き生きと営業しているのに、何がこんな違いを生み出しているのか。その要因はいろいろとあるのだろうが、気になって仕方がない。

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地元民ご用達の「沢志商店」で沖縄フードを食らう

沢志商店

さて、取材班が目的とする店にやってきた。サンクス平尾内の沖縄系ショップの中でも最も有名かつ知名度の高い店、「沢志商店」さんである。大正区内で沖縄の食材を買い求めるならここに来て損はないだろう。

沢志商店

沢志商店

こちらの沢志商店さんでは、KALDIなんかにありがちなものだけでなく、明らかに地元の人しか買わなそうなものまで、実に様々な種類の沖縄製品を揃えている。店主の方いわく、「この地域の人はお土産にここで沖縄の商品を買って帰る」とのこと。にわかに信じがたい話だが、いろいろとお話を聞いている限りどうやら本当のことらしい。ここの店主さんは非常に親切な方なので、いろいろ聞いてみると良いかもしれない。

ルートビア

ということで、インスタントのソーキそば(2食入)と沖縄名物「ルートビア」をお買い上げ。さっそくルートビアを頂くとする。なんだか本当に沖縄に来たような気分になってしまうが、幸か不幸か、ここは大阪である。はるか遠くの沖縄の風景を思い浮かべながら、寂しさばかりがこだまするサンクス平尾の中を歩くしか、私はなすすべが無かった・・・。

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